■2012 Jユースカップ:決勝トーナメント2回戦
11月23日(金・祝)
横浜FC 2 (0-0) 2 PK4-2 千葉
得点者:69'石井圭太(横浜FC)、78'佐藤遵樹(千葉)、88'新堀真也(千葉)90'+5'木下康介(横浜FC)
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まさに激闘。まさに熱闘だった。勝負の行く方は、僅か11mの攻防に委ねられた。先攻の横浜FCユースのキックを、千葉ユースGK林翔太がストップしたかと思えば、後攻の千葉ユースのキックを、横浜FCユースのGK高丘陽平がストップする。PK戦でも110分間と同様に、一進一退の攻防が続いた。
しかし、PK戦にもつれ込んだ以上、ここで明確に明暗が分かれるもの。最終的に明の光が当たったのは、ホームの横浜FCユースだった。5人目のキッカーは、エースストライカーの木下康介。豪快に放ったシュートは、GK林の伸ばした両手の先をすり抜け、ゴール右隅に突き刺さった。軍配は横浜FCユースに上がった―。
この激闘の始まりは、非常に静かだった。前半は攻める横浜FCユースに、守る千葉ユースという図式だった。
「木下だけは絶対に止めようぜ!!」。
試合前、千葉ユースの選手たちは声を掛け合っていた。彼等にとって、FW木下の存在は脅威であり、避けて通れない壁だった。プレビューでも書いたが、彼等は日本クラブユース選手権関東予選の9位決定戦で、横浜FCユースに0-4で敗れ、全国への扉をこじ開けられなかった。この4点をぶち込んだ男こそ、木下だった。
もうやられてたまるか。千葉は木下を警戒し、前半は守備から入ったのだった。ラインを深めに設定し、ターゲットの木の下にボールが入った途端に、複数で行く手を阻む。攻撃を多少犠牲にしてでも、前半は無失点に抑えることを優先した。
それに対し、横浜FCは木下をターゲットに、ボランチの石井圭太の正確なパス、左サイドのドリブラー田中舟汰郎の突破力を中心に、容赦なく攻め立てる。26分には左サイドを破った田中のクロスを、ニアに飛び込んだ木下が、ダイビング胸シュートを放つが、これはGK林がファインセーブで阻む。決定的なピンチはこれ1回のみで、前半は千葉の狙い通りにスコアレスドローで折り返した。
勝負の後半。千葉は前半と打って変わってDFラインを押し上げ、中盤をコンパクトにして、今関耕平と新堀真也のツートップの鋭い裏への飛び出しを、有効活用してきた。それに対し、横浜FCは「中盤のプレスがきつくなったのに、中盤で繋ごうとしてしまっていた」と重田征紀監督が語った様に、狭い局面でパスをしてはひっかかり、千葉のショートカウンターを浴びるという展開に陥った。
50分には今関に中央突破を許し、決定的なシュートを放たれるが、これはGK高丘がビッグセーブ。65分にもMF佐藤遵樹、高田俊と繋いだボールを、最後はMF豊川功治に強烈なシュートを放たれるが、DFが体を張ってブロックした。
試合が動いたのは69分。押し込まれていた横浜FCは、自陣からロングボールで左サイドの木下に送り込む。木下はDFを背負いながら胸トラップすると、倒れ込みながらも、クロスオーバーしてきた田中へ縦パス。抜け出した田中はそのままペナルティーエリア内まで持ち込み、角度の無い所からシュート。GKに当たって右ポストを叩いたボールを、ファーサイドで拾った石井が、無人のゴールに冷静に蹴り込んで、横浜FCが先制に成功する。
だが、千葉も黙っていなかった。78分に右FKを得ると、交代出場のMF仲村京雅のキックを、ニアで佐藤がヘッドで合せ、同点に追い付く。さらに88分には、和田の左からのクロスを、GK高丘が痛恨のキャッチミス。さらにこぼれ球をDFがクリアミスし、中央の新堀の下にボールが届く。新堀が豪快に右足を振り抜いて、ゴール中央に突き刺した。
電光石火の逆転劇。これに対し、横浜FCは89分にFW松田大斗に代えて、FW榎下隼人を投入。これと同時に、CB羽毛勇斗をボランチに上げ、DFラインを4バックから3バックに。「彼をボランチに上げるが、あとは選手の判断で自由にやらせている」と重田監督が語った様に、羽毛は積極果敢に前線に顔を出し、木下と共にターゲットマンとなったことで、千葉守備陣は徐々に押し込まれていく。
そして、アディショナルタイム5分が経過しようとしていた95分。容赦ない横浜FCの猛攻が実った。ゴール前に放り込まれたロングボール。ペナルティーエリア内で榎下が倒されると、主審のホイッスルが鳴り響いた。起死回生のPK。これを木下が豪快にけり込んで、残り2秒で横浜FCが追いついた。
そして冒頭の結末。まさに一進一退。これぞ高校生活最後の試合となるJユースカップの生み出すドラマ。駆けつけた観客は130人とごくわずかだったが、熱気に包まれたピッチの上でのドラマは、大きな感動を生み出した。
以上
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【決勝トーナメント準々決勝の試合予定】
■11月25日(日)
11:00 磐田vs広島 @刈谷
14:00 札幌vsC大阪 @刈谷
11:00 万博 柏vsG大阪 @万博
14:00 横浜FMvs横浜FC @万博
※全試合入場無料
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2012.11.23 Reported by 安藤隆人
J’s GOALニュース
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