今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第30節 G大阪 vs 広島】レポート:G大阪が先手を取るも、執念を示した広島に追いつかれ、ドロー(12.10.28)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
残留争いと優勝争い。競うステージは違うといえども、その戦いの覇者となるために『勝点3』が欲しい両者の対戦。ゴール裏にぎっしり詰めかけた両サポーターを含め、17,617人と満員にふくれあがった万博記念競技場がこの一戦の重み、注目度の高さを示す。

前半、ペースを握ったのはガンバ大阪。高い守備ラインを敷き、コンパクトな陣形を保つ中で、テンポよくパスを通し、攻撃のリズムを作る。この日は足首を痛めていたキャプテンMF明神智和がベンチスタートになったが、ボランチを組んだMF遠藤保仁とMF武井択也の攻守のバランスの取り方も絶妙で、守備では広島の攻撃をしっかり潰しながら、攻めては真ん中から縦に早くボールをつけたり、サイドをうまく利用したり。ワンツーで前線に切れ込んだりと多彩な攻撃を作り上げる。

そんな中、8分にはFWレアンドロのマイナスのパスを受けたMF遠藤が右足でシュートを放つが、これはゴールマウス前でDF水本裕貴が頭でクリア。更に25分にもMF二川孝広のパスに合わせてゴール前に抜け出た右サイドのDF加地亮が思い切りのいいシュートを放つが、これも広島守備陣の落ち着いた守備の前に枠を捉えられない。そして、この日最大のチャンスは38分。ゴール前でMF家長昭博からの縦パスを受けたFWレアンドロが絶妙のタイミングで前線へパス。それに合わせて抜け出したMF二川がフリーでシュートを放つもこれは大きく浮いてしまう。
これに対して広島は立ち上がりから守備に追われる展開に。G大阪の攻撃陣にギャップをうまく突かれて振り回される展開が続く。ボールを奪って攻撃に転じても、ハイプレッシャーをかけてきたG大阪の前に攻撃の形を作りきれず、得点ランクトップを走るエースFW佐藤寿人もほとんどの時間帯で孤立した状態に。カウンターから数少ないチャンスでゴール前に持ち込んでも相手を脅威にさらすような攻撃は仕掛けられない。それでも防戦一方の展開だったことを思えば「耐えるところは耐えて、流れがくるまで頑張ろうという戦いをしてくれた(森保一監督)」という見方も。いずれにしても、チャンスを作りながら獲りきれなかったG大阪、押し込まれながらも無失点で凌いだ広島という前半の展開が後半どのような形で実を結ぶかに注目が集まる中で後半のキックオフを迎える。

前半と同じ顔ぶれで迎えた後半。立ち上がりから両者ともに落ち着いた入りを見せるが、展開としては前半同様にG大阪がペースを掴み、『ゴール』への意欲を示す。その勢いのままに先制点を奪ったのもG大阪。敵陣中央からMF家長が縦に送り込んだパスをFWレアンドロがダイレクトで前線へ。これを受けたMF遠藤がペナルティエリア内で相手DF2人にマークされながらも巧みなボールタッチでマークを外してスペースを作り、左足でシュート。これがゴールネットに突き刺さり、G大阪が『先制点』をものにする。

このゴールでより勢いづくかと思われたG大阪だったが、その直後にDF加地が左足を痛めて無念の途中交代。これによってDF丹羽大輝がセンターバックに入り、DF岩下敬輔が右サイドバックへポジションを変えたあたりから、ラインが少しずつ下がり始め、受けに回る展開に。前半と違って2列目の選手が低い位置で守備に吸収される時間が増えたことにも表れていたように、全体のバランスにもほころびが見え始め、効果的な攻撃が仕掛けられない。また、守備においても選手間に距離ができはじめ、そのスペースを鋭く広島に突かれるシーンが増える。
加えて76分にゴール前の混戦から、広島のFW石原直樹が放ったシュートを一度は守備陣が跳ね返したものの、そのボールがMF森崎和幸にわたり、右足で落ち着いて決められて同点にされてしまう。

試合が振り出しに戻った後も、受け身の展開を修正しきれないG大阪を尻目に、広島がペースを手に。だが、フィニッシュに繋がるパスやクロスのところでミスが出たり、シュートの精度を欠いたこともあって、ゴールをこじ開けられず、1-1で試合終了。ともに残留争い、優勝争いから一歩抜け出す『勝点3』こそ積み上げられなかったが、この熾烈な終盤戦、それぞれの争いに最終的には大きな意味を持つことになるかもしれない『勝点1』を手に。残り4節、厳しい戦いはまだまだ続く。

以上

2012.10.28 Reported by 高村美砂
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着