●城福浩監督（甲府）：

「今シーズンはホームでずっと勝てていなかったので、選手に嫌な重圧を持たせてピッチに立たせたくなかった。我々なりに柏を分析しきって、前日までに頭に刷り込ました中で、あとは伸び伸びと選手が自分の持てる力を100％発揮して欲しいという思いで準備した。2日間しかなかったが、ホームでサポーターと喜び合いたいという強い思いでピッチに立ってくれた。柏対策、自分たちの特徴を出すということでは、今のレベルでは出してくれた。内容で非の打ち所がないわけではない。もう少し自分たちの時間を増やして行けたのかなと思います」

Q:後半の甲府のディフェンスについて
「前線で張った（柏の）選手は少しでも時間を与えるとシュートまで持って行く力のある選手。彼らに時間を与えないようにコンパクトに保つということは、全てのポジションで意思を統一して何をすべきか理解して、サボらずやり続ける必要がある。柏が相手では我々の想定よりも遠い距離でシュート打ってくるし、その意欲もある。そこの部分では張り詰めた状況で90分間やってくれた」

Q:土屋選手のゴールのシーンの２プレー前の山本のボールさばきと、3点目のゴールについて。
「我々にとって大事なことはＪ１のクラブ相手に腰が引けた戦いをして守りきることは難しいと思っています。キックの質、個人のアイディア、精度を考えると最後にどん引きして２−１で逃げ切るという選択肢はなかった。我々の力量の中で攻める姿勢を見せる、カウンターのチャンスをうかがうということは常に狙っていた。そのなかで、前掛かりというか、前でボールを奪ってカウンターに繋げることができたことは、少しは我々の姿勢を見せることができたと思う」

Q:結果ができてきた印象だが、この背景にあるのは。
「開幕前、ケガ人が多かった。外国籍選手のアクシデント多かったりで選択肢が少ない中でチームはスタートした。その中で選手が頑張って死力を尽くしてくれた。結果が出なかった悔しさと、結果が出なかった3月だったが若い選手が出てきたことでチームの底上げとなり、4月にケガ人が戻ってきてトレーニングでより高いレベルの競争が行われていることを実感していた。高いレベルの競争をした中から選ばれた18人がプレーするというサイクルがこのチームの生命線。誰が出てもおかしくない、誰が外れても驚きがあるチーム状態を保って大切にしていきたい」

Q:ＤＦ登録がないリザーブメンバー。ロースコアで後半勝負となるゲームプランだったのか。
「おそらく、堅いゲームになると思っていました。我々は点が取れればいいが――2点がいい形で取れましたが――そんな簡単なゲームにはならない中で、この過密日程のなかで後半ゲームが動いて行くだろうと。どうしても前線のカードをいっぱい持ちたかった。後ろのカードはいろいろシミュレートしてやりきれると判断してそういうカードを持った。最後ゲームを動かしていく、勝点3を取るためのカードは外せなかった」

Q:山本選手が復帰して、ボランチで起用していた佐々木をサイドバックに戻すこともできたとおもうが、戻さなかったことによる効果にどんなものがあるのか。
「トレーニングの場、スタジアムのパフォーマンスで全てを判断しています。偏見は一切持たないようにしています。選手の中でもなんとなく、（佐々木をＳＢに戻す）予想があったかも知れないが、私はピッチの中で織りなされ、繰り広げられることを大切にしたい。チームのためにしっかりとパフォーマンスをする選手が試合に出て行くべき。年齢や昨年までの実績は関係ない。佐々木からウーゴへのパスは決定的なものになったが、チーム全体がエネルギーを使うようなボールの奪われ方もしているのでもっと高いレベルを要求していきたい」

以上