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【J2:第37節 栃木 vs 京都】レポート:2点目が遠かった栃木。交代カードが奏功した京都は逆転勝利(12.10.08)

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プレーオフ進出に向けて「京都戦が山場だと思う」と話していた大和田真史の、京都戦に懸ける気持ちには並々ならぬものがあった。だからこそ、逆転負けの現実は受け入れ難く、取材エリアに設置された柵にもたれかかりながらうなだれた。
「あそこまでいい戦いができていただけに申し訳ない」
口から出た言葉は、敗戦の原因を自らが作ってしまったことへの後悔だった。栃木が1点リードして迎えた後半21分、黄大城が何の変哲もないクリアボールを蹴り込み、これを宮吉拓実が追ったものの、栃木は大和田、宇佐美宏和、田中雄大の3人が対応にあたり、リスク管理は万全、のはずだった。しかし、「雄大にヘディングでパスをしようと思ったけど、ジャンプしようと思った時に体を入れられて、押された感じになった」と大和田が振り返るように、僅かな判断の遅れが付け入る隙を宮吉に与えた。田中に繋ぐことも、クリアすることもできず、宮吉に体を入れ替えられ、大和田はファウルせざるを得なくなった。獲得したFKをペナルティエリアのやや外側、ゴール正面から内藤洋平が決めたことで京都は勢い付き、逆に決められた栃木は意気消沈。試合を白紙に戻されてから10分と経たずに、逆転ゴールを許してしまった。「崩されたというよりも自分達から招いたこと。だから、余計に悔しい」とは菊岡拓朗。小さな綻びが致命傷になることを、またしても痛感させられた。前節の甲府戦と同じようなミスを犯し、栃木はプレーオフ圏内に食い込むには痛すぎる黒星を喫した。

「先制の形は良かったし、前半のペースも良かった」と田中が言うように、栃木は開始7分に狙い通りの高速カウンターで先制に成功する。中村充孝のドリブル突破を止めたパウリーニョから杉本真、廣瀬浩二を経由したボールはサビアへと渡り、DF2枚を振り切ったサビアがシュート。一旦はGK水谷雄一に防がれるも、こぼれ球を杉本が捻じ込んだ。3バックの端のスペースを突いたカウンターで先手を取った栃木は、その後もパウリーニョを軸に上手くボールを引っかけては鋭利なカウンターを撃ち込み、京都のミスを誘ってはリズムを作らせない理想的な試合運びをみせる。先制パンチを受けた京都だが、次第に持ち味のパスワークが冴え始め、獲得したFKからチャンスを生み出すが、栃木の体を張った守備に阻まれた。

ほぼ思惑通りに前半を終えた栃木だったが、ハーフタイムに松田浩監督が退席を命じられる。想定外のアクシデントに見舞われたことに加え、京都が3−3−3−1から4−2−3−1にシフトしたことも少なからず影響したのか、後半の立ち上がりはややバタついた。だが、すぐに立て直すと、立て続けにゴールに迫り、追加点を手の届く位置にまで持ってきた。特に、FKのルーズボールがフリーの西澤代志也の前にこぼれた時には、勝敗を決定付ける2点目を掴んだかに思われた。ところが、慎重になり過ぎたことで西澤は絶好機をフイにしてしまう。甲府戦の課題として、相手を仕留め切れなかったことが挙がるが、今回も追加点を取れなかったことが大きく響いた。後半23分に内藤、29分には宮吉にゴールを割られてしまう。引き離されたことで焦りが生じた栃木を尻目に、京都は余裕を持ってパスを繋ぎ、最後は危なげなく勝利を手に入れた。

交代カードが奏功し2試合続けて逆転勝利を収めた京都だが、裏を返せば2試合連続で先手を取られている。「逆転できていることをポジティブに考えればいいけど、追い掛ける展開は難しい」と水谷が言えば、大木武監督も「直せるものならば直さないといけない」と早急に改善すべきだと話した。攻撃的な京都だが、常に試合を引っ繰り返せる保証はない。自動昇格圏内の2位・湘南と勝点では並んだが、得失点差では劣る。今季は最後まで混戦が予想され、得失点差で順位が決まる可能性が高い。試合の入り方を修正し不要な失点を減らすことが、京都のJ1復帰へのポイントになるのではないだろうか。

「1点は取れても、もう1点が取れないと厳しい」(田中)
栃木にとっては追加点を取れなかったことが甲府戦の敗因であり、京都戦の敗因にもなった。2試合ともチャンスは同等、もしくは相手以上に作れていた。あとは決め切るだけだが、2点目は遠く、なかなか決まらないから苦しい。1‐0を2‐0にする力が今、求められている。簡単には手に入れられないかもしれないが、手に入れる努力はできる。ありきたりだが、練習からシュート1本1本に魂を込めるしかない。オフ明けの練習から1本もシュートは無駄にできない。

残り5試合でプレーオフ圏内の6位・横浜FCとの勝点差は5。事態は極めて厳しいが、最後の最後まで何が起こるか分からない。とにかく可能性がある限り戦い抜くしかないし、戦い抜かなければいけない。
“「昇格」意地でも掴め、この一勝”
栃木サポーターが横断幕に込めた思いは、京都戦だけに限ったものではないはずだ。何かを起こすために、一戦必勝の思いを胸に戦うしかない。

以上

2012.10.08 Reported by 大塚秀毅
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