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【FCWC 広島 vs 蔚山】プレビュー:2012年、広島ラストマッチ。ACL王者を相手に有終の美を(12.12.11)

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内容など関係ない。結果だけがすべて。
そういう論点でサッカーを見ている人々にとっては、クラブワールドカップ史上初めて5〜6位決定戦にまわるJクラブとなった広島の今大会は、それだけで「失敗」と映るだろう。

もちろん、プロスポーツにはそういう側面があることも否定できない。例えば2010年のヤマザキナビスコカップの決勝は史上稀にみる死闘となったが、その事実は歴史の隅においやられ、デジタルに「磐田優勝」のみが記憶される。広島の準優勝を覚えているファンは、広島サポーターを除いては、それほど多くはない。それが、現実である。

ただ、広島というクラブにとって、あるいは森保一監督や選手たちにとってのクラブワールドカップは、大きな経験であり、今後の財産となった。広島は、ただ勝たんがために自分たちのコンセプトを曲げることなく、自らが信じる方向を貫いて戦い抜いた。その結果として、アフリカを代表する強豪であり、エジプトの国家的サッカーチームであるアルアハリを相手に、サッカーの内容そのもので圧倒。彼らに「広島の攻撃に対する守備対策」を強いることができたのである。

もちろん、2失点は共に「防げる」質のものであり、そこを許した広島の甘さは否定できない。あれだけ数多くのチャンスをつくりながら1得点に終わったことも、大きな反省材料だろう。だが、そこを見据えてもなお、広島にとってはポジティブな経験となった。もし、勝利だけを求めてサッカーの内容を変えていたならば、クラブやチームの未来に何も残さない。方向性を貫いたからこそ課題も明確になり、経験値として来季のリーグ戦、さらにACLへとつなげることができるのだ。

そういう観点でいえば、今回の5位決定戦における蔚山現代戦もまた、広島にとっては素晴らしい経験となる。2012年度ACL王者。F東京も柏も、彼らには勝てなかった。イ グノやラフィーニャ、マラニョン、カク テヒなど、かつてJリーグで大活躍した選手たちも多く、GKのキム ヨングァンをはじめとして韓国代表経験者もズラリとそろっている。

彼らは残念ながら、来季のACL出場権を逃している。だからこそ、今大会へのモチベーションを高く保って臨んできた。ところが初戦のモンテレイ(メキシコ)戦では緊張もあって動きが固く、モンテレイの細かなパスワークに全くついていけない。前半はシュートゼロ。後半もほとんど攻撃を構築することができず、イ・グノのミドルシュートによる1点を返すのが精一杯。スコアは1−3だったが、チャンスの数でいえば、6点ほどぶち込まれてもおかしくない「惨敗」を喫した。

だが、だからといって彼らの実力が「低い」わけではない。韓国らしい縦に速い攻撃は、特に広島のような攻撃的スタイルを標榜しているチームにとっては大きな脅威だ。196センチという高さを誇るキム シンウクのポストプレーにラフィーニャやイ グノが絡む攻撃は、迫力十分。それに何より、韓国のクラブは対日本戦となると間違いなく強い気持ちを前面に押し出して闘ってくる。当然、対広島に対しても、それは同様だ。

広島は厳しい陣容となるかもしれない。守護神・西川周作はアルアハリ戦で左ほほを8針も縫う裂傷を負った。幸い骨に異常がなかったこともあり、西川本人は「出場できる」と語っていたが、森保監督がどう判断するかはまだ不透明。同じくアルアハリ戦で左足の痛みを訴えて交代した森脇良太についても、蔚山現代戦に出場できるかどうかはわからない。もちろん、増田卓也やファン ソッコはアルアハリ戦でいい経験を積んではいるが、今季の広島を優勝に導いた主力の存在は、何ものにも替えがたい。

とはいえ、天皇杯で敗退した広島にとって、明日が今季ラストゲーム。素晴らしい時間を過ごした2012年の有終の美を飾るためにも、また来年のACLを闘うという意味においても、今季のACL王者との戦いを勝利で飾りたい。そんな意思を選手たちは口々に語り、モチベーションは高いままで保てている。

今季のキャンプで広島は蔚山現代と練習試合を戦い、1−0で勝利した。だがその時、相手にはラフィーニャはいない。さらにいえば、練習試合と公式戦ではまったく違う。広島にとって重要なのは、過去の戦績などは忘れ、挑戦者精神を持って闘うこと。今季ラストマッチにふさわしい、広島らしさに満ちたサッカーを見せてほしい。

以上

2012.12.11 Reported by 中野和也
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