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【J1:第26節 仙台 vs 神戸】プレビュー:攻撃の交通整理は進んでいるか? 両チームにとって、短期的にも、長期的にも、ステップアップのために重要な一戦(12.09.21)

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仙台と神戸がユアテックスタジアム仙台を舞台に戦うのは、昨年のJ1最終節以来のこと。雨中の激戦を終えた両チームは、仙台が4位、神戸が9位と、それぞれクラブ史上最高の順位となった。

仙台も神戸も、それぞれのやり方で組織的な堅守速攻を磨いてきたチームだ。だが、組織としての戦い方の幅を広げるために、ボール支配率を上げたり攻撃のかたちを変えたり、はたまた戦力を補強したりと、さらにステップアップを狙って2012シーズンを迎えていた。
現在の順位には差があるものの、両チームにとって終盤戦でどれくらい順位を上げていけるのかということ、そして内容面でどれくらい成長していけるかということ、この短期的・長期的なステップアップが問われる一戦といえる。

神戸が今シーズンにホームで仙台を迎え撃ったのは、第17節のこと。西野朗監督の中途就任からまだ時間が経っていない時期の対戦だったが、縦に速い攻撃を矢継ぎ早にしかけて仙台を押しこんだ。ワンチャンスを生かされて仙台に白星を譲る格好になったが、堅守速攻のベースを持つチームに西野監督式の攻撃をどう組みこむか、指標が見えた一戦だったとも言える。
仙台の手倉森誠監督が「今季から神戸に移籍した選手も、今は神戸のプレッシャーのかけ方やカウンターにしっかりフィットしている」と警戒する神戸は、野沢拓也や橋本英郎といった今季加入の戦力がしっかりボールをおさめて攻撃のリズムを作る。彼らからのパスがチームトップスコアラーの小川慶治朗の飛び出しや、大久保嘉人のゴールに向かう姿勢を生かし、ゴールへの道筋を描く。
また、空中戦に強い田代有三は前回の仙台戦では不在だったが、調子を上げて今回の仙台戦に挑む。後方からのパスを田代に最初に当てて二次攻撃を狙うかたちも、今の神戸は使いこなす。前節の磐田戦では田代の倒れながらの折り返しを小川が押しこむかたちでゴールを決めることができた。流れの中でも、セットプレーでも、野沢から田代へのホットラインを幹線とした攻撃の交通網を増やしているのが現在の神戸である。右SB奥井諒が出場停止となってしまったが、代わって同位置に入ることが濃厚な茂木弘人にはより攻撃的なプレーが期待される。

それに対抗する仙台は、自陣での守備ブロックで相手の通行止めを狙うという手もあるが、「探り合いだった(前節)広島戦と違って互いに点を狙う展開もじゅうぶんあり得る」と赤嶺真吾が展望しているように、ホームゲームということで攻め合いの中に勝機を見出すことになりそうだ。前回の神戸戦でも決勝点を奪っている赤嶺を終点とするかたちも、ポスト役としての始点とするかたちも今の仙台は選択が可能だ。仙台は自陣での堅守からの速攻に加え、今季は高い位置でコンパクトな布陣を敷いてのパス回しにも取り組んでいる。第17節の対戦では多くの時間を自陣で過ごしながら、19分に高い位置でボールを回せるようになったチャンスを逃さず、ウイルソン、梁勇基、角田誠のパス回しで左サイドを攻略。赤嶺のフィニッシュにつなげた。
「組織がしっかりした神戸に対し、相手の組織や状況を見て、ロングボールを選ぶこともあるし、(短く)つなぐこともある。どちらにしても自分たちでやり方をはっきりさせることが大事」と、角田は臨機応変な戦い方で神戸に挑む姿勢を口にした。出場停止の富田晋伍に代わりこの角田と中盤の底でコンビを組むと予想される松下年宏は「相手のプレッシャーをひとりかわせれば逆にチャンスになるし、長いボールを使うことになったらセカンドボールに気を配りたい」と、やはり状況判断について語った。特にボールを多く触るポジションの彼らには、ボールを奪ってからの攻撃に移ったときの交通整理役が期待される。

攻撃の選択肢を増やしてきた両チームにとって、ゴールへの道筋はひとつだけではない。状況に応じて適切なパスの通り道を選ぶことができるかが、勝負を分ける。両チームがいかにしてこの先の内容的・順位的なステップアップへの道を切り開くかに、注目してほしい。

以上

2012.09.21 Reported by 板垣晴朗
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