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【J2:第11節 北九州 vs 栃木】レポート:試合巧者の栃木が90分で勝利して3連勝!北九州は苦しい4連敗(13.04.29)

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サッカーの試合は90分。その中の与えられたチャンスに、多くゴールを決めたチームが勝利する。極めてシンプルなスポーツだ。連勝でアウェイに乗り込んだ栃木。5年目を迎えた松田サッカーは、1年目の柱谷北九州を相手に、余裕さえも感じさせる試合内容だった。

日本列島がGWに入り、J2も9日間で3試合を行う大事な初戦。ここまでの10試合を終えた両チームの戦績は対照的なモノだった。ここ5試合を4勝1敗で5位につけた栃木と、3連敗で19位に沈む北九州の戦い。
固い試合運びが持ち味の栃木と、先制点を許すと1分6敗の北九州。序盤は相手の動向を見るように、手探り状態で試合は進んで行ったが、先に大きなチャンスを迎えたのは、ホームで負けられない北九州だった。FKのチャンスから、古巣相手に燃える鈴木修人のゴール前へのクロスを、栃木GK榎本達也がファンブル。こぼれ球を、小手川宏基が左足でシュートを放ったが、枠を捉えきれず北九州は決定機を逃してしまう。

決定機を許した栃木だが、それでも慌てることは無かった。ゆっくりと時間を使い、相手の出方を伺うかの様に、後方でパスを繋ぎ、相手がプレッシャーを掛けに来た瞬間、キープ力がある前線の近藤祐介と廣瀬浩二にパスを送ってタメを作り、2列目3列目の選手がシュートを放ち、フィニッシュで攻撃を終えた。前半アディショナルタイム、DF當間建文のシュートをGK武田博行がビッグセーブするなど、北九州は何とか0に抑えた感がある前半だった。
「(あわや失点の)決定機を決められなかったので、0−0で一息つけて盛り返すことが出来た」と栃木の松田浩監督が話せば、「前半から栃木の狙い通りの展開だったし、そこで勝ち切れるチーム」と北九州の鈴木修人が語るように、北九州の選手達はジワジワと精神的に追い込まれていってしまった。

栃木のゲームプランは明確だった。試合後に松田監督は「後半少しゲームが落ち着いた15分過ぎからリズムを作りたかったので、アレックス(三都主アレサンドロ)の力が必要だった。リズムが変わった所でサビアをFWで投入し、近藤とクリスティアーノを攻撃的MFにして、攻撃にパワーを出したかった」。
ボランチでの起用となった三都主は、ボールを散らして攻撃にスイッチを入れると、栃木が完全に試合を支配。三都主投入から8分後にピッチに立ったサビアは、チーム内得点王の名に恥じない決定力で、確実に仕事をやってのけた。

得点シーンは試合も終盤に入った80分と90分。73分に北九州の渡邉将基が2枚目のイエローで退場になり、数的優位に立った栃木が、引き分けでも良いと守りに入った北九州を攻め立てた時間帯だ。ゴール前でFKのチャンスを得ると、三都主のキックは一度は弾かれるものの、三都主は落ち着いて左の近藤にパスを送る。サビア投入後、左のMFに入っていた近藤は、しっかりゴール前にクロスを上げ、サビアが後方から走り込んだヘディングシュートで先制。気落ちした相手から、終了間際にもサビアが追加点をあげ、終わって見れば2−0の完勝で、アウェイの栃木が勝利した。

栃木は3連勝で3位に上がったが「まだ上位とは当たっていない。これに満足せず、しっかり修正したい」と、勝利に酔うことも無く、近藤の顔はさらに引き締まっていた。対する北九州は、これで4連敗。ゴール前での決定力が、試合結果にそのまま繋がっている。出口の見えないトンネルから、早く抜け出したい。

以上

2013.04.29 Reported by 坂本真
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