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【J2:第31節 草津 vs 京都】レポート:有言実行で決勝ゴールを決めたのは真の男・櫻田和樹!!!草津が泣く子も黙るダブルボランチの活躍で京都迎撃に成功!(12.08.27)

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ゲーム終盤、草津・松下裕樹はボランチの相方・櫻田和樹にこう告げたという。「今日はオレがゴールを決めて勝つ」。スコアレスで迎えた87分、草津に最大のビッグチャンスが訪れることになる。値千金の決勝ゴールを決めたのは、男・松下!!・・・ではなく櫻田。今季初ゴールを決めた櫻田は「松さんが『オレが決める』って言っていたので、オレも決めようと思っていました」と舌を出した。草津が、真の男・櫻田のゴールで2位京都に手痛い一撃を食らわせた。

草津の主役は、紛れもなくダブルボランチ・松下と櫻田だった。ゲーム開始時は松下と熊林親吾のボランチでスタートした草津だったが、前半28分に熊林が負傷退場。左MFに入っていた櫻田がボランチへと下がり、泣く子も黙るイカツイ坊主ふたりによるダブルボランチが結成された。「久しぶりにボランチに入って松さんとプレーしたけど違和感なくゲームに乗れた」(櫻田)。

ゲームは序盤から京都がボールをキープし、草津がブロックで受ける展開となった。立ち上がりこそ宮吉拓実の裏への動きに幻惑された草津だったが、時間の経過とともに落ち着きを取り戻すと、鋭いショートカウンターを打ち込んでいく。20分過ぎには松下裕樹がダイナミックなサイドチェンジで、京都守備網を崩しリズムを手中にしていく。「0−0の時間が長くなれば勇気が湧いてくると思っていた」(松下)。

前半をスコアレスで折り返した草津は後半も、攻守に連動したプレーで京都を追いつめていく。松下が京都の攻撃をバイタルで止めれば、櫻田は中盤でボールを華麗にさばいてボールを散らす。ダブルボランチが輝いたときの草津は強い。ポゼッションの時間を増やしていった草津は「縦」と「横」と使った攻撃で京都ゴールへと迫っていく。

そしてゲーム終盤、松下が櫻田に対して冒頭の「ゴール宣言」。それは松下の闘志がフル充電された証でもあった。ゴールプランを練り始めた松下は、ルーキー横山翔平に右サイドに張るように指示。サイドを突破した横山からのクロスをバイタルで受けてゴールへ。松下のプランは完璧だった。そして87分、松下のシナリオ通り、横山がサイドを突破しバイタルへ絶妙なパスを送る。

そして次の瞬間、坊主頭による強烈なショットが豪快にゴールネットを揺らす。しかし、喜んでいたのは松下ではなく、もう一人の坊主・櫻田。利き足である左足で完璧なシュートを叩き込んだ櫻田はそのままピッチサイドへ走り、喜びを表現。普段は裏方として献身的なプレーに専念する黒子が、主役に躍り出た。「あの時間にバイタルへ入ったら相手はついて来られない。イメージ通りのゴールだった」(櫻田)。松下は、櫻田のゴールを自分のことのように喜び、相方に駆け寄って祝福した。

京都は、ボールこそ保持したものの草津のブロックを崩せずに、松本戦に続いて痛恨の2連敗となった。大木監督が「攻撃のスパイスが足りない」と嘆いたが、草津の守備網に苦しみバイタルエリアでの迫力を欠いた。守備的な戦いを選択した草津にとって、パスを主体とした京都の攻撃は戦いやすい相手だった。ただ、工藤浩平、駒井善良、中村充孝らのボールタッチとアイデアは魅力的。「へこたれずに」(大木監督)このサッカーを追求した先に昇格がみえてくる。

草津は、ベテランボランチふたりの気迫のプレーで京都から勝点3をむしりとった。中3日で決戦へ挑んだ櫻田は「3連戦の最後だったが、オレも松さんも体力には自信があった。ベテランって言われる年齢になったけど、まだまだ戦えることを証明したかった」と勝利の余韻にひたった。シーズン終盤の草津を支えるのは、チームの誇りを背負って戦うガテンなダブルボランチだ。

以上

2012.08.27 Reported by 伊藤寿学
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