タシケント空港(ウズベキスタン)に飛行機が着陸したのは、現地時間の19時(日本時間23時)をすぎた頃。ほぼ丸一日を移動に費やした広島の選手たちは、それでも疲れを見せずに快活な表情で、飛行機を後にした。しかし、入国審査へと向かうとそこは、たくさんの人・人・人。ごった返すとは、まさにこのこと。「ウズベキスタンも、たくさんの人が行き来しているんだな」と考えたのだが、その想いはすぐに打ち消される。
とにかく、一人にかけるチェックの時間が長い。高萩洋次郎らが並んだ列は特にじっくりと時間を要してチェックする係員で、普段の生活の時に使っている眼鏡を外され、何度も何度も顔とパスポートを見比べていた。苦笑いを浮かべると、それによって表情が変わるためか「笑うな」と指摘されたりする。
他の窓口でも、似たようなもの。顔とパスポート写真とコンピュータ画面とひっきりなしに照合し、慎重に慎重をきわめて判断していた。でも、中にはスムーズに流れる窓口もある。それは、職務に忠実であろうとする姿勢。だからこそ、係員のスキルに差が出てしまい、チェック時間の違いになって人が滞留してしまったのである。
外に出ると、今度は手荷物として預けたものがなかなか出てこない。荷物が出た後もパスポートチェックと持ち込み荷物の検査(ウズベキスタンでは入国の際、外貨の持ち込みや通信機器、パソコンやカメラなどの持ち込みが厳しくチェックされる)が続く。その間、選手たちはずっと待つしかない。運動量を問われるサッカーを見せている彼らが、ただただ立ち尽くして、待つしかない。結局、飛行機を降りてからバスに乗るまで約2時間。日本時間ではもう深夜1時近い時間まで、選手たちは移動に費やしたことになる。しかし森保監督は「長距離移動は厳しかったが、国際試合を戦うモチベーションの方が強い。選手たちはやってくれると思う」と語った。
記者会見でウズベキスタンの記者からは「佐藤寿人やミキッチが遠征に参加していないのはなぜか」「ACLに対して力を入れていないのではないか」という厳しい質問も飛ぶ。しかし、森保監督は胸を張り、「若い選手たちのエネルギーに期待している。浦項も若手を使ってブニョドコルを苦しめた。明日は我々も、ブニョドコルに一泡吹かせたい」と強気の言葉を繰り返した。また西川周作選手も「勝つためにやってきた」と静かに言葉を吐き出し、「明日の試合でブニョドコルが勝つ確率は?」という記者の言葉にも、凛として「我々が勝つ。自信もある」と落ち着いて語った。
広島は佐藤寿人・森崎和幸・青山敏弘・ミキッチと、磐田戦のメンバーから4人を入れ替えてタシケントにやってきた。もちろん連戦の中でのコンディションを考慮してのことだが、磐田戦で素晴らしいアシストを決めた野津田岳人や清水戦でインパクトを残した高校生Jリーガー・川辺駿もいる。ACLで成長を見せた左クロッサーのパク・ヒョンジンや韓国代表でサイドもストッパーもできるファン・ソッコも腕をぶしている。
ウズベキスタンのメディアは「佐藤もミキッチも来ていない。勝利は我々だ」と言わんばかりの勢いだが、彼らが甘く見れないほどのパフォーマンスを見せればいい。不安は長い移動距離と経験不足だが、移動はともかく経験不足は逆に「可能性」にも通じる。未知数の若者のパワーが何かを生み出すことは、3年前の浦項戦ですでに証明ずみだ。
昨年完成したブニョドコル・スタジアムは、素晴らしい偉容を誇るサッカースタジアム。代表の試合も行われる4万人収容の巨大施設だが、芝はまだ根付いておらず、広島にとって決してやりやすいスタジアムではない。だが、ウズベキスタンでプレーしている柴村直弥選手(FKブハラ)は、「勝機は裏のスペース」と指摘した。「広島ではブニョドコルは引いて守ってきたけれど、今度はホーム。勝ちにくると思うし、攻撃に出てくるはず。その時にできる裏のスペースを狙えれば。例えば(高萩)洋次郎の一発のパスでGKとの1対1というシーンもあるはずです」。
柴村選手が語った狙いは、もちろん広島の選手も理解しているはず。勝利を確信しているブニョドコルのメディアを驚かせ、タシケントまで応援にやってくる広島サポーターに歓喜をプレゼントしたい。森保監督も選手たちも、想いは一つである。
以上
2013.04.22 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
一覧へ【AFCチャンピオンズリーグ2013 ブニョドコル vs 広島】プレビュー:長距離移動を吹き飛ばせ。若いパワーで狙うはACL初勝利。(13.04.22)
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