第1戦はホームのF東京が2-1で勝ったが、清水がアウェイゴールを1つ取っていて、点差は1点だけ。そして第2戦は清水のホーム、アウトソーシングスタジアム日本平。カップ戦ならではのホーム&アウェイの醍醐味は、どちらかが1点取るたびに状況が一気に変わることだが、それが存分に味わえる条件は十分すぎるほど整っている。
両者の決勝進出の条件は、清水は1-0か、2点差以上の勝利が必要。F東京は、勝利か引き分けなら無条件、負けても2点以上取ったうえでの1点差なら決勝進出が決まる。また清水の2-1で90分が終わった場合は、延長・PK戦で決着をつける形になる。
したがって、たとえば清水が先制しても、F東京が同点に追いつけば、その瞬間に形成が逆転する。両者の実力も拮抗し、本当に一瞬も気を抜けない熱い戦いが繰り広げられることは間違いなさそうだ。
絶対の自信を持つアウスタでの戦いとなる清水は、前回の第1戦(9/5)から1カ月ちょっとのうちに小野伸二とアレックスの移籍という大きな動きがあったが、チーム力という意味では確実に上り調子にある。とくに8月に加入したセンターフォワードの金賢聖と、9月からレギュラーポジションをつかんだ八反田康平がチームに馴染み、よく機能するようになってきたのは大きい。金は仙台戦(9/29)でJ初ゴールを決め、同じ試合で2点目を決めるなどゴール前での落ち着きも増している。
第1戦の途中で負傷交代した高木俊幸も、10/6の静岡ダービーで復帰し、水曜日の天皇杯ではフル出場しているため、この試合でもフルに活躍できるはず。大前元紀も水曜日の試合を休んで体調を整えているので、前線の選手たちの働きには十分に期待が持てる。
逆に清水にとっての不安要素は、第1戦で両サイドバックを務めた河井陽介と李記帝が出場停止になってしまったことと、連戦による疲労の影響だ。サイドバックに関しては、吉田豊がケガから復帰したことが非常に大きく、守備力という面ではプラス要素になる。ただ、もう一人のサイドバックが誰になるのか、その選手がどれだけ機能するかというのは大きな注目点。天皇杯では吉田が左に移って、18歳の石毛秀樹が右サイドバックを務め、東京Vの攻撃を無失点に抑えたが、この起用はヤマザキナビスコカップを見据えたテストだった可能性もある。その意味では、石毛は及第点の働きを見せたが、今回はどうなるのか。試合直前の大きな注目点となる。
疲労という面に関しては、水曜日の天皇杯・東京V戦でリーグ戦のレギュラーのうちカルフィン ヨン ア ピン、平岡康裕、八反田康平の3人がフル出場、杉山浩太、村松大輔、金の3人が交代出場。復帰組の吉田と高木もフル出場ということで、試合前の思惑よりも選手たちに負担がかかっている。それに対してF東京は、天皇杯はすでに2回戦で敗退しているために水曜日の試合がなく、体力面では清水にハンディがある。
ただ、ゴトビ監督は試合後に「われわれが選んだ(出場した)選手たちは身体的な調子が良く、精神的な強さがある選手です。疲労という部分も、彼ら自身で乗り越えられると思うので、心配はしていません」と語っている。たしかにここまで来たら気持ちの勝負という面が大きいので、ホームのサポーターが後押ししてくれる部分は大きいだろう。
対するF東京は、GK権田修一とMF高橋秀人が日本代表で外れ、MF田邉草民が出場停止。さらにセンターバックの加賀健一や昨年まで清水で活躍した太田宏介らが負傷中と、清水よりも出場できない選手が多いが、それでも十分な戦力を保つだけの層の厚さがある。また、前述のように水曜日に試合がなかったことは大きなプラスで、アウェイの不利を補う要素になるだろう。
前節の鹿島戦(10/6)では1-5の大敗を喫したが、それ以前の失点数は清水と同じ。他の試合では守備が崩壊しているわけではないので、修正は十分に可能なはずだ。今回は引き分けでもOKなので、まずは守備の修正が重要になるが、1点取れば非常に優位になるので、そこは持ち前の攻撃力を生かしたいところ。
対清水という意味では、石川直宏がサイドバックの裏への飛び出しで大きな力を発揮しており、今回もその武器を生かせるか、あるいは清水がしっかりと対策を施すのか。この試合では石川の対面に吉田が入る可能性が高く、ここでの1対1の攻防も大きな見どころのひとつになるだろう。
守りから入るのか、積極的に攻めにいくのか。引いて守るのか、前からプレッシャーをかけていくのか。試合への入り方という意味でも、スコアが動いた後の采配という意味でも虚々実々の駆け引きがあり、両監督にとっては、これほど難しく、やりがいのある試合も少ないだろう。
もちろん選手たちにとっても、ここでやらなければいつやるんだという大事な試合。とくに清水のほうは、一瞬でも気を抜いてしまうと、F東京のカウンターやセットプレーで大きな痛手を負う可能性が高く、これまで課題となってきた“集中力の持続”という部分が重要になる。ホームの力を生かすという意味でも、これほど恰好の舞台はないはずだ。
以上
2012.10.12 Reported by 前島芳雄
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