松本と町田、Jリーグ加入の“同期対決”は、3-0とホームチームの快勝に終わった。しかし、ポゼッションでボールを繋ぐ町田に対し、ハードワークで対抗する松本。試合後の記者会見で「ヘタフェ対バルセロナ」と反町康治監督は評したが、その意味では互いがチームカラーを発揮した試合と言えるだろう。
松本は天皇杯2回戦で腰を痛めた玉林睦実が大事をとってベンチからも外れ、右ワイドの位置には藤川祐司をスタメン起用。一方の町田も中盤に予想されていた幸野志有人ではなく、「より堅固な」(オズワルドアルディレス監督)コリン・マーシャルを配置した。
蓋を開けてみると、試合序盤から試合の主導権を握ったのは松本。ここ最近、試合の入り方が緩慢と言われていた課題を振り払うように、町田最終ラインの裏を執拗に狙い、スピードのある2シャドーがゴール前に飛び出す。このアグレッシブなスタイルが奏功し、アタッキングサードでの時間が続くと、その勢いのまま先制点が生まれる。CKのチャンスを得た24分、反町監督は「町田はここのところセットプレーの守備が安定していた」ことから、その守備網をかく乱するべくショートコーナーを選択。瞬間、ペナルティエリアに生じたスペースから船山貴之が打ったシュートは、相手ディフェンダーに弾かれ、飯田真輝の前にこぼれる。「田代選手の足が速く、触られたボールが踵に当たって」(飯田)、それを最後は飯尾が押し込んだ。喉から手が出るほど欲しかった先制点は松本に。ピッチ上の選手たちは、先日第二子が誕生したばかりの片山真人への『ゆりかごパフォーマンス』で祝福した。
ここで先に動いたのは町田。アルディレス監督は前半途中でコリンを諦め幸野を、そして後半頭からは松本戦に滅法強い勝又慶典を投入。早めに状況を打開すべく動いた策は当たった。幸野は中盤で躍動し、勝又は神出鬼没の動きで守備陣をかく乱する。北井のドリブルも冴え、「一人で状況を打開出来るアタッカー陣」(反町監督)の怖さを見せ付けた。スタッツを見ると、後半に限れば松本のシュート数4本に対して、町田は倍の8本。いつ同点に追いつかれてもおかしくない雰囲気がピッチ上に漂い始める。
しかし、予想外の形で松本に追加点が生まれる。64分に自陣でボールを奪った多々良敦斗がそのままドリブルで一気に独走し、前線の塩沢勝吾から船山を経由して、最後は再び塩沢。今シーズン8得点目となるゴールは左足から。後は守備に比重をかけて無失点のままゲームをクロージングするだけだったが、その10分後には飯田のロングボールを受けた船山からのパスが途中投入の小松憲太へ渡り、小松が放ったミドルシュートがゴールネットに突き刺さった。電光石火のプロ初ゴールで3点目。これで勝負は決した。
セットプレーで1点、教科書通りのカウンターで2点。そして、松本の夜の涼しさも味方して、90分間攻守に続いたハードワーク。松本のストロングポイントがはまった形となった。町田も「前半に比べ、後半は改善された」とのアルディレス監督の言葉通り、特に後半は自らリズムは作ったものの、「深さという部分で課題を残した」。守備意識を高める松本を崩すためにミドルシュートを多く打ったがゴールを割ることは出来なかった。
金曜日のナイトゲームに7207人の観客を集めた “同期対決”は、互いに持ち味を発揮したものの明暗分かれる結果となった。泣いても笑っても、2012シーズンのリーグ戦は残すところ9試合。Jリーグ1年生の厳しい戦いはもう暫く続く。
以上
2012.09.15 Reported by 多岐太宿
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