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【J2:第10節 京都 vs 鳥取】プレビュー:前節、凄まじいプレーが生まれた京都が鳥取を迎える。京都の可能性に大いに期待したい一戦。(13.04.21)

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J2第10節、京都は西京極に鳥取を迎え撃つ。

前節、京都は岡山と1-1で引き分けた。同点ゴールは素晴らしいものだった。宮吉拓実の、トラップから抜け出しての鮮やかなゴール。パスを出したのは福村貴幸だ。宮吉の足下への鋭いパス。足下へのパスだが、これがスルーパスなのだ。

バルセロナ(スペイン)のパスサッカーの躍進で、この足下へのスルーパスに注目が集まっている。元京都で現在は大宮の渡邉大剛も、サッカーマガジン誌のインタビューで、この足下のスルーパスについて言及している。彼は、相手の背後に出すばかりがスルーパスではなく、ディフェンスには取れず、フォワードが、ファーストタッチでマークを剥がせますよ、という足下へのパスもスルーパスだと思って意識している、と言及している。
宮吉はファーストタッチでマークを剥がした訳ではないが、完璧に岡山のDFラインの裏を取っている。足下へのスルーパスからのゴール。これが京都でも表現されたのだ。ゴールの瞬間、一瞬電気が走る程の衝撃を受けた。

このスルーパスの最高形は、実は以前J2日記で取り上げた。昨年のヨーロッパ選手権決勝、スペイン×イタリアのスペインの2点目。ジョルディアルバのスプリントにシャビが足下へのスルーパスを通して、アルバがワンタッチでDFの間をすり抜けるとゴールを奪った。「凄い」の一言だが、あのスルーパスの凄さの本質をどうしても知りたかったので選手、監督に訊ねたのだ。それからあの足下スルーパスを探し続けていた。そして、京都の中では恐らく、あのパスを出すなら福村か、秋本倫孝、工藤浩平あたりだろう、というところまでは感じていたが、それがとうとう出たのだ。

なぜ、スルーパスが相手の背後のスペースではなく足下へと進化したかと言えば、GKとDFの間のスペースが極端に狭くなったからだろう。先述のシャビのパスもDFの頭上を越えての背後へのパスなら、恐らくGKが飛び出してゴールの可能性は低まったはずである。福村→宮吉の形はマークを剥がした訳ではないが、岡山DFラインの裏は完璧に取った。あれをスペースに出していたら宮吉はゴールラインぎりぎりでのプレーになったのでないか。
このプレーは、パスを出す方も受ける方もこれまでとは比べ物にならない程の観察力と精度が求められる。このレベルにチャレンジできるか、京都の未知なる世界への一歩に期待したい。

この足下スルーパスを京都で観るなら、パサーなら前述通り福村あたりと予想していたが、パスの受け側は、実は駒井善成だと思っていた。理由は昨年の第17節・富山戦で、ワンタッチで相手DFラインの裏を取ったから。こうしたプレーを感覚として持っているのではないかと思っていたのだ。
駒井の最大の武器は身体能力。例えば、大きく蹴り出したボールがワンバウンドしてヘディングで競る際、駒井が完璧に負けたシーンはほとんどないのではないか。身長差ならば駒井の方が劣るが、ジャンプする際のポジショニングとタイミング、そして体の使い方は抜群に巧いために互角以上に戦える。立ち止った瞬間から動き出すスピードは京都では一番だろう。サヌより速いと思う。2、3歩走ってトップスピードに乗ればサヌの方が速いだろうが、初速なら駒井だ。これだけの身体能力があるから、狭い地域の隙間、隙間でプレーするのが好きなのだろう。今はサイド、ボールを受けやすい所に安住しているが、そろそろ主戦場の狭い地域に、相手にとって危険な地域に、自分から入り込んでもいいのではないか。その戦いの方が彼には似合う。今節、先発出場するかは分からないが、本来持つ「やんちゃぶり」に期待したい。

今節の対戦相手は、鳥取。開幕当初は5戦無敗と好調ぶりを見せたが、前節の札幌、前々節の東京Vと複数点を喫して連敗している。京都・大木武監督は鳥取の戦いぶりを「オーソドックス」と表現し、中心選手の名前に実信憲明を挙げた。FWにもポストプレーに長ける久保裕一がいて、どこで時間を作り、どう展開してくるか、その辺りは整理し易いかも知れない。
だが、京都としては相手の攻撃をどう止めるかよりも「ゴールを奪う」ことの方がポイントとしては大きいだけに、相手を押し込んで主導権を握る展開に持ち込めるかが鍵になるだろう。
前節のゴールで、さらなるレベルアップの糸口を手繰り寄せてくれた様な気がする。可能性を広げる試合に大いに期待したい。

以上

2013.04.20 Reported by 武田賢宗
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