今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【AFCチャンピオンズリーグ2013 仙台 vs ソウル】レポート:「ここからだ」と示すため、ソウルにチャレンジした仙台。1点を守り抜いて、ACL初勝利をつかむ。(13.04.11)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「ここからだ」。その言葉を結果で示すために、仙台はもがいていた。初めて戦うACLとJ1とを並行して戦う難しさのなか、負傷者も相次いでいた。日程、選手層、新しい戦術の理解…高いハードルがいくつも並ぶなか、今季はここまで苦しい戦いが続いている。
なかなか白星に恵まれないこの時に、柳沢敦はミーティングで手倉森誠監督から呼びかけられたこの言葉が印象に残っているという。
「自分達が新しいチャレンジをしている中で、そのチャレンジを信じて、うまくいかないことがあってもそこを乗り越えることで、その先に見えるものがある」。
チャレンジをしながら、このACLで結果を出し、新しいチャレンジにつなげる。チームとしてその意識を共有し、仙台はこの一戦にのぞんだ。
「ACLもJリーグも『ここからなんだ』という結果を示したい」。試合前日会見で手倉森監督が発した言葉は、ソウル戦で実現されることになった。

ここ数試合、仙台は前後半の立ち上がりで集中力を欠いて自らリズムを崩していた。だが「今日は立ち上がりが良かったのが大きかった」と梁勇基を筆頭に振り返ったように、この日の仙台は攻守ともに鋭い動き出しを見せた。
角田誠がボランチで2月26日のブリーラム戦以来の先発復帰を果たし、富田晋伍とともにソウルからボールを奪取。ソウルの左サイドでマークの受け渡しが曖昧になっていると見るや、ボールを素早くそこに送りこんで、太田吉彰や菅井直樹を走らせる。仙台左サイドの和田拓也も積極的に攻め上がり、梁勇基とともに攻撃を組み立てる。大きく揺さぶられたソウルは、なかなか仙台陣内でシュートに持ちこむことができなくなった。
押しこんだ結果つかんだCKのチャンスから、仙台は16分に先制点をもぎ取る。一本目のCKでニアサイドが空くと実感した梁は、柳沢にそのスペースに入るようにアドバイス。そして「その通りにボールが来た」とCKに合わせた柳沢のゴールで、仙台は待望の先制点を得た。
欲しかった先制点を奪うために攻め立てた前半を終えると、一転、もぎ取った先制点を守るために耐え抜く後半が待っていた。
エスクデロ セルヒオを後半開始から投入したチェ ヨンス監督は、「空中戦をねらった」と攻撃パターンを切り替える。両サイドから早めにクロスを送るかたちを徹底し、終盤は仙台を自陣に釘付けにした。
「体力的にきつかったが、そこはホームの力で勝てた」と角田は試合後に振り返った。ソウルでの試合とは一転して仙台が耐える後半となったが、ソウルの強力3トップの距離を遠ざけ、デヤン ダムヤノビッチのポストプレーを合図に始まる連続攻撃を散発的に終わらせる。3分のアディショナルタイムでも仙台の堅陣は崩れず、タイムアップの笛が吹かれることとなった。

試合後の記者会見で手倉森誠監督は、質疑応答を一通り終えると、自ら切り出した。
「今日の一勝は、ベガルタ仙台がアジアでひとつ勝てたという、クラブにとって歴史的な一日でした」。その前に、相手のチェ・ヨンス監督も、仙台のACL初勝利に対してお祝いのメッセージを贈っている。
トップを走るソウルが敗れ、2位だった江蘇もブリーラムに敗れたことで、Eグループはますます混戦になってきた。したがって一勝で満足している場合ではないが、ACLの舞台に確かに刻んだ一勝が、グループリーグ突破に向けての大きな自信を仙台に植え付けたことは確かだ。
そう、ここからだ。

以上

2013.04.11 Reported by 板垣晴朗
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着