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【J2:第24節 熊本 vs 岐阜】レポート:ともに負けられない戦いに臨んだ一戦は、岐阜が追いついて痛み分け。勝ちきれずも最低限の勝点1を加えた熊本は18位に。(13.07.15)

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少なくとも、兆しは見えたと言えるだろうか。しかし重要なのは、これを一時的なものに留めるのではなく、今シーズンの最後までやり通すこと。再出発の節目に、2008年にJ2入りした“同期”の岐阜を迎えた熊本は、早い時間に先制しながらも終盤に追いつかれ、8試合ぶりの勝利を逃した。それでも最低限の勝点1を加え、順位を1つ上げた。まだこれからである。

吉田靖前監督の衝撃的な解任発表から中3日、後任としてチームを指揮することになった池谷友良監督代行は、限られた時間の中でやれることに絞って手を打ち、この試合に臨んだ。まずは先発とベンチメンバーをこれまでと若干入れ替え、チームに刺激を与えること。この試合では開幕から先発出場を続けてきた齊藤和樹をあえてベンチからも外し、またサイドバックを組み替えて片山奨典を1列上げた左のMFにおく布陣でスタート。北嶋秀朗と仲間隼斗が2トップを組んだが、メンバー表でもFWは北嶋1人になっており、実質は北嶋の周りを仲間が動き回ることを意図している。もうひとつは、簡単な約束事を決めてチームに規律をもたらすこと。その約束事とは、「クロスのファーストチョイスはニア」「一度下げたボールは前に入れる=2回続けて下げない」「プレスに行けないときはまずスタートポジションに戻ってスペースを埋める」という3点である。
岐阜の行徳浩二監督が「前からプレッシャーをかけるというよりも攻撃に関して圧力があるなという印象を受けた」と熊本について振り返っているように、上述の3点を意識した熊本の選手たちは積極的な入りを見せた。1列前に上がった片山が、「得点に絡む仕事をしないといけないと思っていたし、後ろには(筑城)和人がいたので、自分は思い切って前を向けたら勝負」と話した通り、実際に立ち上がりから左を起点に攻め込むと、7分にスローインから先制する。片山のクロスを最後は堀米勇輝が左足で決めたが、この場面ではニアに北嶋が走り込んで岐阜のDFを引っ張ったことで結果的に堀米がフリーの状態になっており、シンプルな判断の共有が得点に結びついた形。また前半に関しては出しどころを探して詰まるといった場面はあまり見受けられず、シンプルな決まり事が奏功したと言えるだろう。

一方の岐阜は、まだアラートしきれていない状態でリードを許してしまったが、その後は主に左の染矢一樹のスピードを生かすロングフィードからカウンターで好機をうかがう。ただ、「最後のクロスであったりスルーパスの精度が低くて、なかなか決定機に結びつけられない」(行徳監督)状態で、前半に放った3本のシュートも枠を捉えることができずに折り返した。

後半に入って主導権を握ったのは岐阜だ。53分に前線を活性化させる狙いで水野泰輔に替えて清本拓己を入れ、前半に増して縦に早い攻撃を繰り出し徐々に押し込んでいく。これを受けて熊本は60分、負傷明けの黒木晃平をボランチに入れ、吉井孝輔を最終ラインに下げて3バックへシフトするが、重心がやや下がって前との距離が空き、カウンターで攻撃に転じてもつなぎのミスでボールを失って再び守備に回るという展開。岐阜はさらに70分、美尾敦を下げて田中秀人を入れ、ここまでもヘディングで得点を挙げている新井辰也を前線に押し出す。熊本は矢野大輔が競り合ってうまく跳ね返して耐えていたが、87分に自陣ペナルティエリアから5mほどの場所でフリーキックを与えると、森安洋文がこれを右足で決め、岐阜が追いついた。熊本も最後は仲間に替えてドゥグラスをピッチへ送るが、ともに勝ち越し点は奪えずに4分のアディショナルタイムが経過、引き分けとなった。

この試合に向けては「守備面のことはあまりやらず、1週間、ボールを動かすトレーニングをしてきた」(行徳監督)岐阜は、染矢と杉山新の左右のスペースへのランニング、さらに樋口寛規ら前の3人の動きに対する配球等、得点の匂いがしそうな形も見え始めており、最後の精度を継続して高めていけば、スピードを生かした攻撃は他チームにとって脅威となるはず。順位は変わらないが、勝点1を前向きに捉えて最下位脱出をはかりたい。

熊本にとっては手中にしかけた勝点3を最後にこぼした恰好で、「悪くはないけど良くもない」(池谷監督代行)というのが本音だろう。とは言え、守備に関しては若干奪いどころが低かったもののラインの形成と上げ下げ、スライドの部分では大きな破綻もなく中央を締め、3バックもわずかながら見通しが立った。得点も狙いとしていたクロスからの流れだったことや、負傷で離脱していた黒木と五領淳樹も復帰し、また次節は橋本拳人の出場停止が明ける等、ポジティブな材料もある。だが、すぐに変化が現れるわけではないし、攻守両面でまだまだ修正すべき点は少なくなく、今後も厳しい戦いが続くことは確か。それでも、1歩ずつ踏み出して前に進むしか、戦い続けるしかない。

以上

2013.07.15 Reported by 井芹貴志
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