いよいよ佳境を迎えつつあるJ2。今節を入れて残りは12節。昇格へのプレッシャーも、重くなる頃だ。
「この状況を楽しみたい」。安藤淳はそう口にした。「湘南、大分、山形と上位との戦いが続く。どれも大事だし、この先を決める戦いだと思う。こういう緊張感、昇格が掛かってゲームをするなんてそんなにあることじゃないと思うし、楽しく、と言ったら変かもしれないけど、この状況を楽しみたい。そして絶対に勝ち切りたい」。
まさにこの「心の持ち様」だろう。重圧はプロ選手である限り続く。それに押し潰されるのではなく、はねのける頑健さ。それこそ今の京都に最も求められる点だ。自分の力を出し切り、超克する。どこまで自分たちのサッカーを信じて戦えるか、観ている方としても楽しみだ。
京都は前節、草津に敗れた。大木武監督は失点場面について口調を強めた。「クリアしてマークを見てない。そこで(相手に攻撃を)戻されてクロスを上げられた時にはもう遅い。何をしなくてはいけないのか。『やらなくてはいけないこと』をやらないとやられるということです」。この「やらなくてはいけないこと」というのは、多岐に渡る。第25節・愛媛戦で、CKでニアに合わされ失点。試合後、指揮官は厳しく指摘したが、あれもやらなくてはならないことに入るだろう。
特に危険な所、時間帯。絶対に隙を見せてはならないポイント。そこでぼんやりした対応をすればやられる。失点を振り返れば、そのほとんどがそれ。普段なら出来たはずなのに―、これを徹底的に失くすこと。敵は相手ではなく自分自身である。
対戦相手の湘南。大木監督は「初戦(開幕戦)から変らない。変らないというか落ちないという感じ。カウンターが鋭く、出てくる時のスピード感は鋭い」と話す。ショートカウンターが主体の湘南。特に、前にボールが入った時の人数、スピードには大木監督も警戒を強める。特に両サイドの上下動は「強烈」と評した。
逆に言えば、やろうとしていることも明確で、強い武器を持ったチーム同士の見応えのある攻防が期待できる、ということでもある。
その湘南を京都のサッカーで突き崩す。これが一番観たいところだ。
「攻撃の達成感が無かった」。大木監督は前節の攻撃についてこう話した。「サポートが少なく、中に入っていけないから、クロスが通っていかない。それで跳ね返されてカウンターを喰らう。攻めの達成感もないし、相手もやられたという感じがしないのではないでしょうか」。
クロスに対し人が湧き出る様な―、となればいいのだろう。さらにはボールを追い越して「攻撃を動かす」感じも欲しい。要は、主導権を握る京都のサッカーを出せるかどうか、というところ。守備だけでなく攻撃でも「やらなくてはいけないこと」がある。その回数を上げて、何度も、相手が隙を見せるまで突き続けられるか。そこが勝負となるだろう。
第32節、京都と湘南の激突。タフなゲームになることは間違いない。
京都はバヤリッツァが今節出場停止。秋本倫孝がコンディション不良で戦列を離れている。この状況での京都のメンバーも注目点となる。メンバー、順位と向かい風の中で、いや、だからこそ、選手が「万丈の気を吐く」戦いを演じられるか、大いに楽しみだ。
以上
2012.09.01 Reported by 武田賢宗
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第32節 京都 vs 湘南】プレビュー:カウンターが武器の湘南と主導権を握るサッカーが武器の京都が激突。京都が逆境を跳ね返す強さを見せられるか、大注目!(12.09.02)
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