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【J2:第39節 東京V vs 栃木】プレビュー:プレーオフ圏内への浮上をかけたデスマッチ。“崖っぷち”の直接対決を制するのは東京Vか栃木か。(12.10.21)

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J1昇格に値するチームなのか?両チームにとって、今節は真価問われる一戦となるだろう。
前節、東京Vは高橋真一郎監督が就任して以来リーグ戦初の黒星を喫した。ここまで1勝4分と、粘り強くコツコツと勝点を拾い上位と勝点差が開くのを食い止めてきただけに、前節の敗戦はやはり痛恨だったと言わざるを得ない。今週のトレーニングの雰囲気にも、さすがにショックの色は表れていた。それでも、現在7位。残り4試合で2位湘南との勝点差は5、プレーオフ圏内の6位横浜FCとは同1差と、冷静に状況を見つめればわずかながら自動昇格の可能性すら残っているのである。ここでただ下を向いてしまうのか、全員でもう一度上を向き這い上がって行くのか。未来は自分たち次第だと言えよう。さあ、根性の見せどころだ。
初の敗戦をうけ、高橋監督は「ある意味、何かを変えるいいきっかけになるかもしれん」と、再度チームを見つめ直す考えを口にした。変化を起こすための方法の1つには当然、先発メンバーの見直しも含まれる。「フレッシュなメンバーにするかもしれないし、もしかしたら今までと何も代えないかもしれない。それは今週の練習を見てから決める。選手たちにも、『経験値も年齢もすべて関係ない。とにかくエネルギッシュな人を使う』と話した」という。J1昇格戦線生き残りをかけた“崖っぷち”の苦境にも怯まず、メンバー一新の可能性を「チャンス!」と捉え、猛アピールして先発出場を勝ち取る新鋭は現れるのか?それとも、ここまで戦い続けてきた従来の主力メンバーが意地を見せるのか?まず、ベンチを含めたメンバー構成が今節最大の見どころとなりそうだ。

「エネルギッシュな力」という意味では、特に若手の躍動感あふれるプレーに期待したい。中でも注目は、中島翔哉だ。「僕にとっては、点を取ればその試合は100点、取れなければ0点です」と、あっさりと言ってのけるほど、ゴールへの意識は誰よりも強い。「内容も大事ですけど、もうプロなんだから、何よりも結果が求められるので」10月4日にプロ契約となったばかりの高校3年生だが、プロ意識はすでにチーム屈指と言っても過言ではないほど高いものを持ちプレーしている。ここまで4試合に出場し、「慣れてきたことで、できることも増えたと思います。周りも見てくれるようになったので。“開花”は間もなくだと思います」。“開花”とは、中島いわく「点を取り続ける」状態。その日の到来を、自身は着実に感じているのだという。今節は、今までのサイドではなく、もっと阿部拓馬、そしてゴールに近いポジションでの起用も選択肢としては十分考えられる。「拓馬くんとは感覚的に似ているなぁと感じるところも多いから、すごくやりやすいですし、西(紀寛)さんも自由にやっていいと言ってくれている。FWやトップ下で出るとしたら、『点取れ』って期待されてるってことだと思います。相手が何人来てもどんどん仕掛けてシュートを打ちたい。ゴール前でパスするつもりはないです」と、18歳。言葉通りのパッフォーマンスを、ぜひ楽しみにしたい。

もう一人、得点意欲が増しているのが高橋祥平である。サイドバックでの出場の可能性もあり、「(センターバックと)どっちで出るかわからないですけど、サイドバックで出たらゴールへの意識は変わります。どんどん積極的にしかけて、ゴール前に迫力を加えられたらいいなと思います。ぜひ点取りたいです」と、得意の攻撃参加に意欲を燃やしている。ここ最近、チームとしても複数得点がなかなか決められていないため、攻撃時に相手ゴール前での枚数を増やすことは、ひとつの課題と言ってもいいだろう。厚みある攻撃ができるかが鍵となる。
先制点はもちろんのこと、先制できたら、その後のチャンスできっちりと2点目、3点目と加点することができるのか。仮に、先取点を相手に許しても、そこで焦れずに自分たちのサッカーを続け、得点機にまず確実に追いつき、その後追い越せるか。基本といえば基本だが、実際にやるとなると難しい。それでも、勝利のために追求しなければならない、J1昇格へ向けた最大のテーマだろう。間違いなく、この試合でもポイントとなるはずだ。

対する栃木は現在10位。プレーオフ圏内の6位横浜FCとの勝点差は4だけに可能性としては十分あるが、東京V以上に瀬戸際の戦いを強いられていることだけは間違いない。ただ、「勝たなければいけない」という危機的状況は、互いに6位以下に甘んじているだけに大差ないはずである。残り4試合、ここまでくれば「勝ちたい気持ちの強い方が勝つ」と言っていいだろう。
そういう意味では、間違いなく東京Vにとって最も厄介な存在となるのが、菊岡拓朗だ。前回の対戦でも、得点こそ許さなかったものの、巧みなゲームコントロールに東京Vは対戦史上初の黒星を喫した。頭脳派かつテクニシャン、さらに負けず嫌いの菊岡が古巣相手に燃えないわけがない。まして、今回はかつてのホームグラウンド・味の素スタジアムでのプレーとなる。モチベーションは前回対戦以上に高まっているに違いない。5月の対戦では「全然ビビる必要なんてないのに、“ヴェルディ”って名前にみんな遠慮してて消極的だったから、『自信持ってやろう』と言っただけ」だと、菊岡は東京Vの力を熟知するがゆえのアドバイスで鼓舞し、チームを勝利へと導いている。あの勝利によって、栃木は東京Vへの苦手意識を一切吹っ切ったと言ってもいいのではないだろうか。また、菊岡自身も、今季「10ゴール」を個人目標と設定しているが、現在7点。残り4試合で3得点と目標達成は十分可能だけに、当然積極的にゴールを狙ってくるだろう。さらにパスの精度も高く、味方のゴールを生むアシストにもこだわりを持つ。特に、チーム得点王・廣瀬浩二とのコンビには、東京V守備陣も手こずるはずである。十分警戒が必要となりそうだ。
栃木はここ5戦、1勝1分3敗と苦戦が続いているが、この一戦はプレーオフ圏内突入を争う直接対決となるだけに、自ずとモチベーションが上がることは間違いないだろう。

緊張感と集中力が高まる、J1昇格争い生き残りをかけたまさに『デスマッチ』。勝点3を手にした方がJ1への挑戦者として相応しいということだ。

以上

2012.10.20 Reported by 上岡真里江
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