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【J2:第40節 徳島 vs 東京V】プレビュー:経験を活かしたクレバーさvs勢いに乗る若い力。今節は徳島のベテラン勢にいつも以上の期待がかかる一戦。(12.10.28)

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東京Vは前節、プレーオフ進出を争うライバル栃木を4-1と粉砕した。J1復帰を目指す緑の軍団はそれまでの4戦白星無し(3分1敗)という重苦しい状況を一気に蹴散らしたと言えるだろう。そして、その勝利の原動力となったのは間違いなく「若い力」。現役高校生のFW中島翔哉、20代前半のMF梶川諒太、DF高橋祥平がエネルギッシュな動きで組織を活性化させ、欲しかった結果を強力に引き寄せる頼もしい躍動を見せたのである。特に中島はその一戦でJリーグ史上最年少ハットトリックを記録。18歳ながら名門を蘇らせる規格外の大仕事をやってのけた。

となれば、その東京Vを迎える今節の一戦、彼らの若い力を如何に封じ込めるかがやはり徳島の大きなポイント。チームは何としてもそれを抑え込み、ピッチ上の主導権を我がものとしてゲームを進めたい。
そこで選手たちに求められるのは、プレーにおけるクレバーさだ。間合いの駆け引きやポジショニングはもちろん、細かな部分にも徹底してクレバーさを出していくことが不可欠となってくる。なぜなら、若い力の持つ勢いは非常に強烈なパワー。真正面から正直にそれを受け止めようとすれば弾き飛ばされかねない。しかし同時にそれは一旦逆手に取られるとなかなか軌道修正がきかないという脆さも持ち合わせている。だからこそ、徳島はクレバーなプレーでそこを突いて彼らの勢いを空回りの方向へもっていきたいところ。そう出来ればきっと流れを引き寄せて戦うことができるだろうし、望む結果へも近付けるであろう。

そして徳島を見渡すと、それを体現できるだけの経験豊富な選手が十分にいると言っていい。数々のクラブを渡り歩き300試合以上をJリーグで戦ってきた前線のアレックスは相手の嫌がる仕掛けを実践出来るに違いないし、中盤の衛藤もそれが可能なキャリアを持っている。またその2人に輪を掛けて期待されるのは、出場停止の福元洋平に変わって先発が濃厚な三木隆司だ。もともと冷静かつ計算高い駆け引きや対応の出来るプレーヤーであるが、J通算360試合以上を誇るベテランDFは今もその自身の持ち味に磨きをかけ続けている。相対するアタッカーの目に見える動きはもちろん、頭の中の考えにまで意識を巡らし、メンタル面への揺さぶりもかけられる守りが出来ると言って間違いない。それだけに、三木は前記した東京Vの中島らを封じ込めるこれ以上ないジョーカーと言えよう。

この2012年を悔しさだけの残るシーズンにしないために─。徳島の選手たちは残されたゲーム全てでその想いを体現したプレーを見せなくてはならない。目標を逃したことはもう今さら悔んでも仕方ないのだから、そうすることで何としてもクラブとしての積み上げだけは残さなければ。
シーズン途中に加入したアレックスも「ひとつでも上の順位を最後まで目指し、残り3戦全てに勝てる準備をしなければならない」と、チーム全員の代弁として強い責任感が伝わってくるコメントを残してくれた。その気持ちを込めたパフォーマンスを必ず見せてくれるはずと希望をもって、今節の徳島には大いに注目したい。

以上

2012.10.27 Reported by 松下英樹
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