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【J2:第34節 山形 vs 京都】レポート:3つのゴールは高い個人技の競演。直接対決は京都が連敗を4で止め、山形は今季始めての連敗。(12.09.18)

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開口一番、「勝てたことが一番だと思いますね」と大木武監督。「山形まで来てくれたサポーターのみなさん、大分まで来てくれた方もいらっしゃいます。そのなかで、なかなか勝ちをプレゼントすることができませんでしたけれども、今日はよろこんで帰ってもらえる。それが一番幸せなことだと思います」。内容的には「会心の…」とはいかなかったが、連敗を4で止め、昇格レースにも踏みとどまった。5位・山形と6位・京都、勝点1差の直接対決は京都に軍配が上がった。

コイントスに勝った中山博貴が、やや強い南風が吹く風上のエンドを選択。出場停止明けのバヤリッツァを最終ラインの中心に据えた3-6-1は前節と変わらず。ただし、前節・大分戦と違い、システム的に両ワイドで選手がマッチアップすることがないことで、早々に仕掛けたのは2分。左サイドで工藤浩平から黄大城、下りた中村充孝とシンプルにつないで再びボールを受けた工藤の周囲にはぽっかりと空間があった。十分な時間を与えられた工藤は、そのまま縦にフィード。これは山形のディフェンスラインも、飛び出した黄(ファン)の冷オフサイドを冷静に見ていたが、ポゼッションを活かした京都が両サイドを徐々に押し込んでいった。16分には、下りて受けた中村が小林亮に食いつかれたもののターンでかわし、スペースへ飛び出したファンへ渡して決定的なクロスまでいっている。28分にも、工藤と中村のパス交換で中央で引きつけたあとに左サイドの黄(ファン)へ開き、マイナスの折り返しにフリーとなった中村がシュートを放っている。「前半なんかはサイドは簡単に行けるなと、正直思いがありました」と大木監督。それほどに、山形の対応は後手を踏んでいた。

その山形も、前半にチャンスがなかったわけではない。26分、引いて受けたブランキーニョが前方へフィード。中島裕希が空けたスペースに林陵平がダイアゴナルに飛び込んだが、ダイレクトで狙ったシュートは大きく浮いた。33分のFKの場面では石川竜也が直接狙い、クロスバーから真下に落ちる惜しいシーンもあった。ただし、攻撃全体の噛み合わせは良好とは言えなかった。攻撃の軸となるブランキーニョはチョン ウヨンの執拗なマークに自由が与えられず、2トップにも1枚多い3バックが対応。永田亮太が中盤から加勢する際には、工藤か駒井善成が付いて下りてきて、数的優位な状況を崩さなかった。
また、「ワイドに選手を置くような形を取ってきたというところで、自分たちがサイドへ展開するところを、ひとつ消そうという意図が見られたんじゃないか」(奥野僚右監督)とサイドチェンジを抑制され、サイドへ運んでも小林の前には黄(ファン)が、石川の前には駒井が即座に立ち塞がることが多かった。もちろん、そこからつくり直せれば問題はなかったが、自陣でプレッシャーをかけられスムーズにボールが回らないのは、京都との大きな差となっていた。

それでも、前半を0-0で折り返せば、後半にギアが上がる山形が風上も利用して主導権を握ることもできたが、そんな目論見を打ち砕いたのが、アディショナルタイムに生まれた工藤の一撃だった。キッカーの黄(ファン)がニアを狙った低めのボールはニュートラルの林によってクリアされたが、ボックスの外にいた工藤が胸でワントラップ、右足を振り抜くボレーシュートはゆるく巻いた軌道でゴールマウス右隅に吸い込まれた。マークに付いていたブランキーニョがやや右足への警戒を欠いていたこともあるが、トラップ、シュートとも完璧。最高の時間で、鮮やかに京都が先制した。

1点を追う山形は、後半立ち上がりから前がかりに攻め込んだ。永田も高い位置でプレーをしていたが、49分の右スローインからのプレー。ブランキーニョが中央でキープし、前方へ上がった永田の足元にくさびを送ると、林がワンタッチで左サイドへはたく。京都の守備を右サイドから中央へ完全に寄せていたことで、石川がフリーとなり、コントロールから左足を豪快に振り抜いた。ファーストタッチが完璧でなければ、おそらく戻ってきた駒井が対応していたかもしれないが、間一髪で間に合わず、GK水谷雄一の左手をかすめた低い弾道は同点ゴールとなった。

その後は中村が個人技で1対1を突破しシュートまで持ち込むと、山形もスローインからセンターバックの前田和哉がノープレッシャーの状態を見て持ち上がり、ミドルシュートを放つなど、特に守備において両チームに疲労の色が見て取れたが、そうして迎えた68分。バイタル左の浮いた位置を取っていた中村が、チョンからのパスを足元で受けてターン。この時点で山形の守備の人数は足りていたが、中村に対峙していた西河翔吾がペナルティーエリアまで下がったところで足を滑らせ、これを見た中村はすかさず中へ切り返す。中央から左へ、ダイアゴナルに走った長沢駿へのスルーパスを警戒した前田和哉が付いていったことで中央には大きなスペースが口を開けていた。とは言え、ボールをいとも簡単に操縦しながら確実にゴールマウスに流し込む技術の高さが際立つ一発だった。

「2点取ってからは、山形の押せ押せの感じで引いてしまって、なかなか前に出れないような状態が続きました」と大木監督は反省の弁を述べたが、対する山形に残された反撃の余力もそう多くはなかった。「チャンスがあれば周りの廣瀬であったり、徹郎(太田)、亮太(永田)あたりと連携しながら自分も飛び出していくということを意識して。1回いい形で、ワンツーで崩せたシーンもあったんですけど、ちょっとうまくクロスにできなかった」と小林が悔しがったのは87分のプレー。その直前の86分にも、秋葉のスルーパスに反応した中島が中央のスペースからシュートを放ったがGK水谷の好反応に阻まれ、アディショナルタイムにも石川からのラフなハイボールを福村貴幸と競った中島が倒れながらシュート寸前まで詰め寄ったが、シュートは打てず、ファウルの判定も得られなかった。スコアはそのまま1-2。自動昇格へ、ともに一歩も引けない状態での直接対決は、山形にとっては今季初の連敗、京都にとっては4連敗を脱する勝利となった。

以上

2012.09.18 Reported by 佐藤円
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