FC町田ゼルビアにとって、限りなく最悪に近い山形戦の前半だった。前半20分、41分に失点すると、前半アディショナルタイムにはGK修行智仁が顔面を強打して担架で運び出され、その直後に3点目を奪われてしまう。8月の堅守を支えていたイ・ガンジンも、前半途中に足を踏まれて指を痛めていた。町田は修行に続いてイ・ガンジンまで前半で退き、守備の軸となる2人が負傷交代となってしまう。
3失点を喫したのだから、もちろん内容はまずかった。ただアルディレス監督が「前半はハラキリもの」と嘆いた試合展開の中でも、救いになった部分がある。一つは後半に建て直して1点を返したことで、もう一つは修行とイ・ガンジンが軽傷で済んだことだ。特に修行はちょうど昨年の同時期にも同じようなプレーで頬と顎を骨折し、JFLの後半戦を棒に振っている。「それを知っている人は心配されたと思う」と修行が語る通り、嫌な記憶が蘇る山形戦の負傷退場だった。しかし「前回は顔の右側だったけど、今回は左」という幸運もあり、骨には全く異常なし。目の上を8針縫った痛々しさはあるが、プレーに支障もなく、今節は先発で登場しそうだ。
ただしイ・ガンジンの先発はまだ難しそうで、前線も平本一樹の欠場が濃厚。町田は最終ライン、前線の構成を替えて試合に臨むことになる。「比較的早く決断する方だと自分では認識している」アルディレス監督だが、「今回は(全体練習から離脱している選手の出場を)最後まで模索したい」とのこと。ベンチ入りも含め、ぎりぎりのタイミングで「総合的に決める」(アルディレス監督)ことになる。
2選手の欠場を前提に考えると、CBに津田和樹、FWは北井佑季の起用が濃厚だ。北井は今まさに絶好調で、前節・山形戦の後半アディショナルタイムには、強引なドリブル突破からゴールを挙げている。今週木曜の紅白戦でも、ディミッチとの2トップから大量5得点。「チームのシュートまで行く形が良くなっているし、僕個人もいい形でゴールに行ける回数は増えている」という北井に“期待”が持てそうだ。
「北井さんとはすごいやり易い。当てて俺が追い越して出してもらって、また彼が追い越してとか、連携が出来ている」と語るのはMF幸野志有人。山形戦では宮阪政樹のマークに苦労し、強引に個で打開しようとしてボールを失う場面が多かった。「味方にスペースを空けてあげればよかった」と本人も反省する通り、周りとの連動を意識することで、チームはもちろん彼の持ち味は生きるだろう。U-20女子ワールドカップでは、JFAアカデミー福島で幸野の同級生だった田中陽子が大活躍中。「すごいなと思う。4戦連発で決めているんですよね?」と、彼も刺激を受けている。
ファジアーノ岡山は5戦負けなしで現在10位。プレーオフ圏内(6位)までの勝点差は7で、昇格を狙い得る位置にいる。町田の選手に聞くと「結構いいサッカーをしていたし、FWも調子が良さそう」と語る藤田泰成をはじめ、総じて岡山の評価は高い。特に警戒されるのは今季11得点の川又賢碁と金民均だ。「ゴリゴリというか、アグレッシブ。シュートの意識が高い貪欲タイプ」(田代真一)である1トップの川又と、「彼が持つと周りが動きだす」(藤田泰成)存在の金が、攻撃の核になる。
また左サイドの田所諒から入ってくるクロスも岡山の強みだ。町田の右ウイングバック・三鬼海は「上げさせないのはもちろんですけど、最低でもいいボールを上げさせない。自分の背後から上げさせず、なるべくゴールの遠くに蹴らせる」と、クロスへの対応を語る。三鬼はこの試合を終えるとしばらくチームを離れ、U-19代表候補へ合流することになるが、弾みをつけて合宿に臨みたい。
町田にとって、岡山戦は容易ならざる試合になるだろう。ただ怪我人、怪我の程度が最低限で済んだことは幸運だ。8月の連続無敗試合記録こそ4で途切れたが、岡山戦はいい形で仕切り直して、残り11試合に臨みたい。
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