ゴールデンウィークの最終日にニンジニアスタジアムで開催される栃木戦は3連戦の締めくくり。迎え撃つ愛媛にとっては、連敗脱出をかけた一戦になる。それにしても、このカードは好対照なチーム同士の対戦となった。4連続完封勝利で4連勝中の栃木に対して、愛媛は失点が続き3連敗中。その3試合では合計7失点を重ねており、勝点を失っている。ミスから失点をした徳島戦や立ち上がりの集中を欠いた長崎戦など原因は様々だが、いずれも小さなほころびが致命傷まで至ってしまっている。
前節のアウェイ千葉戦に関しては、そうした問題点を修正しながら試合の主導権も握ったが、今度はチャンスを生かせず、我慢しきれず後半に失点。攻守の歯車が噛み合っていない状況だ。ただ、シュート2本に封じた前々節の長崎戦もしかり、千葉の12本を上回る17本のシュートを放った前節もしかり、90分間の内容を見ればポジティブにとらえられる部分もある。「結果が全てだけど」とボランチの村上巧は前置きをした上で「チームとしての共通理解が深まって、ボールを失わないことだったり前への意識は全体として高まっている」と手ごたえも感じている。そして「やるべきことをブレずにやり続け、決めるべきところで決めきること」と続けたが、今は迷わずチームのコンセプトを保ち続け、高い集中力を持って次々と訪れる連戦に挑むしかない。
その状況では、これまでバックアップに回っていた選手の更なる奮起が欠かせない。愛媛はトミッチや東浩史、代健司ら開幕からピッチに立っていた選手が次々と欠け、チームの台所事情は厳しい状況にある。しかし、チャンスが巡ってきた選手たちが結果を出さなければ、チームの底上げは不可能。長いシーズンを戦う上で、より上の順位を目指すことは難しい。その点で前節が今季初出場となったDF園田拓也は「よくない状況の中でどれだけ勝とうという気持ちを出せるか。これまで試合に出ていないので疲労もないし、やらないと」と意気込みを語れば、FW重松健太郎は「厳しい状況だけど、選手にしかこの状況を変えることはできない。誰がやるのかといったら、自分がやるという気持ちでプレーしないと」と語っているが、これまでスタメンをつかめなかった選手にはこのチャンスにスタメンを奪い取るようなパフォーマンスを期待したい。逆にいえば、それがなければこの連敗を脱することは難しいだろう。
この状況と対照的に、栃木の強みはスタメンの選手がしっかりと役割を果たすだけでなく途中から出た選手も結果を出していることが今の勢いにもつながっている。規律を持った守備やハードワーク、ショートカウンターはもちろんのこと、今季はFWサビアがスーパーサブとして結果を出していることが大きい。前々節の北九州戦は残り20分で2得点を挙げ、前節は残り22分で出場すると無敗の岡山に土をつける決勝ゴールを奪って勝負強さを見せつけた。チームとして安定した戦いをし、さらに勢いもつけてニンジニアスタジアムに乗り込んでくる格好で、しいて課題を挙げるならば今節は出場停止となったボランチのパウリーニョの穴を埋められるかどうかという点になるだろう。
ただ、過去にも様々な状況で対峙した両チームだが、このカードは常に1点を争う競り合った状況になっている。対戦成績も過去9戦は2勝5分2敗と全くの五分だが、さらにニンスタでの対戦となれば2009シーズンの初対戦以来4戦4分と決着がつかず、両者一歩も譲っていない。栃木は鬼門ともいえるニンスタで連勝を伸ばし、さらに弾みをつけられるか。一方の愛媛にとっては、ホームの意地を見せて悪い流れを断ち切りたいゴールデンウィーク最後の一戦だ。
以上
2013.05.05 Reported by 近藤義博
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第13節 愛媛 vs 栃木】プレビュー:決着がつかないニンスタで今回こそ決着はつくのか。勝ち切るのは連勝中の栃木か、それとも連敗中の愛媛か。(13.05.05)
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