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【J1:第17節 仙台 vs 広島】レポート:経験を生かし、成長。駆け引き、精度ともに圧勝した広島が、難所ユアスタでの一戦を制し、首位浮上(13.07.18)

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広島の森保一監督は、現役生活最後の2年(2002〜2003年)を仙台で終えた。また、引退後のコーチや監督としても、ユアテックスタジアム仙台での試合を経験している。つまり、ホームチームの立場でもアウェイの立場でも、このスタジアムと、場所を埋めるサポーターの持つ力をじゅうぶん経験として知っている。

試合後の監督記者会見で最初に「ここユアスタで勝点3を取ることは難しいと感じていました」という言葉が出た背景にも、そうした経験がある。しかしこの監督に率いられたチームは、昨季取れなかった勝点3を、難所でもぎ取ることに成功した。しかも、昨季のチャンピオンにふさわしい内容で。

森保監督が続くコメントで「選手たちはいい集中を持って試合に入ってくれた」としたように、広島は立ち上がりに勝負をかけた。際立っていたのはプレビューでも見どころに上げた広島右サイド即ち仙台左サイドで、12分にミキッチが鋭く切れ込んでシュートをして、CKを奪取。このチャンスに、石原直樹がニアサイドで合わせて先制した。さらに、仙台が立て直そうとするなか、広島は13分に右サイドからカウンターをしかけ、高萩洋次郎のクロスに佐藤寿人が「守備が我慢しているぶん、しっかり決めたかった」とピンポイントで蹴りこんだ。この立て続けの2得点が、さらに広島を優位に立たせた。

仙台の梁勇基は「守備にうまくはめ込めなかった」と率直な印象を口にした。仙台は第14節にJ1が再開してからは、自分達のストロングポイントでもある守備からリズムを作ることを大事にしていたところで、この試合も立ち上がりの出足は悪くなかった。しかし広島の石原と高萩の所謂“2シャドー”をとらえきれず、そこからサイドへの展開を許してしまった。主に2列目とその後ろのポジションで2シャドーを挟みこむねらいを持っていた仙台だったが、「選手の距離感が悪くなってしまい、みんな思うようにプレッシャーをかけることができなかった」と石川直樹が反省したように、相手の流動的な攻撃を捕まえきれなかった。

仙台は2点を先行された後、得点は勿論、攻撃で押しこんで相手の勢いを止める目的で早めに選手を交代する。手倉森誠監督は早くも41分に武藤雄樹をピッチに送りこみ、56分には前節に活躍したヘベルチも加えて攻撃に変化をつけた。

しかし広島は青山敏弘と森崎和幸が巧みにスペースを補修。抜けられたとしても西川周作が好セーブで50分の武藤のシュートや55分のウイルソンのシュートを止めた。先制点の石原も自陣深くまで素早く戻ってプレッシャーをかけたように、広島が全員守備で仙台の攻撃を食い止めた。

森保監督は2節前の川崎F戦で前半の2-0から一時追いつかれたことを引き合いに出し、「自分達が学んだことをこの試合で出せた」とチームの成長を称えた。相手の守備を駆け引きでも攻撃の精度でも上回り、勝ち取った勝点3。そのご褒美として、大宮を抜いての首位という結果もついてきた。

一方の仙台は、この日も大きな後押しを得ていたホームで、相手に駆け引きを制されてしまった。「確実に、取り返さなければいけない」という手倉森監督の言葉にあるように、そして広島が王者として学んだ成果を生かしたように、仙台はそれ以上に苦い経験を生かしていかなければいけない。仙台が昨季つかんだ準優勝という結果もまた、球際の激しさ、駆け引きの巧みさ、そしてそれに裏打ちされた精度によって得たものなのだから。

両チームの再戦までのさらなる成長を、楽しみにしたい。

以上

2013.07.18 Reported by 板垣晴朗
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