鹿島にとっては今季最大の山場だ。リーグタイトル獲得が難しくなった今、ヤマザキナビスコカップの連覇が現在目指すべき最大の目標となった。タイトル獲得が、その後のチームにどれだけの勇気と自信を与えるのか熟知しているクラブだけに、この試合にかける意気込みは並々ならぬものがある。なんとか準決勝を突破してファイナルに駒を進めたいところである。
しかし、それは立ち塞がる柏レイソルも同じだろう。リーグチャンピオンに輝いたことが、どれだけチームに成長をもたらしたか身をもって体験したはずだ。リーグ連覇に弾みを付けるためにも、このヤマザキナビスコカップのタイトルを手に入れたいと考えていることだろう。
今季は、6月23日リーグ戦第15節で両チームは顔を合わせ、1-1の引き分けに終わっている。試合開始から日立台の声援を受けた柏が猛攻を仕掛けてきたが、それを鹿島が鉄壁の守備で跳ね返し、後半に小笠原満男のミドルシュートで先制する。しかし、試合終了間際にPKを得た柏が、最後の最後に鹿島のゴールをこじ開け、辛くも同点に追い付いたのだった。
74日ぶりの対戦となるが、あのときとは両チームの顔ぶれは少し変化している。鹿島にはレナトが加入し、柏は酒井宏樹がドイツに渡り、リカルド ロボに替わってネット バイアーノが加わっている。すでに中盤には欠かせない存在となったレナトがいることで、鹿島のセットプレーは前回対戦時よりも攻撃力を増しているが、その他の面では両チームともそこまで大きな変化はないはずだ。今回も手に汗握る攻防が予想される。
そうした要素のひとつとなりそうなのが、鹿島の最終ラインのメンバー構成である。
前回も左サイドバックの新井場徹が出場停止だったことで、ジョルジーニョ監督が誰を起用するのかが注目された。当然のことながら、柏のストロングポイントはレアンドロ ドミンゲスと酒井宏樹が抜群の連携を見せる右サイドにある。そこを抑えることが、左SBには期待されたわけだが、この位置での出場は「初めて」という青木剛が起用され、すばらしいパフォーマンスを見せたのである。対面の酒井の良さをほぼ完封し、終盤までリードする一因をつくったのだった。
そして今回はセンターバックがいない。岩政大樹が日本代表に招集され、さらには中田浩二、山村和也が負傷離脱中ということで、2年目の昌子源に期待がかかる。本人も「準備万端です。出場できるなら人生を賭けてやりたい」と、試合に向けて気持ちを高めていた。
昌子は、ルーキーだった昨季も同じような状況を経験している。しかし、前監督のオズワルド オリヴェイラは、岩政、中田という本職のCBがいない状況で、ボランチの青木や、サイドバックの當間建文(現栃木)、新井場をコンバートして起用。「(CBとして)6番目だった」と昌子を落ち込ませている。それだけに並々ならぬ出場意欲を見せていた。
柏としては、岩政がいない鹿島の最終ラインは織り込み済み。そこをうまく突いてくるはずだ。展開としては、鹿島の守備陣が柏の攻撃をしっかり受け止め、速い攻撃を狙っていくと思われる。両チームの指揮官は、ともに勝負の綾をよく知る人物である。第2戦を頭に入れながら、どういう手を打ってくるのかも注目したい。
以上
2012.09.04 Reported by 田中滋
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