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【J2:第5節 水戸 vs 愛媛】プレビュー:波に乗り切れない両チームの対戦。現状を打破するのはどちらのチームか。水戸は豊富なアタッカー陣の活躍に期待がかかる。(13.03.24)

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1勝2分1敗。開幕から4戦を経て、同じ結果を残しているチーム同士の対戦である。決してよくも悪くもないスタートを切ったが、そこに現状が見え隠れする。ともに開幕前からけが人が続出するというアクシデントに見舞われ、現在は我慢の戦いが強いられている。そうした中でいかに勝点を積み上げることができるかが今季の結果を左右することとなりそうなだけに、今節の勝点3は両チームにとって大きな意味を持つことだろう。

ピンチをいかにチャンスに変えるか。それが両チームに問われていることである。水戸はアウェイ連戦で勝点1獲得にとどまったが、決して収穫がなかったわけではない。前々節鳥取戦で完敗を喫したが、その反省を生かし、岡山戦ではアグレッシブに戦う水戸の目指すべきスタンスを示すことができた。また、ルーキーの新里亮や鳥取戦でJリーグデビューを果たした笠原昂史といった経験の乏しい選手たちがアウェイの舞台で経験を積めたことも収穫と言える。「アウェイで勝つことの大変さを知ることができた」と新里が言えば、笠原は「試合に出続けることは大変なんだと感じた」と語った。アウェイ連戦を経験して一回りたくましくなった姿を見せてくれることに期待したい。

そして、三島康平が初ゴールを決めたことも大きい。前節、今季初先発を飾った三島は難波宏明と2トップを組み、「非常に素晴らしいプレーを見せてくれた」と柱谷監督が称賛するほど、充実したプレーを披露した。懐の深いキープ力を生かして前線で起点となり、守備では難波とともに果敢に相手のボールホルダーにプレスをかけた。そして57分に右サイドからのクロスをゴール前に飛び出した三島が冷静に胸トラップでボールをおさめてからゴールに流し込んだ。「彼の(起用の)計算が成り立った。これから使っていきたい」と指揮官を納得させるプレーを見せた三島の台頭により、これまで攻撃をけん引してきた鈴木隆行の負担は小さくなるだろう。鈴木隆行、三島康平、難波宏明、山村佑樹といったタイプの異なるストライカーを状況に応じた選手起用ができるようになったことは水戸にとって強み。連戦の最終戦、両チームとも疲労が溜まった中での一戦となるだけに、うまく選手を使い分けて戦うことが重要となる。柱谷監督の采配にも注目したい。
「チームの苦しい状況がシーズン最初に来た」と柱谷監督は言う。ただ、愛媛戦を乗り越えれば、続々と負傷者が復帰する見込み。特に「チームの頭脳」(柱谷監督)である西岡謙太が復帰間近であることはチームにとって大きい。勝点3を獲得して、本来の姿に戻るこれからに向けて勢いをつけたい一戦である。

一方、愛媛は開幕前から離脱者が続出し、苦しいチーム状態で開幕を迎えた。とはいえ、石丸清隆監督のもと、ポゼッションサッカーの質は高まっており、4試合いずれもボランチのトミッチと吉村圭司を中心に狙いとするサッカーを見せてきた。ただ、前節PKを2度失敗したように、決定力不足に悩まされている。今節、アウェイでの一戦となるが、勝点3を持ち帰るためにも相手以上にアグレッシブにゴールを目指す姿勢が求められる。

そして、昨季まで2年間水戸に在籍した代健司のプレーにも注目したい。昨季限りで水戸を離れることとなったが、真摯にサッカーと向き合うことのできる彼の姿勢を柱谷監督は高く評価していた。おそらく愛媛では水戸時代以上の高い意識で日々のトレーニングに取り組んでいることだろう。今節に向けて古巣相手に「絶対に負けられない」という強い気持ちで臨んで来ることは間違いない。水戸の強力なアタッカー陣とのマッチアップは今節の見どころの一つ。代が食い止めるか、それとも水戸のアタッカー陣がこじ開けるか。両者の意地のぶつかり合いこそが、今節の勝負の分かれ目となるだろう。

以上

2013.03.23 Reported by 佐藤拓也
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