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【FCWC 広島 vs オークランド】レポート:落ち着きの広島、思惑どおりの勝利。青山敏弘のゴラッソで、次のステージへ(12.12.07)

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「セミプロ」という事実がクローズアップされてはいるが、オークランドシティは過去4度もFIFAクラブワールドカップに出場しているチームである。「経験値」という意味では、初出場の広島よりも上だ。
選手にも、経験豊富な選手がいる。CBのイワン・ビセリッチはオランダリーグで活躍していた他、ニュージーランド代表として南アフリカワールドカップにも出場した選手。そんな経験豊富な彼が鍵をかけるセンターラインは強固だった。

8分、森崎浩司のヒールパスが佐藤寿人につながり、スルーパス。3列目から一気に飛び出した青山敏弘が決定的なシュート。だが、192センチの大型GK・ウィリアムスがスーパーセーブ。このプレーで、彼は波に乗った。
19分、広島のCK、高萩洋次郎が右足アウトサイドで直接ゴールを狙うもポストを直撃。こぼれを森崎浩が強烈なシュート。しかし、またもウィリアムスがクリア。さらに広島は右サイドのミキッチにボールを集めるも、ビセリッチがDFラインをしっかりと統率してクロスを跳ね返す。23分、ミキッチのピンポイントクロスが佐藤に通った時も、落ち着いてオフサイドの罠にかけた。

ボールは支配し、チャンスもつくるも、オークランドの必死さにゴールが割れない。だが、広島の選手たちに焦りはなかった。
「試合は90分。自分たちのリズムでサッカーを続けていれば、相手は必ず体力を消耗する」という森保一監督の意識はチームに浸透。前半、オークランドが中央を固めてくるとみるや、広島はスピードで圧倒できるミキッチを中心にサイドからの攻撃を徹底、そのことで、中央への意識が薄くさせたことが、後半のスパートにつながった。「状況を見て臨機応変に闘えた」と森崎浩は語る。個人の破壊力でゴールに迫る選手はいないが、それでも組織とコンビネーションでJリーグ2位の得点数を積み重ねてきた広島の自信は、揺るがない。

51分、位置をやや下げてボールを受けた高萩が強烈なミドル。ポストに当たるも、その直後にはミキッチのクロスに森崎浩が決定的なヘッド。ウィリアムスの長い手に弾かれたが、広島の圧力にオークランドの守備は揺らいだ。58分、森崎浩のスルーパスに佐藤が飛び出す。ビセリッチのギリギリとも言える守備によって決壊を免れたオークランドだが、チーム全体の足が止まり、反撃の糸口もつかめない。

65分、ゆったりとした動きの中で佐藤は時にオフサイドゾーンに出たり、時には中盤に下がるなど、細かな駆け引きを施す。このことで、オークランドの守備陣の心理を揺さぶる。この佐藤の「頭脳プレー」がまず伏線。
スッ。中盤へと下りる佐藤。DFはついていけない。千葉のクサビが、そこにピタリと入る。起動スイッチが、入った。
森崎浩とのワンツーから佐藤がスルーパス。ミキッチが走る。飛び込んできたのは、佐藤・森崎浩・高萩・山岸、そして青山。ゴール前での局面では、広島4対オークランドシティ3という数的優位までつくってみせた。
森崎浩、ヘッド。こぼれにつめる山岸のシュート。ウィリアムスの壁。チャンスは潰えたか。だが、佐藤がボールを拾い、森崎和・森脇を経由して、青山へ。
右足、一閃。
浮いた。
そのまま枠外に消えると思ったのか、ウィリアムスは手を思い切り伸ばしていない。だが彼の頭上を超えた後、ボールは急激に落ちた。
広島にとって初のクラブワールドカップゴール、そして2012年の大会開幕ゴールにふさわしい「ゴラッソ」を決めたヒーローは「いやあ、気持ちいい。(決めた)実感はないんだけど、みんなが喜んでくれたから」と笑顔で感激を吐露する。青山の強烈な先制弾で、この試合の趨勢は決まった。

それでもオークランドは諦めず、前へとボールを運ぶ。ルイス・コラレスやタデなど、交代で入った選手が積極性を見せるものの、チームとしての連動性に欠け、決定機をつくれない。それでもアディショナルタイム、人数をかけた迫力のある攻撃を見せ、最後はディッキンソンがシュート。オークランドに得点の予感をさせた唯一のシーンだったが、「みんな最後まで身体を張ってくれていたし、もし枠に飛べば止める自信もあった」と西川周作は自信を見せた。

初出場の緊張感、イベント続きで万全ではないコンディションも含め、100%の状態ではなかった広島。だが得点が入らず焦れがちになる展開でも、選手たちは落ち着いてゲームの流れをつくり、思惑どおりの攻撃から「ゴラッソ」を導いた。できることをしっかりとやりきった広島、勝利にふさわしい闘いだった。

次戦のアルアハリ(エジプト)はパスをつないでゴールを陥れる攻撃的なチーム。「アフリカのジダン」と呼ばれるモハメド・アブートリカなど個人技の高い選手もそろっている。失点の危険は増大するが、一方でスペースもできる。素晴らしいオークランドの粘りを制した広島は、「最低でも準決勝に進みたい」というミキッチの言葉を胸に、アフリカの強豪に挑戦する。

以上

2012.12.07 Reported by 中野和也
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