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【J2:第40節 栃木 vs 松本】レポート:FW陣の意地の張り合いを制したのは栃木。船山の古巣への一撃は実らなかった(12.10.29)

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スコアが激しく動く、雨中のどつきあいを制したのは栃木。3‐2は栃木らしくない大味な展開だったが、「意地を見せてくれた」と松田浩監督は選手達を褒め称えた。

目の前の試合、目の前の相手を倒すことだけに誰もが集中した松本戦。その中でも2トップが意地を見せた。
「今までも勝っている中で同点にされてチーム状況が曇った時があったので、何としても自分が流れを変えたかった。相手に怖さを与えるためにシュートを打つことを意識した」
そう話した廣瀬浩二のアグレッシブな姿勢は、開始早々に実を結ぶ。DFからボールをむしり取り、右クロスからサビアのクラブ最速ゴールを呼びこんだ。キックオフから僅か30秒、まさに電光石火の一撃だった。
「FW同士でゴールとアシストを決めると連携も良くなる」という廣瀬の言葉通り、今度はサビアがカウンターから廣瀬のゴールをお膳立て。今季自身10ゴール目をマークした廣瀬の勢いは止まらず、途中出場の杉本真のパスをダイレクトで合わせて3点目を叩き出し、5試合ぶりの勝利をもたらした。

塩沢勝吾と船山貴之のゴールで食らいついてきた松本を、栃木は廣瀬とサビアのゴールで振り切った。ゴールを取って欲しい選手が互いに決めた一戦は、栃木の2トップの意地と勝利への執念が僅かに上回った。およそ2か月ぶりに歌えた「県民の歌」。その味はプライスレスだったに違いない。何処にもない。グリスタでしか味わえないものだから。

3‐4‐3の松本の、3バックの両端を突く。定石通りの攻撃が、東京Vに1‐4で大敗した前節の鬱憤を晴らすような鮮やかな先制弾として結実した。先制パンチを繰り出した栃木は、復帰したパウリーニョ効果が絶大で、セカンドボールを拾っては前に出た。栃木の計算し尽くされたセットプレーの陣形を、松本があの手この手で崩しにかかっても全く動じない。ところが、宇佐美宏和、廣瀬、サビアが追加点の機会を逃すと、次第に旗色が悪くなる。「困ってサイドではめられるシーンが多かった」と菅和範が言うように、ボールを運ぶことに固執したことで松本の網にかかるケースが増え、自分達から相手に流れを渡してしまった。加えて松本の走力もアップし、「前半の後半のところが全体として一番良くなかった時間帯」(松田監督)だったが、今季初出場のGK鈴木智幸の冷静な対応もあり、辛くもリードを保ったまま45分を終えた。

ハーフタイムに仕切り直したはずの栃木だが、後半どうもピリッとしない。スローインから船山に簡単にサイドを破られ、大橋正博にシュートを打たれたシーンは菅の渾身のブロックで凌いだが、54分に大橋と塩沢の関係から被弾してしまう。追加点が奪えずにリードしたアドバンテージを活かせず勝点を落とす。ここ最近の課題が頭をもたげたが、意外にもピッチ内は冷静だったそうだ。菅が証言する。
「誰ひとりパニックにはならなかった。同点でちょっと嫌な雰囲気が流れたけど、誰も目は死んでいなかった。勝てそうな流れはあった」
嫌な流れは、すぐに断ち切るに限る。失点から3分後、自陣深くからカウンターが発動。サビアがドリブルで持ち上がり、最後は廣瀬が仕上げて2‐1。79分には再び廣瀬がゴールネットを揺らす。88分、船山にクリアボールをねじ込まれるが、失点を2点に食い止めた栃木が逃げ切った。

ホーム3連戦を2勝1分で乗り切り、プレーオフへの望みを繋いで栃木戦に挑んだ松本だが、敗戦によりJ2初年度でのJ1へのチャレンジは潰えた。悔やまれるのは失点の時間帯だろう。開始早々、得点直後、交代直後。スキが生じやすい局面での失点は、ゲームの流れを手元に引き寄せることを困難にした。ただ、勝負所を見極めるのは、どのチームも容易ではなく、この教訓は今後に活きるはずだ。残り2試合は、昇格を狙う千葉と大分が相手。「(昇格の)可能性が無くなったからといってモチベーションを下げたら、それはプロではない」とはGK白井裕人。J2初年度を一桁順位で終えるためにも、上位陣にひと泡吹かせたい。

数字の上では、まだプレーオフ進出の可能性が残る栃木だが、6位・千葉との得失点差が20も離れていることを考えると、極めて厳しいと言わざるを得ない。それでも、松本戦がそうだったように、一戦必勝の思いは継続する必要があるし、しなければならない。
「可能性のある・ないに関わらず、目の前の相手に僕達の力を示したい。勝てない流れの中で自分達のスタイルを見失い、今まで悔しい思いをしてきた。今日は気持ちの入ったゲームが出来たので、残り2試合でも6ポイントを取りたい。そうすることでチームの価値も、自分達の価値も上がると思うし、そこで奇跡が起こればいい。サポーターも諦めていないと思う。勝つ試合が見たいと思う。一つでも多く喜べたらいいし、ゴールを決められたらいいと思う」
一つでも上に。残り2試合、菅の決意は揺るがない。もちろん、その他の選手も。クラブ初の一桁順位を目指し、そこに懸ける気持ちを見せたい。

以上

2012.10.29 Reported by 大塚秀毅
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