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【J1:第11節 川崎F vs C大阪】レポート:2点を先行された川崎Fが、レナトの活躍と大久保嘉人の2ゴールによって引き分けに持ち込む。評価の難しい試合となる(13.05.12)

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華麗なリズムで試合を組み立てる立ち上がりの川崎Fの攻撃は、得点の可能性を強く漂わせるものだった。だからこそ、前半8分にあっけなく喫した先制点には落胆させられた。1点を追いかける川崎Fが織りなすパスワークは、C大阪の守備陣を切り裂き続けた。そんな前半31分に、川崎Fが得たCKからのカウンターでC大阪が2点目を手にし、まさに脱力した。

川崎Fにとって今季最高の内容の一つだと言える試合展開を実現しながらも、前半を0−2で折り返す不条理に頭を抱えた。多くの川崎Fのサポーターがそうであったように、前半の内容の良さを心の支えにして後半を迎えた。そしてそれは、川崎Fの選手たちが感じていた思いでもあったという。

「『後半はこの2失点は忘れて』ということで監督からも言葉が出ていましたし、攻撃の形は悪くなかったので、あとは修正をかけようと。『もう一度仕切りなおして行こう』ということで、声は出ていました」と話すのは田中裕介。「もったいないですね。(守備の)人数はいましたからね」と前半の2失点を悔やみつつ、それでも選手たちの気持ちは前に向いていたと振り返る。

一方のC大阪は、2点をリードしたことで難しい試合運びを強いられることとなる。レヴィー クルピ監督の「2−0というスコアはよく言いますが、相手が1点を取ったところで心理的な影響が出てくる」との言葉を引くまでもなく、2−0は難しいスコアだと言われる。特にこの試合は、川崎Fが内容で上回りながらも2失点しており、なおのこと次の1点が重かった。前半の試合内容を勘案し、そして田中裕介が言う所の「完全なるカウンター」で得点できていたこともあり、C大阪が守備意識を強めたのはある意味必然的な流れだった。C大阪の2点目を決めたシンプリシオは「2−0になったあと、監督からはしっかりディフェンスしてからカウンターを打とうという指示が出ていました」と述べている。そしてそうすることで「後半は攻撃面でうまく行かなくなってしまいました」と付け加えた。

C大阪が守備的姿勢を強める一方、川崎Fの61分の交代采配が不均衡状態にある試合展開に拍車をかけた。風間八宏監督は矢島卓郎に代えてレナトを投入した。シンプリシオは「レナト選手が完全に流れを変えましたね。2得点とも彼が絡んだものでした」とレナト投入の意味を説明。ピッチに立ったレナトは、違和感なく川崎Fの攻撃の連携の中に組み込まれ、C大阪の守備ブロックに楔を打ち続けた。

等々力のサポーターの声援を受ける川崎Fが攻勢を強める中、決定的な場面が訪れる。中村憲剛からのパスを受けたレナトがエリア内でドリブルを仕掛ける。守備に力を注いできたC大阪の選手にとって、フレッシュなレナトが難しい選手なのは間違いない。小気味いいドリブルで一人目を抜くと、カバーに入ったシンプリシオの足がレナトの足にかかる。このプレーにより川崎FにPKが与えられ、スポットには大久保嘉人が立った。点差を1に縮められるかどうか大事な場面ではあったが、先にキム ジンヒョンを動かした大久保が冷静にこれを決めた。73分のことだった。

勢いづく等々力が沸騰する。79分に枝村匠馬に代わりピッチに立った楠神順平は久しぶりに立つ等々力のピッチの雰囲気について「本当にいいスタジアムだと思います。久しぶりにプレーできて気持ちよかったです」と述べている。川崎Fでプレーしていた楠神だからこそわかる雰囲気が、川崎Fの選手の背中を後押しした。C大阪は、失点直後の74分にピッチに立った南野拓実が個人技を見せており、局面では川崎Fを押し込む場面も見せていた。ただ、盛り上がる等々力の雰囲気を、南野一人でどうにか出来るわけでもなかった。

迎えた83分。ついに川崎Fが同点ゴールをねじ込む。C大阪の攻撃を受け止めた川崎Fが、自陣からパスをつないでレナトに展開。ドリブルで持ち込んだレナトからの縦パスを、小林悠が受ける。反転し自らシュートを打とうと思っていたという小林だったが、相手DFのカバーにより打ちきれず。しかしこのこぼれ球を待ち構えていた大久保が蹴り込むのである。

2点のビハインドを追いついた等々力の雰囲気は最高潮に達した。そしてその声援を受けた川崎FがC大阪を攻め立てた。84分、88分のレナトのシュート。90分のジェシのヘディングシュートと、逆転のチャンスは少なくなかった。しかし、川崎Fは試合を決める事ができなかった。

試合が2−2で終わった後、クルピ監督は勝点1で満足すべきか、勝点3を取りそこねたと考えるべきかと問われ「それに関しては一言で言えない部分があります。逆に言うとどちらでも言える試合だったと思います」と述べて評価の難しさを口にした。C大阪にとってこの試合は、勝点1で満足すべきとの認識も可能だという事だろう。この結果、アウェイ等々力での2010年からの連勝が3で止まる事となったが、引き続き川崎F戦ではリーグ戦7戦連続での不敗記録が継続している。

一方の風間監督は「非常にもったいないゲームだった」と試合の感想を述べている。前半からの試合内容を考えれば、川崎Fは勝点3をとってしかるべきで、そういう意味で勝点1にとどまったのは手痛い結果だった。2点を先行されていたという試合展開であっても、川崎Fにすれば勝たねばならない試合だった。ただ、序盤戦の不調を考えれば、ここまでの試合を作れるようになったことは大きな成果であり、過度な悲観は不要であろう。勝点3が必要だったとの認識を胸に刻み、あの内容で勝てる試合運びを追求してほしいと思う。

以上

2013.05.12 Reported by 江藤高志
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