第10節となる今節を迎えるにあたり、神戸はある意味シーズン前の期待通りの勝点を重ね、7勝1分1敗で勝点22。対照的に、ホームの横浜FCは、ここまでわずか2勝(3分4敗)で勝点9。シーズン序盤の勢いの差という意味では、この試合も神戸に分があるという予想は立てやすい。しかし、神戸が勝点を落とした2試合は、第4節京都戦(@西京極)、第8節富山(@富山)と2試合ともアウェイ戦。横浜FCもホームの力を出せば、神戸に対抗できないことはない。横浜FCも昇格候補と目されていたチームであることを考えると、試合前から結果が見えていると思うのは早計だ。ホームスタジアムにその名が冠せられたニッパツが誇るバネのように、素晴らしい反発力を見せたいゲームだ。
横浜FCの成績を良く眺めてみると、2勝のうち1勝は、神戸が落とした京都相手に西京極で挙げたもの。さらに、神戸と並ぶ昇格候補の筆頭格であるG大阪には、アウェイ万博で互角以上に戦い勝点1を持ち帰っている。また、連敗をした第4節群馬戦と第5節岡山戦も、相手のちょうど3倍のシュートを撃ち、内容では相手を凌駕していた。つまりは、チームとしての真価とこの9試合全体で残している結果には大きな開きがある。その意味では、横浜FCにとっては1試合でも早く歯車がかみ合う状態にすることが一番の課題となっている。
前節も、エース大久保哲哉が理想的な形の2試合連続ゴールで先制したものの、負傷による交代に手間取っている間に長崎にゴールを許し、流れを相手に持って行かれてしまった。そのような、試合運びでの隙を少しでも作らないこと、隙があっても周囲がフォローすることが、内容と結果の乖離を埋める方法だ。その意味では、今節の対戦相手である神戸は、チャレンジャー精神を最大に発揮できる格好の相手。チームとして助け合うためにも、120%の集中力と勢いを持ってゲームに臨みたい。そして、神戸に黒星をつける2番目のチームになるためには、さらなる「+ONE」であるサポーターの力は不可欠。前節まで横浜FCを縛り付けていた鎖を、横浜FCに関わる全員で助け合って解き放ちたい。
このように、ことさら横浜FCの奮起を強調しなければいけないのは、神戸が今年のJ2の中で一歩も二歩も抜けているチームであるからに他ならない。ポポ、マジーニョ、田代など、大きなストロングポイントを持ち、1人でも決めていけるタレントが揃っているだけでなく、シンプルだがJ2としては一段上のスピードを持ったパス回しでもほとんどミスをしない技術を持った選手が揃っている。そして、勝点を落とした試合はわずかに2試合という安定した戦いを見せていることは特筆に値する。つまりは、穴も少ないのである。前節の北九州戦では、少し苦しんだ前半にセットプレー絡みで2点を挙げるなど、勝つための道具は揃っている。神戸から見れば、このタイミングで調子の上がらない横浜FCから勝点3を奪い復調の目を摘むとともに、現在すでに5もある2位との勝点差をさらに広げて、独走態勢に持ち込みたいところだ。
3連戦の3試合目ということもあり、選手の疲労度も気になる試合。さらに、両チームとも前節に新たな怪我人を出している。その意味で、代わりに先発する選手だったり、途中交代で入る選手の活躍が試合の大きなポイントとなる。一言で言えば選手層の厚さという言葉になる。選手リストだけ眺めればここも神戸に分があるが、実際に出た選手が活躍できるかは、普段からの監督のマネジメントに依るところも大きい。サブの選手を生かす両監督の手腕にも注目したい。そして、試合展開としては、神戸のハイペースに横浜FCがいつ慣れるか、そして横浜FCのスピード感に持ち込むことができるかが注目点。共にパスをしっかり繋いで攻撃を仕掛けるチームだが、そのパスの考え方やスピード感は異なる。ゲームのスピード感をどちらがコントロールできるかが、試合の流れに影響するだろう。
両チームの真価が発揮されたら、間違いなくレベルの高い、面白い90分になることは間違いない。現在は順位が離れているが、終盤の昇格争いと同じレベルの戦いとなる。横浜FCにとっては、昨年の昇格プレーオフの初戦、ホームのニッパツ三ツ沢球技場で千葉に完敗して得た教訓を生かすのは今しかない。大いなる熱戦が期待される。
以上
2013.04.20 Reported by 松尾真一郎
J’s GOALニュース
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