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【J2:第38節 横浜FC vs 北九州】レポート:再び立ち上がった北九州が、粘り強さを出せなかった横浜FCをしたたかに封じ込め逆転勝利。(12.10.15)

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北九州は死んでいなかった。そして、横浜FCは6位以内という新たなステージの魔力に飲み込まれた。試合のスタッツを見れば、横浜FCのシュートが14本に対して、北九州のシュートは7本。倍のシュートを浴びせたのは横浜FCだったが、試合を通じてみれば、北九州は狙い通りに横浜FCを封じ込め、横浜FCはリスクマネジメントに甘さを見せてリードを守る自慢の粘り強さを出し切れなかった。そういう試合だった。

前半の最初の10分は、お互いが攻撃の形を出し合う試合展開。その中で、チャンスを多く作ったのは横浜FC。2分の武岡優斗、10分の野崎陽介、カイオのシュートと決定機を迎える。しかし、徐々に北九州の守備戦術の中に飲み込まれていく。北九州は、CBの2人が出場停止になったこともあり、3バックを採用。しかし、相手の攻撃に合わせて流動的にスライドさせ、4バック、5バックと柔軟にポジションを変化させ、横浜FCの攻撃に蓋をしていく。そして、特筆すべきは、横浜FCのポゼッションの特徴を見事に消してきたこと。横浜FCが相手の陣形を崩す際にスピードアップする1つ前の落としのパスに決め打ちでプレッシャーを掛けて、同時に縦のコースを消すことで、横浜FCが決定的な縦パスを入れる機会を少なくした。そのプレーがわかりやすいのは、19分落としのパスにプレッシャーを掛けた竹内涼がボールを奪い木村祐志のシュートに結びつけた場面。そして20分には、不発に終わったが、縦パスのコースを空けてでも落としのパスのコースを切りに行った場面。北九州の三浦泰年監督は、いつもの試合よりも研究の時間は少なかったと述べていたが、自慢のトレーニングされた組織力に加え、横浜FCへの研究が功を奏した前半だった。横浜FCから見れば概ね保持は出来ているがスピードアップできないという意味で、「悪くもなかったが良くもない」(横浜FC・山口素弘監督)という印象を持つ展開だった。

後半、先手を取ったのは横浜FCだった。52分に右サイドの攻め上がった後のこぼれ球に対して、高い位置のプレスを成功させて奪ってCKを得ると、そのCKを森本良がヘディングを決めて先制。意図しないCKが失点につながる好例を見るような点だった。しかし、後半は全体として三浦監督の采配が冴え渡る展開にとなった。「攻撃に止めていた血が流れるような、そういう交代を意識した」というように、後半開始時に新井涼平を入れて慣れたダイアモンドの4-4-2に戻して、前線での積極性を加える。そして、15分にこの日決定機を逃していた安田晃大に代えて渡大生を入れて4-3-3へとギアをアップさせる。22分に横浜FCにPKを与えるが、カイオのPKを佐藤優也が見事にストップすると、流れは一層北九州に流れる。
そして、逆転への最後の手は69分の林祐征の投入。いつもとは違い、2点目を取りにいくのか守りのリズムを固めるのかが少し曖昧になった横浜FCを尻目に、前線に高さを加えることでゲームを掌握。交代直後の71分、いつもならフリーで上げさせない粘りを見せる横浜FCの右サイドを渡が突破、そしてフリーの竹内にパスが通り絶好のクロスを上げると、林が豪快にゴールに叩き込んで同点。さらに、81分渡が森本との駆け引きに勝って裏に抜けると、粘って端戸仁に折り返し、そのまま端戸が逆転ゴールを上げる。このシーンも、最初の応対で数的同数を作った横浜FCのリスクマネジメントの甘い場面を見逃さなかったシーンだった。そして、試合は2-1で終了。組織力、研究、積極采配で流れを引き寄せた北九州が見事な逆転勝ちを収めた。

自動昇格を狙う横浜FCにとっては痛恨の一敗。それも、リードして、流れを読みながら粘り強く戦うという横浜FCの良さを出せずに負けたことが悔やまれる。1-0とリードしてPKを失敗し、相手の勢いが増した時にピッチ上で戦い方の整理が仕切れなかったことが敗因となった。シュナイダー潤之介は、「これが6位以内の戦いかなと思う。今までの僕らだったら、(相手に行った)流れを止めることは出来ていたと思う」と振り返ったが、試合の流れに応じた戦いができなかったのは、もしかしたら「6位以内」という状況が選手の意識に悪影響を与えたのかもしれない。しかし、残り4試合はそのような中で勝ち続けないといけない。幸い、今節の他チームの結果によって6位はキープされ、自力で昇格を実現する可能性は残されている。昇格に向けた最後の成長が必要になる。簡単な試合はないことは、今年何度も学んでいるはず。次の相手は、5連勝中の難敵・熊本。ネジを巻き直してチャレンジャーとして臨む必要がある。

一方の北九州は、前節終了後の三浦監督の厳しい叱咤激励が、後半戦勝点を積み上げてきたチームの地力を呼び覚ましたゲームとなった。三浦監督の采配も見事であれば、その采配に応えた選手も賞賛に値するものだった。北九州は死んでない。むしろ、後半戦積み上げてきた結果は北九州のプライドにできるし、それが、クラブの次へのステップアップとなる。まだ、山形、京都と上位との対戦を残している、この戦いにも注目だ。

以上

2012.10.15 Reported by 松尾真一郎
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