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【J1:第25節 C大阪 vs 名古屋】レポート:激しい雷雨で1時間以上遅れた一戦は、名古屋に軍配。C大阪はセットプレーでの失点に泣く。(12.09.16)

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激しい雷雨の影響により、1時間以上キックオフが遅れた一戦では、C大阪が名古屋のストロングポイントでもあるセットプレーに泣き、0-2と完敗。約9カ月ぶりに大阪長居スタジアムへ戻ってきたレヴィー クルピ監督だが、勝利を飾ることはできなかった。
逆に、名古屋はこれで今季初となるリーグ戦3試合連続完封勝利を達成。順位を5位に上げ、次節の首位・広島との直接対決に弾みをつけた。

日中、通り雨はあったものの、16時頃、大阪少年サッカー選手権大会の開会式が行われているときの長居の空は快晴。9月半ばとは思えないような、厳しい残暑だった。そこから、選手たちがウォーミングアップを行い始めた17時頃になると、南の空から黒く濃い雲が近づき、強風が吹き込み出す。そして、メンバー紹介のアナウンスが行われ出したとき、バケツをひっくりかえしたような大粒の雨が降り出せば、周囲では激しい雷も発生。アップ中の選手たちは一斉に、足早にロッカールームに戻り、ボールボーイやピッチレベルにいたスタッフも退避。そして、落雷の危険性があることから、キックオフを遅らせるアナウンスが行われ、来場の観客も屋根のあるところに避難。まさにゲリラ豪雨に襲われた長居では、いつ天候が落ち着くのか、試合は開催できるのか、約1時間の間、スタジアムにいた誰もが不安を抱えて過ごしていた。

ようやくスタジアムに活気が戻ったのは、18時40分頃。「キックオフは19時15分の予定となります」というアナウンスがあり、再び試合に向けての準備が始まる。まだ稲光も場外には見えていたが、名古屋のGK陣がピッチに出てアップを行い出すと、それにつられるように、両チームの選手たちも登場。約10分間、大量の雨を含んだピッチ状況を確認していた。そして、2万4,544人の大観衆が待ちわびたなか、本来の予定より1時間11分遅れた19時15分、試合はキックオフした。

さて、試合になると、ペースを握ったのは名古屋だった。「チームでブロックとして守るところが、いま、機能している」とストイコビッチ監督も胸を張るような形が発揮され、そこからC大阪のミスパスを奪うと、効果的なクロスフィード、永井謙佑やダニルソンらの飛び出しなどでチャンスを作っていく。

先制点が生まれたのは38分。ダニウソンの突破から、ペナルティーエリアの左外でFKを獲得すると、キッカーの田口泰士は、名古屋自慢の高さを活かしたクロスボールではなく、「ピッチもスリッピーだったし、ゴールに滑ってくるようなボールを入れようと」、グラウンダーのボールを選択。ゴール前、ファーサイドからニアサイドに走り込んできた田中マルクス闘莉王の動きをタイミング良く、「トゥーさんが前に来るのを見計らって蹴った」。すると、闘莉王がGKキム ジンヒョンのブラインドになるような形となり、ボールはそのままゴールに吸い込まれた。

1-0で折り返した後半も、試合を優勢に進めると、68分、自陣FKから追加点。ダニエルのクロスフィードのこぼれ球を永井、藤本淳吾とつなぎ、最後はケネディが長い足を活かして押し込み、8試合ぶりとなるゴール。これで勝負はあった。その後、反撃にかかるC大阪を巧みにいなすと、守備も田口、ダニルソン、闘莉王らを中心に抜群の安定感を見せ、相手をシャットアウト。まさに、強い名古屋らしい、指揮官曰く「パーフェクトなゲーム」だった。

一方のC大阪は、前半こそ、キム ジンヒョンの好守、シンプリシオの絶妙なカバーリングなどでピンチをしのぎ、シンプリシオや扇原貴宏らの展開力を活かしながら攻め出て、途中には丸橋祐介のクロスからケンペスに好機も生まれた。しかし、「前半にセットプレーという相手のストロングポイントで失点してしまったことが痛かった」(藤本康太)。
後半、「もっとアグレッシブに戦いたかった」というレヴィー クルピ監督は杉本健勇を投入し、打開を図ったが実らず。ケンペスとのハイタワー2トップの連係にはチグハグさが目立ったうえに、「ワンチャンスでやられてしまった」(丸橋)2失点目でリードを広げられると、その後には播戸竜二、ヘベルチも加えたが、好機は高橋大輔の右アーリークロスにニアで播戸が合わせたシュートのみ。これも、名古屋の守護神、楢崎正剛に防がれてしまった。後半は結局シュート3本と勢いに欠けたC大阪は、J1ホームゲームでは第18節鹿島戦以来となる、2カ月ぶりの敗北を喫した。

「非常に受け身のサッカーをしてしまった」と内容を悔やんだレヴィー クルピ監督。「C大阪というチームはこんなサッカーをするチームではないし、もっともっといいものを出せるチーム。次の土曜日の試合には、まずは本来の輝くC大阪のサッカーを、何が何でも見せなければいけない」と、次節、清水とのホームゲームに向けて、攻めきる「レヴィーセレッソサッカー」の再生を誓っていた。

試合後、あのゲリラ豪雨が嘘のように、天候も回復。静寂につつまれた長居。最後に、試合が無事開催されたことについて、スタッフへの敬意と感謝を表したい。

以上

2012.09.16 Reported by 前田敏勝
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