千葉には前節のリプレイのような試合だった。いや、千葉サポーターにはリプレイよりももっとつらく苦しい悪夢のような一戦だったかもしれない。
千葉は前節の失点シーンでミスのあったセンターバックのDF大岩一貴と左サイドバックのDF坂本將貴を、今節はそれぞれDF青木良太とDF渡邊圭二に代えた。さらに、前節は出場停止だったMF佐藤勇人がMF佐藤健太郎に代わってボランチに、今節は出場停止のFWリカルド ロボに代わってFW大塚翔平が前線に入った。前節の問題点の修正を図るスタメン選考のはずだが、試合開始早々のミスの連続での自滅で期待されていた効果は出ないまま終わった。
試合開始わずか2分、北九州は千葉のMF谷澤達也からMF木村祐志がボールを奪い、MF安田晃大、FW端戸仁とパスをつなぐと、端戸が豪快なミドルシュートを決めて先制。
3分にはロングパスを千葉のDF竹内彬がクリアしきれず、浮き球を池元友樹がダイレクトシュートするもゴールポストの横に外れる決定機があった。北九州は立ち上がりから千葉のディフェンスラインの背後を狙うロングパス、それに呼応する池元の飛び出しが目立っていた。
そして6分、池元の突破をファウルで止めた千葉の青木が退場処分となる。8分、北九州はFKを木村が蹴り、ニアサイドにフリーで走り込んだDFキローラン木鈴が頭で合わせて追加点をゲット。このゴールで北九州は対千葉戦初勝利を大きく引き寄せた。
前節はリカルド ロボが42分に退場してから10人で戦い、中2日で公式記録の気温は30.4度の暑さの中での試合に臨んだ千葉の選手には、6分からの数的不利な状況での戦いは厳しかった。それだけにやはり悔やまれるのは2失点目だ。昨季からセットプレーで相手にニアサイドに走り込まれる形での失点が多かっただけに、選手個々の集中力の問題も含め修正が全くできていないに等しい。そして、急造センターバックの佐藤健を入れるため、前線でタメを作って攻撃のリズムを作ることが期待されていたはずの大塚がピッチを去ったことで、前線で起点がなかなか作れないため攻撃の組み立ても難しくなった。
北九州は持ち前のパスワークで左右にボールを動かして千葉の選手を翻弄し、中央にできた穴をうまく突いた。チーム3点目の端戸のゴールをロングパスでお膳立てした安田は、その場面を「相手のディフェンスラインの真ん中が空き過ぎていたので、オフサイドかと思った」と振り返った。後半の得点はなかったが、その一方で千葉に後半は決定機を作らせなかった北九州は「最近は攻撃も守備も主導権を握れている試合ができている」(安田)という手応えと自信を得ているようだ。
だが、今節で見事なラインコントロールとハードディフェンスを見せたキローラン木鈴は、次節への課題を聞かれると「相手が10人になっても11人と思って運動量を維持すること。そして、余裕を持ち過ぎてちょっとイージーなミスが出てピンチを招いたことがあったので、それは次への課題だと思う」と話した。
どの選手がどのポジションで出ても機能し、8試合負けなしで4連勝の北九州に比べ、千葉は個の力に頼るところが大きく、本当の意味でのチーム力がまだ備わっていないことを連敗で露呈。今節は攻守ともに連係がちぐはぐな場面が目につく完敗だった。「こういう状況で立て直していけるチームがやっぱりJ1にはふさわしい。ここで潰れるようでは運良くJ1に上がれたとしても、またすぐにJ2に落ちてしまうと思う。ここからどれだけ逞しいところを見せられるかというのは自分としてもこだわってやっていきたいし、チームとしてもそういうところが求められるので、しっかりやっていきたい」と話したのは佐藤健。チーム戦術、木山隆之監督の采配などの要素もあるが、ここから先は選手が状況に応じてチームのために自分の能力をどれだけ発揮し、チームとして戦えるかがカギとなる。
以上
2012.09.18 Reported by 赤沼圭子
J’s GOALニュース
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