両チームともゴール前のシーンは多かったが、スタジアムのボルテージをさらに高めるゴールは生まれなかった。今季ホームゲーム最多の6536人が詰めかけた、とりぎんバードスタジアムでの一戦は、両チームともネットを揺らすことができず、スコアレスドローに終わった。
前半、押し気味に進めたのはホームの鳥取。横浜FCの大久保哲哉が「守備がうまくはまらなかった」と振り返ったように、落ち着いたパスワークで相手のプレッシャーをかわし、前にボールを運んで先制点を狙った。しかし、7分にロングスローのこぼれ球から、ゴール前で武田英二郎が狙ったのを皮切りに、多くのシュートを放ったものの、精度が低く枠を捉えることができない。
武田が15分で左足太もも裏を痛め、廣田隆治との交代を余儀なくされるアクシデントがあったものの、その後も鳥取の攻勢は変わらなかった。23分には永里源気が、この日最初の枠内シュートを放ったものの、鳥取とは古巣対決となる横浜FCのGKシュナイダー 潤之介がファインセーブで防ぐ。32分には約40メートルの距離のFKを、林堂眞がブレ球のシュートで直接狙ったが、これもシュナイダーがブロックしてゴールを割らせなかった。
横浜FCは、攻撃に出た後のミスで、あっさりボールを手放してしまう場面が多く、山口素弘監督が「攻撃をちょっと急ぎ過ぎた部分もあるかな、と。急ぎ過ぎたぶん、ボールをロストすることが非常に多かった」と語った通りの苦しい展開。前半のシュートは、武岡優斗の右からのセンタリングを、大久保がヘッドで合わせた1本のみで、見せ場を作れなかった。一方で鳥取は、前半だけで10本のシュートを放ったものの、前述の通りで枠内を捉えたものは少なく、決め手を欠いたまま前半を終えた。
後半は開始から横浜FCが動き、三浦知良に代えて寺田紳一を投入。「自分たちの時間をもう少し作ること」という山口監督のハーフタイムの指示を受けて、落ち着いてボールを支配し、徐々に主導権を奪い返した。逆に鳥取は前半ほど守備が機能せず、FWとMF、MFとDFの間のギャップにパスを通され、苦しい展開を強いられる。
横浜FCは52分に、自陣でパスをインターセプトしたペ スンジンが、ボールを預けてから右サイドを駆け上がり、リターンを受けてセンタリング。フリーで中央に走り込んだ佐藤謙介が左足で合わせたが、シュートはわずかに左に外れる。両チームを通じて、この試合最大のビッグチャンスだったが、ここでもシュートは枠を捉えなかった。
その後は鳥取も落ち着きを取り戻したが、横浜FCとともに疲労の影響が見られるようになり、プレーの精度が低下。さらに両チームの守備陣の集中力も高く、ゴール前までボールがいっても、決定機までつながることはなかった。終盤は、それぞれ選手交代を駆使して最後の一線を破ろうと試みたものの、最後までゴールは生まれず、0―0の引き分けに終わった。
横浜FCは、ホームで鳥取を下した18節以降の無敗を維持(4勝3分)したものの、前節の岡山戦に続くスコアレスドロー。流れをつかんだ後半にもシュートが少なく、攻撃は最後までリズムに乗り切れなかった。「今後、順位を上げていくためには、こういう試合は必ずあると思う。守備でうまくはまらなかったときに、チームとしてうまく修正して、チームで1点を取って勝つ、という力を、もっとつけていかなければいけない」と大久保が語ったように、現状の中位から昇格圏内を目指していく上では、勝点1を3に変える試合を増やしていけるかが問われるだろう。
鳥取も前節に続く引き分けで、後半戦に入った22節以降は負けなし(1勝2分)だが、永里が「今日は勝たなければいけなかった」と振り返った通り、少なくともゴールは奪いたかった一戦だった。下位を完全に抜け出し、中位に食らいついていくためには、こういう試合で勝ち切ることが必要。終わってみれば、横浜FCと同様の課題が浮かび上がった引き分けだった。
以上
2013.07.15 Reported by 石倉利英
J’s GOALニュース
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