京都の出方が予想していたものとは違うことに、大分サイドは少なからず困惑していた。出場停止の染谷悠太、バヤリッツァが抜けたことから、従来の4バックではなく3バックに変更。「両ワイドがマッチアップし、中盤にミスマッチが起きた。ボールを回され、球際で負けることもあったが、最後の部分で身体を張り、全員でカバーできた」(田坂和昭監督)と、大分は序盤から京都が繰り出すパスサッカーの対応に追われる。工藤浩平、中村充孝、中山博貴らで構成する中盤は流動的で、アンカーのチョン・ウヨンから始まるパスが面白いようにつながり、ほとんどの時間を大分陣内で過ごした。
J1自動昇格となるストレートインを狙う大分にとっては苦しい展開となった。だが上手くいかないなかでも耐え忍び、活路を拓くことができるのが今季の大分のチーム力。「ウチは全員攻撃・全員守備のチーム。守備の時間が多かったが粘り強く守ろうと言い合っていた」(為田大貴)と、集中を切らさぬ守備で流れを引き止め、カウンターから相手の背後のスペースを突いた。攻め込まれれるほどにカウンターは鋭さを増す。33分、中盤でのボールカットからオーバーラップした松原健がクロス。こぼれ球を拾った西弘則のシュートはGKに弾かれるも、為田大貴が落ち着いて決めて1−0とする。これにより、攻める京都、守る大分の構図がより鮮明になる。
55分に長沢駿を投入して、クロスのターゲットをつくった京都は、サイドから攻撃の形を作り、フィニッシュまでの形を作った。後半だけのシュート数は大分の6本に対し12本、さらにCKの数は大分1に対し11本と数値が表すように、大分ゴールを捲し立てた。しかし、決めるべきときに決めなければ勝機は見出せない。79分にハーフウェーラインでチェ・ジョンハンにパスを奪われ独走を許し、リードを広げられた。こうなると京都は苦しい。これまで3連敗した相手同様に守備を固められ、逃切られた。試合後、大木武監督は「選手は非常によくやってくれた」と労ったが、「私はサッカーの神様を信じている」と、内容に結果が伴はない現状を嘆いた。
一方の大分は、為田がプロ初得点を挙げ、途中交代のチェ・ジョンハンが復調アピール弾を決めた。終盤にきて今後のキープレーヤーとなりうる2選手の得点は、チームに勢いをもたらすはずだ。シーズンが終盤ともなれば、守備に重きを起きながら、個の能力を押し出して勝点3をもぎ獲るような試合があってもいい。「結局サッカーはシンプルで、ゴールを奪われなかったらいいわけで、ゴールを奪えば勝ち」と田坂監督が話したように、割り切り方、柔軟性こそ、今季の戦いのなかで身につけたものだった。
以上
2012.09.15 Reported by 柚野真也
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