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【J2:第25節 山形 vs 岡山】プレビュー:失点癖を脱したい山形と、決定力不足を克服したい岡山。昇格の望みを懸け、虹の彼方に近づくのはどちらか?(13.07.19)

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後半戦へのターンから3連敗。いずれも前半戦で快勝した相手に強烈なリベンジを受けてきた山形が、今節は岡山をホームに迎え、リベンジする側に回る。前回対戦では、一時2点差に開いたゲームを振り出しに戻したが、その流れで逆転を狙った終盤、逆に田所諒の決勝点を浴び3-4で敗れている。さらに遡れば、昨年の初対戦以降、岡山は3連敗を喫している天敵でもある。山形は第6節で、岡山は第7節で2位まで上り詰めたが、それ以降は伸び悩み、現在は勝点1差の10位と9位。まずはプレーオフ圏内にきっちり入っておくためにも、求められるもう一段のレベルアップに苦心している同士の対戦となる。

18日、山形が今シーズン初めて行った非公開練習で改めて確認したのは、距離感の部分。奥野僚右監督は「相手の出方によって距離が変わってきてしまう。押し込んで相手がプレッシャーをかけてこなければもっと詰めることができるし、逆にプレッシャーをかけてくるケースであれば広がりは必要。距離感にフォーカスすることによって、いい連係や効果的な攻撃をつくりやすくする目的」と話す。自分たち主導でそれを選び取れれば、勝利へ一歩近づくことができる。また、前節では外からの攻撃で相手を揺さぶる意図は見えたものの、固く閉じられた中央を割るシーンは少なかった。味方に当てて潜り込むプレーを得意とするロメロ フランクは「真ん中を突破するのは得意なプレーだけど、なかなかそれを生かすことができないので、サイドを使ったりして幅を広げないときつくなる。サイドに広げてから中を使ったり、その判断になる」と話す。どちらか偏ったものではなく、“どちらも”できる選択肢の多様化で、相手の対応も遅れを生じてくる。

問われているのは、そうした使い分けをチーム共通理解のもとでできるかどうか。奥野監督は「答えは一つじゃない、というところから入っていかなくちゃいけない」と、ピッチでプレーするそれぞれの選手が感じたことすべてが正解だとしている。それを認め合うところから個々が有機的につながり、相手がどのような出方をしても対応できるチームとしての柔軟性につなげようとの意図だ。成果が出るまでに一定の時間が必要だが、これはチームづくりの根幹の部分。3連敗で喉から手が出るほど結果が欲しい状況でも、ここをないがしろにすれば木そのものが倒れることになる。

岡山は最近8試合で得点・失点とも1点以下の堅調な試合が続き、1勝5分2敗。勝ちきれないその間にも、G大阪とドロー、神戸には勝利と2強から勝点をもぎ取っている。ここ2試合は無得点に終わっているが、前々節の横浜FC戦は前半終了直前に植田龍仁朗が2枚目のイエローカードを提示されて退場したもののスコアレスドローで持ちこたえた。前節は逆に相手の水戸が退場で一人少なくなったなか、再三右サイドをえぐられていた鈴木隆行の突破から、最後は橋本晃司に決められての敗戦となった。それでも、影山雅永監督は「今季のゲームの中でも非常によく自分たちのサッカーを貫けたゲームだった」とチームを評価。そのうえで、「落胆していてもいいことはないので、今日示したパフォーマンスを続けていく。その先に必ず勝利がついてくると思っています」と継続の部分を強調した。

8試合もの間、相手に複数失点を喫していないのは、完成度の高い組織とそれを実現するハードワークの表れ。ここ2試合は試合中のアクシデントで途中から4バックにしているが、システムを変えても大きく破綻することがなく、チームの柔軟性と戦術理解度の高さをしめしている。総失点は20とJ2最少を誇るが、上位浮上のために求められるのはなんと言っても得点の部分だ。現在、8得点のエース・荒田智之が負傷離脱中。荒田不在はけっしてラクではないが、決定力のベースアップが実現できれば、荒田復帰とともに走り出す可能性も秘めている。 

攻撃力を生かしたまま失点を抑えたい山形と、堅い守備をベースに決定力を上げたい岡山。盾と矛の関係がマッチアップの火花を激しいものにする。山形は千明聖典、仙石廉の岡山ボランチからの展開を可能な限り制限するため、コンパクトさが必要だ。当然、背後には大きなスペースがあるが、そこを徹底しなければ足元の技術もある岡山に間を使われ、結局は準備が整わないままに守備の対応を迫られることになりかねない。

岡山は押し込まれてもウィングバックをたたんでサイドのスペースを埋め、ボランチ2枚が中央を管理。ワイドのスペースもシャドー2人が開いて対応するなど、自陣ではどのエリアにも厳しいチェックを行き渡らせる。守備には十分な人数をかけたうえでマークもはっきり担当しているだけに、山形はアタッキングサードで窮屈な展開を強いられることになりそうだ。打開するために必要なものは高い技術力だが、それ以上に求められるものは、スペースをつくる動きと、そのスペースを使う動きの連動だ。マークに付いてくる相手の特徴を逆手に取るためにも、動きの量は絶対に確保したい。

山形はこの試合からホームゲーム3試合限定の特別仕様「サマー3ユニフォーム」を着用する。たかがユニフォームかもしれない。しかし、すべてのものを好転のきっかけにしようとする意気込みとしたたかさが、結果に影響しないと誰が言えるだろうか。

以上

2013.07.19 Reported by 佐藤円
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