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【J2:第23節 熊本 vs 松本】レポート:狙い通りの守備でペースを握った松本が3得点で完勝。なす術なく敗れた熊本は19位に転落(13.07.08)

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試合終了直後のスタジアムには、連勝に沸く松本サポーターの声だけが響いた。前節アウェイで愛媛と引き分けて連敗を止めた熊本は、この試合ではボールを支配する時間こそ松本を上回っていたように思われるが、シュート数は半分、決定機にいたっては前半終了間際の45分と78分のわずか2回。「攻撃も守備も思うようにいかなくて、いろんなことをもう一回見直さなければいけない」と吉田靖監督が振り返った通り、なす術なく文字通りの完敗。これで7試合勝利から遠ざかり、順位も再び下がって19位となった。

もっとも、開始3分には左の片山奨典から球質の違うクロスを立て続けに2度入れる場面を作る等、ゲームへの入り自体が悪かったわけではない。カウンターへの準備も含め、チームとしての守備時のバランスも6月の一時期に比べれば整ってはいた。それでも、「後ろに比重を置いて、ボールをつなごうという意識が強すぎた」と原田拓が言うように、攻撃がスピードアップせずにゲームは次第に膠着。うまくいかなかった要因として、全体を押し上げられずに効果的な縦パスを入れられなかったことが挙げられるが、その背景を突き詰めれば、「ボランチの横を狙ってきた時にどう対応するか、映像を見せながら少し話をして」「1人で止められない時はグループで止めに行くということを考えてやっていた」(反町康治監督)松本が、思惑通りの守備——熊本が狙いとする縦パスのコースをことごとく消す対応——を見せていたからである。玉林睦実が「相手のサイドハーフとサイドバックの2人を見る」と話しているが、3バックの外側を埋めつつ、ボランチ横のスペースへ入ってくる熊本のワイドに対しても「走力でカバーして」(玉林)ケアした。一方、熊本はそれに対してただ正面からぶつかるだけで、オフザボールの動きで引っ張ったり、あえて縦に通して食いつかせたりといった相手を動かす工夫もできず、つまるところ、攻略できなかった。
自ずとゲームの主導権は松本が握り始める。熊本はポゼッションをフィニッシュに結べず、流れも切れない状態でボールをロストしては守備の対応に追われるという展開に。「(高湿度という環境の)アドバンテージがうちに来たようなゲームだったかもしれない」と反町監督が述べたように、ボールを保持する時間に反して、熊本の方が徐々に消耗させられていったことは否定できない。

それでもせめて0−0で折り返し、修正して後半に臨みたかった熊本だが、43分に一瞬の隙を突かれて先制を許す。熊本のクリアを自陣で残し、右から作り直した松本は、玉林から楠瀬章仁、ホドリゴ・カベッサとつなぎ、カベッサからのパスを受けた船山貴之がペナルティボックスの外から思い切ってシュートを選択。これを一旦は熊本DFがブロックしたが、こぼれた浮き球にカベッサが反応して、右足でゴール右隅に流し込んだ。
さらに後半立ち上がりの52分には、熊本のパスミスから武器であるカウンターに転じて左へ展開。船山が溜めて外を追い越した岩沼俊介へつなぐと、岩沼は高精度のクロスをファーへ。そこへ入ってきた玉林がハーフバウンドからダイレクトで突き刺し、リードを広げた。

2点のビハインドを負った熊本は、橋本拳人を下げて吉井孝輔、堀米勇輝に替えて北嶋秀朗、原田拓から養父雄仁とカードを切るが、間のスペースや背後を突こうにもタイミングのズレやパス精度の悪さ、さらに言えばそもそもの運動量、ボールへの出足などあらゆる面で松本の後手を踏み、攻撃に大きな変化は生まれない。最後は80分、クリアしたあとのセカンドボールから、楠瀬のクロスに動き直した塩沢勝吾に決められ万事休した。
 
勝った松本は、熊本が低調だったことを差し引いても、中3日の連戦という状況を考えれば最高の結果を得たと言っていい。「インプットしてすぐゲームでアウトプットする力がここ最近は出てきたかなと思う」という反町監督の言葉の通り、熊本の狙いを封じるべく、それぞれが役割を全うして走るべき場面で走り抜いた。「これをどのゲームでもできるように」(反町監督)なれば、1桁にとどまらずプレーオフ圏に食い込む可能性は十分ある。
対する熊本。失点場面を振り返れば、いずれもボールへの反応やマークの見落とし、身体を入れ替わられたときにマークした選手を浮かせてしまったことなど、個々の対応の甘さが直接の原因となっており、この点は各自が修正すべき問題。ただ攻撃の手詰まり感やチームとしてのゲーム運びに関しては、あまりに正直に過ぎた印象が拭えず、駆け引きの部分で完全に相手の術中にハマっている。
「新たな選手を使っていくのもあると思う」と吉田監督は話したが、岐阜を迎える次節までの1週間、気持ちのリフレッシュに加えて、チームとしてやろうとすること、それを表現するために必要な判断やプレーや、資質は何なのか、もう一度確認することが求められるだろう。この難局を乗り越える糸口は、そこにしかない。

以上

2013.07.08 Reported by 井芹貴志
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