●ペトロヴィッチ監督（浦和）：
「内容のよいゲームができているけど、我々が今日のゲームで勝利できなければ、努力や注いできたものを台なしにするところだった。磐田との対戦というのは非常に難しい。守備が特別によいチームで、そういう相手に対して仕掛けて崩すのは難しいところがある。さらに難しいのは、組織立った守備から前にいる攻撃的な選手、前田、山田、駒野や11番（松浦拓弥）がよい守備をしたところからカウンターを仕掛けてくること。我々にとって非常に脅威だった。我々は勇気を持って攻撃を仕掛け、守備でも人数を余らせることなく守備をして、相手にチャンスらしいチャンスを与えなかったと思う。ただ、チャンスを決め切れないところもあったし、PKも外した。ビハインドで前半を終えて、後半は非常にカウンターが危険だったけど、リスクを負って攻めることができた。90分に逆転ゴールを決めて、見ていた人のなかにはラッキーだと言う方もいるかもしれないが、勝利に値する試合だったと思う。スカパー!のフラッシュインタビューでも『チャンスがありながら決め切れないのはどうしてか』という質問があったが、その質問者はかつての我々のゴールゲッターだった福田さんだった。だから私は『一度うちの選手たちと話をして、ゴールを決める秘訣を教えてください』と伝えた（笑）。
特にゴールに関しては、（興梠）慎三がこれまでゴールを決めていないということでプレッシャーを感じているのではないかと思うし、メディアにもそういうことが出ている。ただ、チームとしては勝点を13ポイント取っていて、彼はチームの勝利に貢献している。それなら別に彼がゴールを決めなくてもかまわない。また次の5試合で13ポイントを取れるならそれでいい。なぜなら、彼はゲームのなかで役割をこなしているからです。だから彼に言いたいのは、自分自身を責めず、プレッシャーを感じないでほしいということです。反対に、森脇は誕生日だったけど、非常にリラックスしたプレーを見せていたと思う。2点のゴールをプレゼントしたわけだからね。自分たちへのゴールと、相手へのゴールと（笑）。
あとは前田選手のゴールのことが話題に上がっていたけど、私は前日に『彼がゴールをしても3-1で勝てればいい』と言っていた。1点足りなかったけど勝利できたし、前田選手の最初のゴールにジンクスがあるということは気にしていない。もしかしたら、シーズンの終わりに非常に危険な位置にいるかもしれませんが（笑）、我々は必ずJ1リーグに残る」

Ｑ：2試合続けて相手を圧倒しながら苦しい試合になりましたが、結果は異なる。水曜日の敗戦を今日の勝利に生かせたところは？
「試合に負けるというのは非常に痛みを伴うもので、特にこの間のACLの敗戦はショッキングなものだった。前半に圧倒していながら、後半に試合を壊してしまったから。中2日だったんで、それほど多くのことはできなかった。ただ、私が言ったのは、サッカーというのは非常にいろいろなことが起こるということ。そして、やってはいけないことは、自分たちがやってきたことを見失うこと。自分たちのやるべきことをしっかりやろうということ。もちろん、起こってしまった敗戦から反省すべきところはあるが、ああいうゲームもあるんだと考えようと話した。今日のゲームに関しては、この悪天候でも来てくれたファンやサポーターのために絶対に勝利をしようという強い気持ちが出ていたと思う。サポーターとともに勝利を味わおう、プレゼントしようという強い気持ちが結果に出た」

Ｑ：興梠選手が点を取らなくてもいいという話だが、PKを蹴らせたのは点を取ってほしいからなのでは？
「本来であれば、彼に蹴るなと言うべきだったのかもしれない。あの場面で指示はしていないけど、サッカーには一つ法則というのがあって、PKを獲得をした選手は蹴らない方がいい。もらった選手が蹴ると外すことが多い。PKを蹴る前に、私たち2人でその話をしたが、興梠が蹴ろうとしているところで私がほかの選手に蹴らせて、その選手が外したら『監督、だから慎三に蹴らせたかったんだ』と言うと思う。だから選手の判断に任せた。もちろん、彼がゴールすることを望んでいるし、彼のようなインテリジェンスがある選手を私は好んでいる。今のプレーを続けていれば、必ずゴールをするでしょう。次のPKのときには、慎三に蹴れというかもしれないが（笑）」

Ｑ：首位と勝点2差になったが？
「まだ順位について話をするのは早いでしょう。まず目の前の試合に勝利することに全力を注いでいきたい。終盤になれば、もしかするとその部分を考えるかもしれないけど、今は気にしていない」

以上