これはリベンジマッチだ。6月16日のアウェイ・横浜FM戦は終始、主導権を握られたまま試合を終えた。内容と、結果を追求するF東京にとっては屈辱的な敗戦だった。
「前回の横浜FM戦は、納得のいくものではなかった。たとえ勝ったとしても満足いったなんて言えない不甲斐ないゲームだった」
ポポヴィッチ監督も、そう言って完敗を認めた。堅い守りと、効率的に得点を決める横浜FMのよさばかりが目立ち、今季取り組み続けた高いライン設定もスピーディーなパスワークも機能を果たさなかった。完敗と呼ぶに相応しい試合。指揮官は「必要以上の重荷にしてはいけないが、この試合に懸けるモチベーションは非常に大きい」と言う。今節はホーム味スタで前回対戦の雪辱を期す。
ただし、横浜FMは前節C大阪に0−2で敗れたが、4月28日から約4ヶ月間無敗を続けてきたチームだ。練達のベテランと、伸び盛りの若手がかみ合う強者。さらに、16試合ぶりに黒星を喫したことで気の緩みなどないはずだ。
DF中澤佑二、DF栗原勇蔵と、MF富澤清太郎が固める中央は高さと強さを備えて穴がない。そして、接戦を勝ちきるための武器もある。MF中村俊輔の左足からは精度の高いボールが供給され、FWマルキーニョスは今季加入ながらすでに7得点を挙げて高い決定力を見せつけている。一度リードを奪えば、チームとして試合を確実に終わらせる力がある。この隙を見せない相手をいかに攻略できるかがポイントとなるだろう。
F東京にとっては、前節の決勝点が好例となる。人数をかけてスペースを消す広島相手に、流れの中からゴールネットを揺らしている。石川直宏が斜めに走ってスペースを作り、ルーカスがそれを有効活用して得点が生まれた。また、梶山陽平がそこに気づき、確実にパスを通したことも見逃せない。スペースを創造し、活用する。クリエイト・スペースと、エクスプロイト・スペース。この対となる2つのスペースへの意識があれば、トリコロールの堅守からも隙を見出せるはずだ。
しかし、F東京はここにきて再びけが人が続出している。ベンチ入りメンバーもギリギリ。今週は、コーチングスタッフが数人入らなければ、11対11の戦術練習ができない事態となっている。
さらに、実戦では135分間しか試していないF東京の3−4−2−1の新布陣も未完成のままだ。攻撃だけでなく、守備時に穴を開けてしまう場面も散見する。悩ましいのは、両ウイングバックを下げて5バックで守れば、スペースを消すことはできるのだが、引いて守るだけでは前線に人数をかけることができない。そうなっては攻撃に迫力を欠き、相手陣内にスペースを作り出すことも難しくなる。この問題に折り合いをつけなければいけない。横浜FMの隙を突き、こちらの隙をいかに埋めるかの難問を解決しなければ、勝利は見えてこない。
問題山積みのF東京は、前回対戦の雪辱とともに、勝負の秋に向けてここで解決しなければいけない課題に挑む。
以上
2012.08.31 Reported by 馬場康平
J’s GOALニュース
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