今日の試合速報

ACLE MD6
ACLE MD6

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第31節 山形 vs 町田】プレビュー:内容が結果に結びつき始めた両チーム。勝ってさらなる推進力を得るのは、山形か? 町田か?(12.08.26)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
希望も不安も混在していた42試合は、半年近くを経て12試合を残すところとなった。昇格へ向けプレーオフ圏の淵にしがみつく6位・山形にとっても、降格のリスクから少しでも遠ざかりたい20位・町田にとっても、目的を叶えるには十分な試合数だ。勝ち続ければいい。勝利への意志を持ち続ける者にだけ、その権利が与えられる。3連戦最後の夜、内容に手ごたえを得て、それが結果にも反映されつつある両チームが対戦する。

山形の3連戦はアウェイの連戦で始まった。ブランキーニョの2ゴールで逆転に成功した愛媛戦は5試合ぶりの勝利。アウェイゲームとしては、第11節・東京V戦以来9試合ぶりの勝利だった。そして前節は首位・甲府戦をスコアレスドロー。中盤ダイヤモンドの4-4-2のシステムはそのままに、山崎雅人のポジションに林陵平が移籍後初先発したが、「立ち上がりから自分たちがしようとしているプレーがいい形で表現できたんじゃないかなという感じがしますね。今までだと『後半から』と見られていた部分が、相手が立ち上がりから迫力をもって来ようが、表現できるようになっている」と奥野僚右監督。愛媛戦では後半途中でピッチを退いた宮阪政樹も「自分のやるべきことはできていた。ゲームコントロールもうまくできてた試合だった」と振り返るが、だからこそ「勝ちたかったなという気持ちはある」とも付け加えた。それでも、勝てなかったアウェイ2試合で勝点4を獲得、2位と3差の6位でホームに戻るシナリオは、悪くない。

甲府戦を失点0で終えたことで、今シーズンの平均失点は1点を切って0点台へ、シーズン当初に掲げていた数値に到達した。一方の攻撃でも、1試合平均シュート数12.6本はリーグトップ。シーズン途中で守備的にシフトするチームが増えているなかでなおアタッキングサードをえぐり、コンスタントにフィニッシュ数を確保できているのは、チームの成長ととらえていい。ただし、平均得点は1.37点と、その攻撃性に見合った数値になっていないのも事実。課題は明白。「あとはほんと、決めるところだと思います。もっと点取れていいと思うし、そこはもっと意識を高めて、責任を持ってやりたいと思います」。得点力アップへ、石川竜也が決意をさらに強くした。

第28節・千葉戦は、町田にとって17試合ぶりの勝利となった。そこまでのトンネルは長かったが、偶然転がり込んできたのではなく、継続してきた確固たる積み重ねがあるからこそ手にできた勝点3は、チームに大きな自信をもたらしている。続く徳島戦も鈴木崇文の直接フリーキックで1-0と逃げ切って今季2度目の連勝。ホーム連戦となった前節、残留を争う鳥取との試合はスコアレスドローに終わり、J2昇格後初の3連勝はならなかったが、無失点は3試合に継続中。76分以降の失点「16」が示すように終盤に力尽きゴールを割られるイメージがあったものの、それをも払拭しようとしている。

堅い守備を実現している理由にはいくつかある。千葉戦から先発出場しているイ ガンジンの加入はそのひとつ。体の強さを武器にオールラウンドな能力を持つディフェンダーの存在が、ラインを押し上げる積極的な守備を可能にしている。また、千葉戦勝利のあとにオズワルド アルディレス監督が明かしたように、チームの戦術に少しずつ変化を加えるなかで、ロングボールを増やしたこともひとつ。かつては徹底したつなぎにこだわっていたが、それは少なからずショートカウンターを浴びる要因になっていた。現在はアンカー・太田康介を中心に大きい展開も多用することで、自陣で奪われるリスクを回避している。もうひとつ理由を挙げるとすれば、システムのスムーズな運用ができること。町田の最近のシステムは、3-6-1から派生した3-1-4-2。
また、相手がボールを握り押し込んできたときには、両サイドがバックラインに並ぶ5-3-2で耐えるが、攻撃でいかに本来のポジションを離れようとも、それを把握していることがリスク管理の必要な要素。右のアウトサイド・三鬼海が守備で間に合わないと判断すれば、コリン マーシャルが自陣深くまで戻るように、守備への切り替えでは近い選手から次々に埋めていけるのが強みとなっている。

ロースコアの展開のなかで一撃を狙う町田に対し、山形が欲しいのは先制点。それも早ければ早いほど効果的だ。野津田での前回対戦は0-0のドロー。当時、最下位の町田と分けた教訓は、順位が結果に直結しないことを証明する。清水健太は語る。「相手が残留争いしてるというのは知ってるので、並々ならぬ気持ちで来ることは確か。そういう頑張るチームに数試合、苦戦している部分はあるので、大事にしたい試合」。この試合は、思いの強さを量る試合でもある。

以上


2012.08.25 Reported by 佐藤円
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/08(月) 00:04 ハイライト:滋賀vs沼津【J3・JFL入れ替え戦 第1戦】