22位の富山が3位の千葉を下した。FW黒部光昭が前半に挙げた2点を粘り強く守り切った。昨夏の第26節・第4節以来となる2連勝を飾り、第29節から4節続いた最下位を脱出した。
千葉は2失点後にFWリカルド・ロボが退場するハンディを負って無得点。自動昇格圏が遠のく痛い黒星を喫した。負傷によりDF山口智とFW藤田祥史、出場停止で佐藤勇人を欠き、チームの柱3人の不在が結果に直結してしまった。
開始10分、富山が右サイドでつなぎMF朝日大輔のスルーパスで裏に抜けたMF大西容平が粘って折り返し、黒部が先制点を挙げた。これが富山のJリーグ通算150点目。
千葉は圧倒的にボールを支配して攻めるが、ゾーンとマンツーマンを併用して守りを固める富山に対し、攻略の手掛かりをつかめない。攻撃のスイッチを入れる縦パスが入らず、FW荒田智之の裏を狙う動きもラインコントロールによって対処された。それでも立て続けにFK、CKを得てゴールに迫るが、富山GK守田達弥の好セーブもあって得点できなかった。
すると前半29分、再びわずかなすきを突かれて追加点を許してしまった。富山は1点目と同じ右サイドで朝日がDFとの競り合いからボールを奪ってエンドラインまでえぐる。狙い澄ましたマイナスの折り返しをまたも黒部がきっちりと蹴り込んだ。「千葉戦ではかなり得点を挙げている」と古巣キラーを自称する34歳のエースが強烈な輝きを放った。
その後も攻める千葉。しかし同42分、ロボが連続してイエローカードをもらって退場になった。CKに手を伸ばして1枚目、直後にDFと小競り合いになり2枚目が出された模様だ。2失点に続くトリプルパンチ。1人少なくなってからも攻め続けた力量を考えると、悔やみ切れないアクシデントだった。
千葉は後半に入ってミドルシュートを交えながら攻勢を強めた。同9分にMF兵働昭弘のミドルがGKを襲う。同13分にはCKの流れからDF竹内彬が狙ったがゴールの枠を捉えることができなかった。
同19分、DFを削ってFWオーロイが投入されると、富山は彼の高さに対抗するためDF福田俊介をピッチに送った。9日の天皇杯で右足首をねんざしており、安間貴義監督は「できれば使いたくなかった」が目前の勝利をつかむため起用に踏み切った。「オーロイ選手は大きかったが、そんなに当たり負けしないことが分かり競り勝てるようになった」と振り返る福田の奮戦により、その後は千葉に決定機を与えない。カウンターを繰り出しながら時計を進めて無失点で逃げ切りに成功した。
富山の選手は16試合ぶりに勝った前節・愛媛戦と同じようにピッチで円陣を組み喜んだ。ゴール裏へ歩みサポーターとともに勝利のダンス。1階席で、2階席で、肩を組んだ人々が「We Love 富山」と歌って揺れた。苦労や努力は報われる―。困難は乗り越えられる―。この日の成功体験が今後さらに厳しさを増す戦いの糧になるはずだ。
以上
2012.09.15 Reported by 赤壁逸朗
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