時計は90分をとうに回っていた。五領淳樹が敵陣で奪い、すかさずパスを受けた市村篤司が強烈なミドルを放つ。クロスバーに跳ね返されたボールに反応したのは北嶋秀朗だ。「こぼれてこいと思っていた。(市村のシュートが)入れと思っていなかったのがよかったのかもしれない」と悪戯っぽく笑う。こぼれ球を予測していたベテランが、交代出場の2人のお膳立てからヘッドで押し込み、熊本が土壇場で勝点3を手にした。
熊本の後半のシュートはアディショナルタイムのこの2本しかない。前半もまた然りだ。「湘南さんのスピードと切り替えの部分にどれだけ対応できるか。セカンドボールを取れる時間帯と取れない時間帯があったが、基本的には自由にやらせてもらえなかったというのが正直なところ」と、高木琢也監督は振り返っている。かたや湘南は、敵の繰り出す長いボールに対し、下村東美と永木亮太のボランチを中心にセカンドボールを拾いペースを掴んでいく。永木のパスカットからショートカウンターに転じ、ゴールに迫るシーンもあった。反面、マイボールにしてから決定機までなかなか至れないのは、熊本の守備意識の高さとリアクションの速さを裏付けてもいた。
湘南が優勢に進めるなか、先制の場面は熊本に訪れた。湘南のゴールキックを廣井友信が競り勝ち大きくクリアする。これに反応した齊藤和樹が、相手DFの寄せをかわしシュートをねじ込んだ。
43分に先制を許した湘南は、後半に入り坂本紘司と島村毅を、また間もなく宮崎泰右を投入して反撃に出る。キリノがプレスバックで奪うなど球際厳しく守から攻へと縦に転じ、またセットプレーを重ねて攻め立てる。0−1から追いついたのもコーナーキックが契機だった。岩上祐三のボールに島村がヘッドを叩きつけ、これは熊本GK南雄太が鋭く阻むが、さらにこぼれ球に反応した島村が相手のファウルを誘った。岩上が南の手をかすめてPKを沈めたのは75分のことだ。
同点に追いついた湘南にとっては、それ以上の失点を食い止め、且つゴールを奪わなければ勝利には届かない。前節のアウェイ岐阜戦では、同点に追いついた状況から立て続けに失点し、スコア的に苦しくなっていた。この日は相手にチャンスを与えず、いっそう嵩にかかって攻め込んでいく。熊本同様、交代選手が絡み、時に決定機をつくりもした。だが逆転はならず、アディショナルタイムに至るのだった。
「結果に偶然はないと思う」キャプテンの坂本は語る。
「今日は最後にすこし隙があった。今度は僕らが相手の隙を突いていく戦いをしなければいけない。ただ、サッカー自体については心配することはないと思う。せっかくここまでみんなで積み上げてきたので、もう一度ひとつになってやることだと思う」
今季初の3連敗という事実はたしかに重い。だが8試合勝てなかった時期も文字通り引かずに戦い続け、現在があるのもまた事実だ。「ただ切り替えるのではなく、きょうの試合を胸の奥底、頭の中にしっかり刻んで次に向かわなければいけない」曹貴裁監督が噛みしめるように語った次、敗戦にも送られた拍手やベルマーレコールに結果で応える日は、週末に待っている。
以上
2012.10.02 Reported by 隈元大吾
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