15戦未勝利の富山、10戦未勝利の愛媛がぶつかる。富山は5月27日の第16節で愛媛を1−0で下してから白星がない。再び巡ってきた愛媛戦でトンネルから抜け出したい。
富山市では越中八尾おわら風の盆が始まった。季節は秋へと移りつつある。今回は 「J百景・夏」で紹介された試合後の花火が予定されている。打ち上げ花火をバックに笑顔で夏を締めくくるのはどちらか。
「残り11試合を全勝するぞ。そのためにまず1勝しよう」。富山の安間貴義監督はこう言って今週のトレーニングを開始した。『未勝利を止める』から『連勝をスタートさせる』への発想の転換。前向きな気持ちで、持てる力を思い切り発揮してほしいとの願いを込めた。
強気のメッセージは半面でチーム状況の厳しさを示している。九州での2連敗は痛かった。前々節・福岡戦は2−3で逆転負け。続く前節・熊本戦は0−3で敗れた。特に前節は「冷静さを欠いた。勝ちたいという気持ちが強過ぎて最初の失点で必要以上にダメージを受けた」とDF足助翔が振り返るように、前半30、33分の連続失点で選手が動揺してしまった。勝てないことがメンタル面にも影響を与え始めているように思える。残留争いのプレッシャーが強まる中、今後の戦いはこれまで以上に難しくなるだろう。
足助は「プレッシャーをはねかえしていきたい。厳しいシーズンを乗り越えることでクラブとしても、選手としても成長できる」と語る。チームは困難に立ち向かう覚悟を決めた。そして「(最下位という)今の順位は不本意だし、悔しい。このままで終わるわけにはいかない」とも足助は話した。DF福田俊介が「この成績には納得がいかない。悔しさをぶつける」と言う。屈辱を晴らそうという思いも今後の戦いを支えてくれるはずだ。
愛媛も苦しい戦いが続いている。前半戦を9位で折り返したが、後半戦に入ってから3分7敗と勝利がなく18位まで後退した。未勝利の10試合で計6得点と得点力がやや落ちているのに加え、終盤に運動量が落ちて失点するケースが目立つ。攻守に課題があるという点は富山と同じだ。
前節の岐阜戦は終始優勢だったが無得点に終わり0−0で引き分けた。前回の富山戦から15試合連続して失点していたが、無失点で乗り切ったことは収穫。これを復調のきっかけにしたい。安間監督は「愛媛はうまいし、アグレッシブ。サイドバックもどんどん攻め上がってくるので警戒が必要」と話した。
今回はチームトップの10得点を挙げているFW有田光希が岐阜戦で負傷したため欠場。ボランチ田森大己も累積警告で出場できない。勝利を手にするためには、彼らに代わって先発する者を含めた各選手の踏ん張りが不可欠だ。
富山はMF朝日大輔やMF山瀬幸宏、FW平野甲斐らがけがから復帰し、攻撃陣の顔ぶれがそろいつつある。今週は前線と両サイドの組み合わせを変えながら、MF大西容平らボランチを経由する攻撃ルートを確認するなど攻撃練習に時間を割いた。朝日は「長く守っているといつかはやられてしまう。もっと攻めの時間をつくらなければいけない」と話す。攻撃の強化を突破口にして、アグレッシブに攻めて守る本来のリズムを取り戻したい。
安間監督はオフ明けのミーティングでFW黒部光昭のプレーぶりを編集した映像を選手たちに見せたという。時間を費やそうとする相手GKにプレッシャーをかける。シュートを外して悔しくても次の動作に素早く移る。仲間のチャレンジを拍手で称える。「戦う姿とはこういうことだ。彼のような選手が増えればチームは強くなる」と伝えた。選手一人ひとりが試合展開に応じ、勝つために必要なプレーを考えて実行する。細部を積み重ねることで勝利を引き寄せるつもりだ。
以上
2012.09.01 Reported by 赤壁逸朗
J’s GOALニュース
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