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【J2:第42節 町田 vs 湘南】曹貴裁監督(湘南)記者会見コメント(12.11.11)

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●曹貴裁監督(湘南):

「お疲れ様でした。こんなにたくさんの人の前でしゃべったことがないので、感想がちゃんと言えるかわからないですけど…。
プレーオフという制度ができて初めてのJ2で、最後まで混戦の続いたJ2の中で、我々に可能性があるとしたら勝点3しかないという話をしていました。ただ勝点3を取るためには、いつもと違うことをやるんじゃなくて、いつもどおりに平常心で臨もうという話をして、選手を送りました。バスの中から、アップを見ていても、選手が落ち着いていたので、今日はやれるんじゃないかというところで、最初いい形で1点が入りました。その後はすごく苦しい時間が続いたんですけど、90分のデザインの中で、やられちゃいけないところをしっかり抑えて、取らなきゃいけないところを取ったというゲームだったかなと思います。町田はパス数がJ2の中でも2番目と、ボールを動かすところの長けている選手が多いので、いい形で引っ掛けてショートカウンターで取ろうというのがまず1つのプランとしてありました。それが開始早々にああいう形で出るとは思っていなかったんですが、あの1点が結果的には大きかったなと思います。
僕が初めてJリーグの監督にクラブから任命してもらって、眞壁(社長)や大倉(強化部長)は、順位が下になるという覚悟も含めて起用したと思っています。その想いには応えなきゃいけないなと思って、やってきました。ウチの選手たちも、主力がいなくなって、湘南はどっちに行くんだろうという声が多い中で、学生時代やJリーグのチームで代表までいった経験のある選手もあまりいなかったので、僕が監督になったことについて同じように不安があったと思います。でも今日の試合などを見るに、彼らも僕が思っている以上に、しっかりこのグラウンドで、ピッチに足をつけて、やっていかなきゃいけないという、プロフェッショナルな姿勢でやってくれました。そのことに関しては、監督として誇りに思います。今日、実はバスの中で昨年プレミアリーグでマンチェスターシティーがアディショナルタイムに2点取って、マンチェスターユナイテッドを逆転して初優勝したという試合の映像を見せたんです。最後はああいうところのドラマが起きるという話をずっとしてきて、今日はそういう展開ではなかったですけれども、京都が引き分けたことによって、我々なりのドラマを作れたかなと思います。今日一日は選手をねぎらって、この喜びに浸りたいとは思いますけれども、僕は09年の昇格の時もコーチをしていましたし、J1の厳しさは選手と同様にわかっているつもりです。喜んでばかりはいられないので、明日からか明後日からかわかりませんけど、一回リセットして、できる練習を重ねたいと思います。来季に向けてまだ決まってないことが多いですけど、やっていかなきゃいけません。
今日スタジアムへ入ると、左側にベンチがあって、左の後ろにサポーターの席があって、右側に町田のサポーターがいる。その光景が平塚のスタジアムにとても似ていたので、前半は町田のサポーターの方に攻めて、後半こっちで攻めるというような空気も含めて、何か我々に勝点3をもたらすような外的要因があったのかなと思います。最後まで僕たちのことを信じて、声援をくれたサポーターの人には、感謝の気持ちをここで述べると軽いので、このあと報告会があるので、その時にちゃんと噛まないように言いたいと思います」

Q:今日は選手の自信を持ったプレーが印象的だったけど、最後の3連勝も含めて、チームの成長についてどう考えるか?
「僕らは“ゲット3”というテーマを抱えて、シーズン終了の時に何位以内にということを考えて、まずスタートしたわけじゃない。ただ例えば9試合勝てなかったときとか、この3連勝の前に6試合ぐらい勝てなかったんですけど、個人的にはそういう時期は長いリーグ戦でたくさんあると思っている。もし3試合を2勝1敗で行けば完全に昇格なので、1つの負けから学んで2回勝てれば上位に行けるだろうと思ってました。それが連勝という形で今回も来たんですけど、最後の3つに関しては、シーズン通して自分たちがやってこなきゃいけないことに帰る時間だったと思いますし、負けても引き分けても勝っても、一度もネガティブになることはなかった。自分たちの選手というか、彼らのパフォーマンスには理由があると思ってやっていたし、勝てなかった時は僕のデザインややり方がまずいと思っていた。彼らはそこに真摯に向き合って、ずっとやってきてくれた。それが今シーズンかどうかはわからなかったですけど、監督として言うのは変ですけど、必ず最後にそれは実になると信じてやってきた。それが最後の3試合に結果として出たのはよかったです。3試合の内容よりいい試合で負けたこともたくさんあります。この試合で成長したとは一概には捉えてません。負けた試合のところから、内容がよくても負けて、そこからまた積み上げることが大事なんだという結果が、この3試合につながっただけです。この3試合の内容が全部良かったとは思ってません」

Q:やんちゃ坊主の頃から見ていた少年に胴上げされたけど、監督としてどんな気持ちですか?
「別に胴上げしてほしいとはあまり思ってなかったし、向こう行った時は話できなかったので、早くこれを終わってほしいなと。大の大人がこういうふうになるのは良くないなと。でもあいつらがすごく喜んでいるので、それはうれしかったです。胴上げは…、忘れました(笑)」

Q:目に光るものもあったけれど、どんなことを思ってましたか?
「僕はトップチームの監督をしたのが今年初めてなんです。ユースやジュニアユースで教えた経験のほうがまだ長いので。今年の選手たちも登録は34人いるんですけど、彼らが一人一人、シーズン終了後に何か成長して、終わってほしいなと思っていました。プロの世界だからこのメンバーで来年も同じようにできるとは思ってなかった。ただその出会いを大事にしたいなと思う中で、監督としての答えとしては違うかもしれないですけど、彼らがあれだけ喜んでくれているのを見ると、少しはいい想いをさせてあげられたのかなと思って、ちょっとホッとしました」

Q:先ほど“湘南ならではのドラマ”とおっしゃったが、それを起こせた最大の要因は?
「(しばらく沈黙)やっぱり、本気かどうかだったと思います。飾りじゃなくて嘘じゃなくて、周りが言うから昇格しようということじゃなくて、選手が昇格をしたいと思って取り組んできたことが、そのドラマを生んだと思います。正直、今日の試合の内容はそんなに褒められたものではなかったです。ミスも多かったし、もっとしっかりやらなきゃいけません。でも昇格したいという気持ちから生まれる焦りや、普段のプレーを失う、これが我々の現状なので、そこを経験値としてJ1に持っていかないと、今のままではダメだと、それは選手も感じていると思います。ただちょっとだけ、他のチームの人には失礼ですけど、選手がその気持ちは持ち続けていたのかなと思います。それは自信であるし、自分の価値を高めたいという、人間本来に備わっている欲求でもある。そこは見ていて感じました。でもゲームの進め方自体はまだまだですし、ただそれが我々なのかな、上手い下手じゃなくて、懸命に取り組むというところが、最後にそういうドラマを作ってもらったのかなと思います」

Q:湘南のサッカーから“継続こそ力なり”というキーワードが伝わってきました。曹さんは結果でモノをしゃべることがないから、これだけ落ち着いて勝ち切る試合をできたと思うが?
「そう言っていただけると、すごくありがたいですけど…。僕は小学生・中学生・高校生を教えていた時の気持ちと、トップを教えている時の気持ちが全く変わりません。大人だから許されるとか、子どもだからこの辺で良いだろうって言うこと自体が間違っていると思っています。要は30歳の選手も15歳の選手も、自分がやってきた努力を褒められたらうれしいし、自分でダメだと思っていることを言われたら、腹が立ったりふてくされたりします。でもそれは言わないといけないし、僕の継続というのは、人間同士の付き合いの中で、思ったことは言うということです。それが間違っていようが正しかろうが、俺の指示に反発してふてくされた奴を使わないといったことはないです。ふてくされるということも人間の感情なので、ふてくされているのにふてくされてないよという態度を、僕はとがめていました。ただその行動がどうだったのかということは選手に話してきたし、お前らが判断しろと伝えます。俺はヒントを与えるけど、最後に何をやってても俺が責任を取るけど、でも判断することをやめちゃったら、プロの世界でもアマの世界でも、何も自分に残らないよと。今日も古林将太があそこにクロスを上げるのを、こっちなのかあっちなのか、監督は決められなくて、彼がいいと思った判断でやらないと上手くならない。セットプレーの練習を積み重ねて僕がヒントを出すのも、最後の方はどうかなと思ってました。彼らに任せてやった方がいいかなと。でもそれは指導放棄ということもあるので、やらなかったですけど、僕の理想は選手が監督の言うことを全て遂行するということじゃなくて、彼らがピッチで自分たちが目指しているスタイルを感じてやっていくということです。偉そうな言い方かもしれないですけど、そこが日本のサッカーと、欧州のサッカーの違いかなと思います。
僕はブンデスリーガが本当に好きなんですけど、バイエルンはブンデスリーガの中で一番お金のあるチームで、でもドルトムントが2回連続で優勝しました。今年は(香川)真司が抜けたけど、今まで出ていなかったギュンドアンとケールが入って、同じスタイルでクロップが続けてやっている。最初の方は少し勝てなったけど、ブレずにずっと続けていると、ドルトムントがレアルマドリードを倒したり引き分けに持っていけるチームになる。湘南ベルマーレは足元にも及ばないですけど、そういうチームであるべきだと思ってやってきたし、例えば開幕戦で京都に負けたからと言って、何かを変えてしまっては、クラブが存在している意味がないと思ってやっていた。勝ち負けの責任は僕が取ればいい。でもやることは選手に伝えていかないと、シーズンが終わった時に攻めるのか守るのか、何がしたいのか分からない1年になるというのが、僕 にとっては結果より屈辱でした。そうならないように、自分ではやってきたつもりです。だから今日2位になりましたけど、そのことより選手が自分たちのサッカーを実感して、こうやって喜んでいるという姿が、僕にとってはうれしかったです。すいません、答えになっているかわからないですけど」

Q:最初はチームが型にはまってやっていたけど、選手が自由に判断してやるという変化が見て取れました。選手に任せられるようになったのはどれくらいの段階でしたか?
「それを言うと、シーズンの最初から信じていました。僕はこのシステム、このやり方を思いついてやっている訳じゃなくて、コーチの時に反さん(反町康治・前監督)と話しながらやってきたつもりです。僕がやりたいサッカーは何だと言われたら困るんですけど、選手がいて、その特徴を生かすサッカーを、監督はやらなきゃいけないと思っている。そういう意味では最初から彼らを信じていました。ただあまりにも経験の少ない選手が多いので、例えば熊本戦で1−1になって、阿部が投げたボールを(下村)東美が取られてそのままやられちゃったりとか…。あり得ないシーンもたくさんあったんですけど、あり得ないシーンがないと学ばないと思っていた。僕はそれがもっと開幕の近いところに来ると思ってたんですけど、最初勝てたことでとんとん拍子で行って、予想しない自信が彼らに生まれて、段々と自分たちはやれるんじゃないかと信じ切ったところが、紆余曲折はシーズンの中でたくさんあったんですけど、こういう結果につながったのかなと思う。ただこれを継続させるということが大事で、今これで頂上まで行って後は降りるだけだよということじゃない。まだ彼らの伸びしろは五合目か六合目までも行ってないかもしれない。僕は試合が終わった後に、そういう伸びしろを少し残したまま、次の試合に臨むのが一番望ましいと思っている。プロの監督としてはちょっと結果に対して欠落している部分があると思うんですけど、すごく偉そうに言ったら、ちょっとカッコ良すぎますけど、彼らの成長をずっと信じてやってきました」

以上
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