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【J2:第42節 草津 vs 東京V】レポート:最終戦のエールは来季の躍進へ胎動!サポーターと一体となって戦ったシーズンは無駄にはならない。(12.11.12)

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2012シーズンのJ2最終戦で、草津が東京Vに屈した。その結果、草津は12勝11分19敗の17位でシーズンをフィニッシュ。勝点3を上積みした東京Vは20勝6分16敗の7位で激闘を終えた。草津はシーズン序盤から低迷、東京Vは第4コーナーで昇格レースから離され、ともに今季掲げた目標を達成することは叶わなかった。だがサポーターとともに戦い抜いたこの1年間は決して無駄にはならない。この最終戦は、来シーズンへの福音だ。

最終戦という特別な舞台を演出する“魔法”は開始わずか1分、東京Vの先制ゴールによって解かれた。副島博志監督の花道。契約満了選手のラストマッチ。最終戦に付随するさまざまな要素がチームに大きな力をもたらすはずだったが、淡い希望は開始わずか1分に決まった東京V高橋祥平の先制ヘッドによって儚くも弾けた。草津は、中後雅喜の右FKからあっさりと先制点を献上してしまう。
たった1分で現実に引き戻された草津は、気持ちを切り替えて残り89分に集中する。テクニックを駆使して攻め込んでくる東京Vのパスワークを最終ラインで阻止すると、アレックス ラファエルと小林竜樹を軸としてカウンターで応戦していく。12分にはアレックスがドリブルでバイタルへ飛び込みゴールに迫ると、直後には松下裕樹のFKがゴールを襲う。草津は、得点こそ奪えなかったが徐々に東京Vを押し込んでいく。だが、どうしても1点が奪えない。
後半開始から草津は動いた。SB有薗真吾を下げて熊林親吾を起用。小林竜樹を右SBに下げて熊林を右MFに配置する攻撃的シフトで逆転を狙う。右サイドで次々と起点を作った草津は、小林が熊林を追い越して東京Vの左サイドを制圧。右クロスから再三に渡って決定機を演出していくが、ゴールネットを揺らすことができず時間だけが経過。草津は開始直後の失点を跳ね返すことができず、無情のホイッスルを聞いた。今季草津が挙げた12勝はすべて先制したゲーム。先制された試合で勝利を収めることができなかった草津だが、この最終戦は今季の戦いを象徴する結果となった。

東京Vは、シーズン通じてチームに貢献したベテランを休ませ若手主体のチームで最終戦へ臨み、価値ある勝利を収めた。J2日本人得点ランクトップの阿部拓馬、伝統の中盤を担った和田拓也らに加えて、18歳中島翔哉、17歳前田直輝らがスタメンに入ったチームの先発平均年齢は23.45歳。草津の先発平均25.73歳を2歳以上も下回った。得点こそ高橋祥平がセットプレーで奪った1点に留まったが、その後の攻撃も魅力的だった。
試合後、ゴール裏をびっしりと埋めた緑のサポーターたちは、最終戦で勝利を収めた選手たちを大歓声で迎えた。それは最終戦のメンバーだけではなくシーズンを通じて戦った選手たち全員に送られたものだ。選手、サポーターが一体となった勝利のダンスは、来季のJ1昇格の胎動だ。「昇格しか見ていなかったので悔しいシーズンだ。この経験を来季へつなげなければならない」(阿部)。東京Vは、名門復活へ向けて次なる一歩を踏み出した。

草津は、補強の失敗、ヘベルチ、リンコンの両ブラジル人の放出、得点力不足、チームスタイルの弱体などが響いて昨季9位から17位に転落した。クラブは今季J1昇格を目標に掲げたがこの戦力では明らかに戦えなかった。チームを去る副島監督は「現場、サポーター、そしてクラブがやるべきことをやって、トータルががっちりと噛み合ったときに初めて次のステップがみえてくる」と次なるステージへ進むためのメッセージを送った。
今季で契約満了が発表された熊林は「厳しい環境の中、選手はチームにすべてを捧げて頑張っている。これからチームを良くしていくためには、選手に対してクラブのさらなるサポートが欠かせない」と苦言を呈した。すべてはクラブの未来のためだ。成績低迷、経営難、入場者数の伸び悩み。クラブが抱える問題は少なくない。だがこれらの責任を現場だけに押し付け、リセットボタンを押すことはしてはいけない。選手、サポーターたちの叫びにクラブが耳を傾けない限り同じ失敗を繰り返すどころかJ2に留まることすらできなくなる。
今季もまた草津に魂を捧げて戦い抜いた戦士たちがチームを去る。彼らの思いを決して忘れることなく、愛されるチームを築き上げていくことがクラブの使命だ。

以上

2012.11.12 Reported by 伊藤寿学
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