ついに長く暗いトンネルから抜け出した。いや、正確に言うならば、抜け出せるきっかけを掴んだと言ったほうがいいだろう。前節の松本戦。開幕から7戦続いていた無得点記録をようやく止め、同時に今季初勝利を岐阜は手にすることが出来た。
だが、未だに順位は最下位で、かつ松本戦の内容も決して手放しで喜んではいられないほど、拙いプレーや細かいミスが目立ったものだった。そして、肝心のゴールも吹き荒れる風に苦しみ、最終的に行徳浩二監督が怪我から復帰した長身DF新井辰也を、本来のCBではなくFWで途中投入し、79分と84分にMF染矢一樹からのクロスをいずれも新井が、188cmの高さにモノを言わせて押し込んだもの。厳しい言い方をすれば、ベンチには中島康平と杉本裕之というFWの選手がいながらもDFの新井を使ったことは、まだFW陣がそこまでの信頼を得られていないことを示しているし、直接的な言い方をすれば、まさに『苦肉の策』であった。逆にポジティブに捉えると、『なりふり構わず勝ちに行く姿勢』を打ち出すことが出来、その中で結果を掴んだことは、今の岐阜にとって必要な『必死さ』、『戦う姿勢』をようやくピッチ上で表現できたと言える。
いずれにせよ、大事なのは結果が出た次の試合。富山との一戦でも同様に結果を出さなければ、『付け焼刃の一過性』に終わってしまうし、チーム全体の士気にも大きく影響を及ぼしてしまう。前節では岐阜に再び期限付き移籍となったFW樋口寛規をいきなりスタメンに抜擢。前線で動ける選手を置くことで、怪我で離脱した井上平の穴を埋める狙いがあったが、この試合ではあまりに機能しなかった。ホームで迎えるこの試合では、樋口をどう生かすか、それと共に新井をどう起用するのかがポイントになる。
樋口、美尾敦の機動力、杉山新と染矢の突破力を生かすために、前線に大型のポストプレーヤーを置くことは、非常に有効になる。本来ならば、その役割は杉本になるのだが、前節の出来を見ると新井をもう一度FWで起用してみてもいい。スタメンから出なくても、途中から投入するのも面白い。だが、そうなると完全に中盤の組み立てよりも、ロングボールを多用したサッカーになってしまうが、まだ最下位の現状を見ると、この試合でも『なりふり構わず』の姿勢を出さないといけないのかもしれない。
対する富山は、「今年は楽しみなシーズンになる」と安間貴義監督が手ごたえを感じたように、組織的な守備から、ボールを繋いでビルドアップしていくサッカーを展開。3勝2分3敗の成績で、失点は8試合で僅か6。今後さらに試合をこなして行けば、より完成度が増していく楽しみがあるチームになっている。
注意すべきは2011シーズン後に岐阜から移籍したFW西川優大と、キレのある突破を見せるMF國吉貴博、木村勝太とのコンビネーション。ボールを運ぶことが出来る2人と、ターゲットとなれる西川との連携をどう遮断できるか。ここに自由を許すと、非常に苦しくなるだけに、岐阜はいかに守備のバランスを保ちながら、デズモンドを始め対人に強い選手が、ボールにしっかりとプレスに行けるかがポイントになる。
富山にとっては、いかに受け身にならずに自分たちのサッカーを展開できるか。岐阜は今季初の連勝となるか。岐阜目線で言わせてもらうと、岐阜の戦う姿勢が問われる一戦となるだけに、結果を重視し、『なりふり構わず』戦ってほしいと願う。
以上
2013.04.16 Reported by 安藤隆人
J’s GOALニュース
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