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【J2:第32節 徳島 vs 山形】プレビュー:望みを繋ぐために――。徳島はタッチライン際を制して山形を沈めたい。(12.09.02)

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酷暑の中での連戦3試合目となった前節。心身両面の疲労がピークに達していたことから「イージーなミスが多かった」(小林伸二監督)ことは否めないが、それでも選手たちは勝利への執念を感じる戦いぶり。効果的にセットプレーを活かし、アウェイ鳥取の地で白星をもぎ取って見せた。
とは言え、その1勝だけで置かれた立場が変わるわけはない。徳島は昇格という目標に対し依然厳しい状況で、チームにとって残り11戦はまさにノックアウトトーナメントのようなもの。一度の失敗も許されない、非常に難しい戦いとなるのが現実だ。

そしてその徳島は今節4位につける山形をホームに迎えるが、この一戦を制するために不可欠なものはかなりハッキリしていると言えるだろう。それは、タッチライン際の制圧。そこで常に先手を取ってイニシアチブを握り続けられれば、チームはきっと目標への望みを繋ぐことが出来るはずである。

と言うのも、山形は両翼を非常に上手く使い攻撃を組み立てる組織であるから。実際前節彼らが挙げたゴールにはどれもサイドからの仕掛けやボールがしっかり絡んでいたし、得点場面以外でも幾度となくそこから相手ゴールへ迫るいい形を作っていた。さらにそうしてサイドをストロングポイントに出来るだけのピースが山形には左右どちらにも揃っていると言えよう。石川竜也、小林亮はクロスの精度もアップダウンする活動量も十分で、永田亮太や秋葉勝は中央への入り込みも見せながらクレバーに外を使っていけるのだ。
と、とにかく山形のサイドは強力。その強さを発揮させてしまうとやはりゲームの主導権を『みちのくの雄』から奪うのは至難の業であろう。

それだけに徳島としては何としてもタッチライン際の攻防を制さなければならない。守備の際の激しくタイトなアプローチはもちろん、ボールを奪えば間髪入れない切り替えから積極的に押し込むアタックをトライしなくては。また全体バランスを保ちながらの素早いスライドもチームには求められるところだ。それによってサイドエリアの数的優位を欠かさず作り、守りではパスコースの徹底した潰しを、攻撃では1つでも多い選択肢作りをしていきたい。
そこでそのような戦いをするにおいてはまさに全員がキーマンとなるわけだが、中でも1人特にカギを握る男を挙げれば、やはり今右ワイドに入ってひと際存在感を放っている太田圭輔。無尽蔵なスタミナで驚異的な運動量を披露し、高い位置で1対1になれば必ずと言っていいほどドリブルで相手に勝負を挑んでいる背番号15こそがそれのように思われる。自身も今節に向けては「自分の持ち味をもっと出すことでチームにいいリズムをもたらしていきたい」と意欲を語ってくれたが、その太田が同エリアの平島崇と前節の2点目シーンでも見せたような連携攻略を数多く実践出来たなら勝利の女神は徳島へ微笑みかけてくれるに違いない。

自動昇格の2位を射程圏内に捉えているとは言え、5月以降連勝が出来ていないとあって山形には重要な一戦。ここで久しぶりのそれを達成し、来る昇格レース終盤に臨むための勢いを纏っておきたいだろう。だが、徳島はどんなことがあっても勝点3を譲れない。自らのために、支えてくれるファン・サポーターのために、まだまだ今季の火は消せない。

以上

2012.08.31 Reported by 松下英樹
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