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【第92回天皇杯 3回戦 岡山 vs 名古屋】プレビュー:富山で初めて相まみえるJ1名古屋とJ2岡山。下馬評は名古屋絶対優位も、一筋縄ではいかない予感も漂う北陸決戦に注目だ(12.10.09)

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2回戦ですでにJ1、J2合わせて6つのアップセットが起こるなど、トーナメントの魔物が大暴れしている今季の天皇杯。3回戦ではひとつのカードを除いたすべての対戦が「上位リーグvs下位リーグ」となっているため、再び魔物が牙をむく可能性は十分にあり得る。普通に考えれば負けようのない対戦が順当な結果とならない理由は様々だが、最も多いのは下位リーグのチームが守備で耐え抜き、エアポケットのような千載一遇のチャンスをものにしてしまうパターンだ。その場合の条件は、いわゆる“格下”が戦術理解と組織力に優れた守備の堅いチームであること。名古屋vs岡山は、まさにその型にはまる対戦である。

2回戦に続き今回も格上として試合に臨む名古屋だが、状態は芳しくない。今季4度目の連敗の後に迎えた土曜日の大宮戦をスコアレスドローで終え、ここ3戦連続で勝利できていない状況だ。前々節の新潟戦ではアウェイで0−5の大敗。そこから守備陣は何とか立て直したものの、攻撃陣の不振がいまだ解消されていない。持病の腰痛を再発させたケネディはクラブからの公式発表がないが、ストイコビッチ監督によれば3週間から5週間は戻ってこないとのこと。彼のポストプレーとゴール前での高さから逆算したサッカーをしてきたチームにとって、現状は攻撃の再構築が必要だということを意味する。大宮戦では永井謙佑の1トップに玉田圭司のトップ下という4−2−3−1がまずまずの動きを見せたが、まだ十分とはいえない。リーグ次節までは約2週間空くことを考えれば、この岡山戦に最大戦力をつぎ込み、新戦術の熟成を図りたいのが本音だろう。大宮戦で負傷した玉田の状態は気がかりだが、名古屋は一切の手加減なしに全力で勝利を狙いに来ることが予想される。

一方で、今回の会場のホームチームである富山を破り、3回戦に駒を進めてきた岡山にはお世辞抜きでアップセットの期待が膨らむ。理由は前述した条件を満たす好チームだからだ。J2リーグでは現在10位ながら、引き分け数がリーグ1位で負け数も3番目に少ない。32失点はリーグ3位の好成績であり、現在の順位はひとえに得点力不足によるものだ。それでもエース川又堅碁は14得点でリーグ得点ランク3位の奮闘を見せている。チームを率いる影山雅永監督は会見のコメントなどを見るに戦術家であり、こういった格上の対戦には意欲をもって臨むタイプと推測できる。ここ5試合の成績は2勝1分2敗と五分だが、うち1勝はリーグ内の格上である湘南を破っていることも期待感を高める一因だ。

試合展開は、名古屋にとってはもはや想定内中の想定内。いかに自分たちがポゼッションし、守りを固める相手を崩す効果的な攻撃を組み立てられるかという部分にかかってくる。3−6−1のフォーメーションを組む岡山は5−4−1に近い態勢から川又のカウンターに賭けてくるに違いない。そういった状況ではケネディの高さがものを言うのだが、前述の通りオージータワーは不在。田中マルクス闘莉王や増川隆洋といった高さを活かしたセットプレーはあるが、それも脅威を与える攻撃を構築し、ファウルをもらうかシュートに持ち込んでコーナーキックを得なければ発動できない。その点で岡山は粘り強く、緊密な守備組織を冷静に保ち続けることが勝機を見出す上での最重要ポイントになるだろう。

また岡山はマイボールになった際に慌てて蹴ってばかりでは劣勢に拍車をかけるため、ボランチの仙石廉、千明聖典らのゲームメイクもより冷静さが必要になってくる。名古屋のハイプレスに負けないクレバーなボールさばきができるかどうかは、彼ら個人としても試されるところだ。ゲームさばきでいえば名古屋としては玉田と田口泰士、この2選手のゲームメイク力が鍵を握る。堅実な田口と奔放な玉田という特徴の違うプレーメーカーたちが流れを作り、永井や金崎夢生、藤本淳吾、ダニルソンらの攻撃力を引き出せなければ、中途半端な攻撃からカウンターを喰らうリスクが増大する。攻撃がうまく回らなければ、闘莉王を前線にするオプションを使わざるを得ず、そうなれば守備面でさらにリスクを負うことになる。大宮戦で見えたヒントをいかに形にできるかは、今後のみならずこの一戦でも大きな影響力を持つのである。

戦力値、実績、経験など、あらゆる面で名古屋が格上なのは当然のこと。しかし天皇杯には数字で測れない勝負の怖さが満ちている。名古屋は順当に勝つことができるのか、岡山はどのようなゲームを見せてくれるのか。このカードは状況も含め、強いものが勝つとは限らない、サッカーの醍醐味を存分に味わえる対戦である。ならば見る方も存分に、それを楽しみたいところだ。

以上

2012.10.08 Reported by 今井雄一朗
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