J2リーグ戦は第31節から連勝し、J1自動昇格圏内の2位の湘南と勝点差3の3位に浮上した千葉。V・ファーレン長崎と対戦した9月9日の天皇杯2回戦は主力選手を休ませるメンバー構成で臨み、36分にFW大塚翔平が得点して1−0で勝った。長崎のGKの好守もあったが、決定機でシュートの精度を欠いて追加点を奪えないという課題が残っての辛勝だった。それでも、「リーグ戦で連勝できた流れを継続できた」(千葉の木山隆之監督)が、その流れは前節(第33節)で断ち切られ、2位とは勝点差6の4位に後退した。
いや、断ち切られたというよりも、自分たちのミスで断ち切ってしまったといったほうがいい。前節は、第32節で負傷したFW藤田祥史が欠場、MF佐藤勇人が累積警告で出場停止に加え、今季の千葉の堅守を牽引するDF山口智が負傷欠場。前線でボールを引き出して攻撃の起点になり、ファーストディフェンダーとして守備の貢献度も高い藤田の不在も大きかったが、攻守両面で気が利く佐藤勇と山口智の不在の影響が大きかった。1失点目も2失点目も山口智に代わってセンターバックで出場したDF大岩一貴がいた左サイドでボールを奪いきれずにラストパスを許し、2失点目ではゴール前中央で富山のエースストライカーのFW黒部光昭をノーマークでフリーにした。プレーの選択の判断やポジショニングのミスが招いた2失点だ。また、攻撃のスイッチを入れる効果的な縦パスが出せる佐藤勇と山口智の不在によって、攻撃に手詰まり感が生まれたことも否めなかった。
北九州は、9月9日の天皇杯2回戦は町田に1−1(北九州の得点者はFW常盤聡)、PK戦4−5で敗れたが、連勝で迎えたJ2リーグ戦第32節・岐阜戦は2−1(北九州の得点者はFW池元友樹、FW端戸仁)で勝って3連勝し、プレーオフ出場圏内の6位の京都とは勝点差6の9位となった。これでJ2リーグ戦は第27節から7試合負けなし(5勝2分)と好調で、その要因は前述の7試合で4得点の池元と端戸、2得点の常盤という前線の3人の活躍にある。3人は流動的にポジションを変えながらゴールに迫り、互いに得点だけでなくチャンスメークでも活躍し、いい距離感でサポートし合っているのが目立つ。また、MF木村祐志が入れる縦パスも効果的で、彼がゲームメークできると攻撃が活性化する。
今節の千葉は、佐藤勇が出場停止明けとなるが、前節で警告2回で退場処分となったFWリカルド ロボが出場停止となり、前線の組み合わせがまた変わる。的確な状況判断でスタメンの選手の特長を生かして得点機を作り、決定機でGKにぶつけてしまうようなシュートミスは避けたい。また、守備では北九州の前線の選手をフリーにさせないように、相手の攻撃の展開を読んだポジショニング、そして厳しいマークを徹底することが必要不可欠だ。
湘南とは直接対決を残しているとはいえ、千葉が2位のクラブに追いつき、追い越すには残り9試合を全勝するくらいでないと難しい。千葉サポーターも選手に能力以上のものは求めず、持っている力を出し切ってほしいと思っているはずだ。前節の終了間際、残り時間が少ない中で自陣のゴールラインを割りそうなボールを千葉のMF佐藤健太郎がそのまま見送ろうとしたが、千葉のGK櫛野亮は「出すな!」と叫んだように、勝つためにやるべきプレーに気づいて徹底しなければ勝利は遠のく。苦戦は必至だろうが、攻守に気の利いたプレーでサポートし合い、ミスが出ても最小限のダメージにとどめて勝ってほしい。
以上
2012.09.16 Reported by 赤沼圭子
J’s GOALニュース
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