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【J1:第23節 大宮 vs 仙台】プレビュー:ベストメンバーそろう仙台。大宮は“新・7秒サッカー”で勝負!スロベニア代表FW2枚とベガッ太さんも気になる一戦。(12.08.24)

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前節、アウェイのF東京戦では18本のシュートを浴びながらも、途中出場したノヴァコヴィッチの技ありゴールを守りきって勝点3を手にした大宮。これで順位は15位と降格圏脱出には成功したが、G大阪が名古屋に5−0と大勝したことで、現時点で残留争いは勝点21のG大阪、新潟、勝点23のC大阪、大宮が残留圏の14位と15位を争う状況となり、気の抜けない戦いが続く。今節、ホームに迎えるのは2位につける仙台。「今まで、良い試合をしてもその後の試合を落としてきた。それを払拭できるかどうか。連勝すれば勢いに乗れる」(江角浩司)、「今週がより一層大事になる」(長谷川 悠)と、選手たちもこの一番を正念場ととらえている。

もちろん15位のチームが2位のチームに勝つのはそう簡単ではない。が、夏場に入って仙台が調子を落としているのも事実で、最後の勝利は7/7の第17節・神戸戦までさかのぼる必要がある。リーグ戦の『後半戦』で区切ってみれば、大宮も仙台も獲得した勝点は4と互角。この状況だけみれば、大宮にとって連勝は、決して高すぎるハードルではないように見える。

ただしリーグ後半戦で、大宮が1勝1分3敗と負けが先行しているのに対し、仙台は4分1敗と引き分けが多い。しかも大宮は勝ち試合と負け試合の内容の差が大きいが、仙台はバタバタした試合に持ち込まれて落とした札幌戦を除けば、内容は安定している。また、仙台の不振の原因には、角田 誠や富田晋伍、上本大海らがケガによって離脱していたことも大きい。今節はいよいよ彼らがそろい、ベストメンバーで臨んでくるはずで、「得点力があり、守備はリーグ最少失点。偶然に今の順位にいるチームではない」と、ベルデニック監督も厳しい戦いになることをうかがわせた。

大宮としては「粘り強く、身体を張って、0−0の時間をできるだけ長くできれば僕らのペース」(片岡洋介)と、F東京戦同様コンパクトに集中した守備をベースに戦う。赤嶺真吾とウイルソンの2トップに対して、菊地光将と片岡の両CBが単純に高さでは負けないはずだが、「セカンドボールへの集中力」(渡邉大剛)とそこからの2次攻撃、3次攻撃が仙台の強みであり、「ボランチとSB含めてFWへのパスコースを消す」(ベルデニック監督)ことと、「流動的に動くサイドハーフが中に入ってきたとき、いかに僕らボランチがつかまえられるか」(金澤 慎)がポイントになりそうだ。また前回の対戦では、前半は大宮のペースで試合が進んだものの、後半になって仙台がロングボールでサイドバックの大外を突いてきたことで、大宮の攻守を崩壊させた。監督が交代し、あのとき以上に横幅のコンパクトな大宮の守備を、スピードのあるサイドハーフが突いてきたときに、いかに後手にならずに守れるか、その対応力が問われる。

そして大宮がリーグ最少失点の仙台守備陣をいかにこじ開けるか。「ボールを失うと素早く切り替え、自陣に戻って守備組織を作る仙台を崩すのは簡単ではない」と指揮官も認めている。求められるのは、「相手が戻りきる前に、より速い攻撃」(ベルデニック監督)だ。前々日の練習では、ハーフコートでの紅白戦の中で、「7秒以内にシュート」を条件付けする時間もあった。「速く攻めることはずっと意識付けされていたけど、具体的な秒数が出たのは初めて」(金澤)と、指揮官の意図は選手にも浸透している。そして遅攻になった際には、「ボランチからFWに付ける縦パスを監督には要求されている。仙台はゾーンで間を取りやすいと思うのでねらっていきたい」(金澤)。受け手となる長谷川も、「以前より縦パスをフリーで受けられるコツが分かってきた。後ろ向きで受けると挟まれるので、前向きか半身になって受けて、もう1枚のFWをうまく使って攻めたい。縦パスと、それが入ったあとに絡む意識はチームに浸透してきている」と自信を見せる。

また、新戦力の現役スロベニア代表FWノヴァコヴィッチとズラタンの2枚の起用法にも注目が集まる。先に来日したズラタンは、膝の故障で前節はベンチ外だったが、今週はトレーニングに復帰している。まだ2人ともチームへのフィットが十分でないが、練習ではズラタンとノヴァコヴィッチの2トップ、ノヴァコヴィッチが1トップでトップ下に東 慶悟、ズラタンが左サイドハーフに入る形も試されている。おそらくはまだオプションの域は出ないと思うが、2人ともベンチ入りしてくるのは確実。彼らの高さと決定力が加われば、次第に大宮の攻撃の重要な要素となりつつあるサイドからのクロスにも、さらに期待感が高まる。仙台の得意とするセットプレー時の守備に貢献するのはもちろん、逆に大宮のセットプレーも相手にとって脅威となっていくだろう。

残留争いの大宮にとっては正念場だが、仙台も優勝をねらえる位置に付けている。昨年の震災から、復興の象徴となるべく戦うチームとしては、ベストメンバーがそろったこのタイミングで低調な流れを断ち切りたいはず。まして相手の監督は、2003年から2004年まで仙台を率いた、かつての師である。当時、手倉森 誠監督がコーチを務め、梁 勇基、関口訓充、菅井直樹、中原貴之ら、ベルデニック監督の組織的サッカーの薫陶を受けて育った選手が、今や仙台の中核を成している。ただ教え子には違いないが、ベルデニック監督の規律重視で厳格な指導ぶりを考えると、単なる『恩返し』以上の強い気持ちでやってくるだろう。猛烈な残暑を忘れさせるような、熱い戦いになりそうだ。

最後に、試合とは直接関係ないが、仙台からチームとともにベガッ太さんがNACK5スタジアム大宮にやってくるとのこと。アルディとミーヤとの絡みにも注目だ。

以上

2012.08.24 Reported by 芥川和久
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