J1最近6試合で5勝1敗、しかも3試合連続3-2というスコアでの劇的な逆転勝利を収め、J1残留争いから抜け出し始めているC大阪。終盤戦に来て勢いづくチームは、この天皇杯で昨シーズンのベスト4を越える成績、悲願のタイトルとACL出場権獲得を狙っている。そのための関門でもある今回の3回戦では、ブランキーニョ、前田和哉、船山祐二、宮本卓也と、かつてのチームメイトを多数揃える山形と、キンチョウスタジアムで対戦する。
6日のJ1リーグ戦から中3日での試合となるC大阪。しかし、8日の練習では前日に鳥栖戦先発組以外の選手たちがC大阪U-18と練習試合を行ったばかりにもかかわらず、いつもどおり約2時間ハードなトレーニングをこなした。「山形戦のあと3日オフがあるし、コンディションも特に問題はない」と話すレヴィークルピ監督は、「ベースは維持しながら戦う」と、現状のベストの布陣で臨む考えを示している。
J1の5チームが初戦で敗れるなど、ジャイアントキリングが多発している今季の天皇杯。それを踏まえて「日本で簡単な試合などない。どこが相手でも本当に難しい、厳しい試合をしている。実際にJ1の前節では浦和が札幌に1-2で負けたりしているように、互角の試合がほとんどだ。だからこそ(山形戦も)J1リーグ戦と同じ一戦だと思って、今のサッカーを続けようという話を選手たちにしている」と指揮官も気を引き締めている。
それはC大阪の選手達も同様。「リーグ、天皇杯でもそうだが、世界中どこでもサッカーの力の差がなくなってきていると思う。相手のカテゴリーが下だからといっても油断すれば負けたりするので、そこは同等のチームだと思って最初から全力で臨みたい」(藤本康太)と桜色の戦士たちの気合いもみなぎる。特に好調を維持している今、C大阪としてはその良い流れを止めるわけにはいかない。
この一戦ではGKキム ジンヒョンが韓国代表戦のため不在だが、そこでゴールマウスを守るのは松井謙弥。「相手にこだわらず、自分のプレーができればいい」という背番号1は「立ち上がり集中して失点ゼロでいければ、最近攻撃のリズムもいいし前の選手たちが点を取ってくれるので」と、公式戦5試合ぶりの完封を誓う。これはチームとしても、今回のノルマの1つと言えよう。
相手の山形はC大阪とは対照的に、J2最近6試合で2分4敗と勝利から遠ざかり8位に後退するなど、J1昇格争いでは黄信号がともっている。だがしかし、ここはあくまで一発勝負のカップ戦。リーグ戦の暗雲を払拭するには絶好の機会であり、ここで勢いを取り戻したいという思いが山形には強いはずだ。しかも、先に述べたようにC大阪を知り尽くした選手が多いだけにC大阪もやりにくい部分はある。
「ブランキーニョは(山形にとって)特別な選手」というのは、今夏までともにプレーしたケンペス。普段はよきアミーゴ(友人)だが「彼に自由を与えてはいけない。1プレーで試合を決められるものを持っている」と、ピッチ上では最大限の警戒を払う。また、C大阪J1復帰の功労者であり、前節の熊本戦で復帰した山形MF船山については「(C大阪が)J2のときもそうだったが、視野も広いしいいパスを出してくる。左利きだし、FKもすごくいいキックを持っているので注意したい」(藤本)と元同僚たちも山形の8番をしっかりと認識。こちらも、山形のキーマンの1人と言えそうだ。その他にも山形には「早くて巧い選手がいるし、頑張れる選手が多い」と藤本も述べるように、中島裕希、山崎雅人、秋葉勝、宮阪政樹、石川竜也らタレントが揃っている。
C大阪と山形のリーグ戦における対戦成績では、C大阪が9勝4分2敗、ホームでは6勝1分1敗と山形を圧倒。J1で相まみえた昨年までの2シーズンでも2勝2分と負けがない。最後に対戦した2011J1第27節では、今回と同じキンチョウスタジアムにて6-0という大勝を収めている。
しかし、ただ1度だけ戦っている天皇杯では、1999年の第79回大会にて山形が勝利。初代『ミスターモンテディオ』高橋健二(現山形コーチ)のゴールで先手を取ると、延長戦の末、内山俊彦(現仙台)の決勝点により4-3と競り勝ち、クラブ初となるベスト8進出も果たしている。
主力が揃い試合間隔も山形より1日多くホームで戦う好調C大阪が、相性のよさやアドバンテージも活かして勝利するのか。それとも、奥野僚右監督率いる山形がC大阪に負けないパスサッカーを見せ、敵地で番狂わせを起こすのか。当然この試合も、タイムアップの笛が鳴るまで目が離せない。
以上
2012.10.09 Reported by 前田敏勝
J’s GOALニュース
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