戦前から戦力差に勝る京都がペースを握ることも想定内だったが、一方で選手の退場など何か特別な事故がなければ得点差は拮抗する熱戦にあるということも想定内であった。果たしてゲームは想定内のまま進み、想定内のまま終了の笛の音が鳴った。
京都は前節同様に4-3-3のフォーメーションを敷く一方、松本は先発起用の顔ぶれこそ変化はないが、フォーメーションは3ボランチ気味の3-5-2である。この意図について試合後の反町康治監督は、山瀬功治の左サイドから中央への切り込みとバイタルエリアでの横谷繁の動きを封じたかったことを説明したうえで、「そのためにはアンカーを置かないといけない。喜山とユンはボールホルダーに行かせる」と、岩沼俊介をアンカーに配置して中央の侵入を遮断し、喜山康平とユン ソンヨルには高い位置からボールホルダーに重圧をかけた。
もちろん、それでも京都の攻撃力はJ2屈指。中盤で食い止めるにも限界がある。しかしそこは最終ラインがペナルティエリア内をしっかりと固めたことで、ゴール前に壁を築いた。「中央を守ることは分かっていたので、そのなかで遠目から打つことと最後のパス1本通せば」と大木武監督が振り返ったが、ミドルそしてラストパスの精度に欠けたこともあり、90分間通して放ったシュートは18本ながら、ゴールが遠かった。
京都が壁をこじ開けようと枚数を割けば割くほど、松本のカウンターは効力を発揮した。船山貴之を中心にラインの裏を突く動きが決定機に繋がり、多くの松本サポーターが歓声を上げる。「そんなに危なくない場面でもすごい声援が飛ぶので、すごく攻められているような感じになってしまう」(大木監督)状況下、球際の激しいプレーでさらにアルウィンのボルテージは増す。しかし、松本もまた決定力に欠けてゴールが生まれない。
前半を0-0で折り返した後半開始直後の48分に、クリアミスを逃さなかった山瀬のゴールで京都が先制。ようやく均衡が破れるが、松本も4分後のCKのチャンスを飯田真輝が確実に決めることで追いすがる。その後は勝ち越し弾を貪欲に狙って宮吉拓実・原一樹を投入した京都に対し、松本はさらにカウンターに活路を見出し、少しずつ運動量の落ちてきた京都を尻目に走り回るが、やはり幾度かあったビッグチャンスもゴールという結果に至らなかった。
松本は運動量とカウンター、京都はポゼッションというストロングポイントを見せただけに、「相手の疲れた最後の時間帯に逆転したかった。後半戦を迎えるにあたっては少し勿体なかった」と反町監督が振り返れば、大木監督も「うちとしては引き分けたことは非常に残念というか、勝ちきりたいゲームだった」と唇を噛む。両チームの選手たちも、ある程度の狙いは出せたとはいえ、やはり勝点1という結果には苦い表情を浮かべる。想定内の好ゲームはお互いに決め手に欠けて、想定内のドローで幕を閉じた。
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2013.07.15 Reported by 多岐太宿















