42試合で行われるJ2リーグ戦は第25節を迎える。順位表を見ると、自動昇格圏の2チームで1グループ、3位から5位で1グループ。そしてJ1昇格プレーオフ圏内最後の切符である6位(勝点37)を狙うチームが10チームほどのグループを構成している。プレーオフ圏内を巡る熾烈な争いがこれからの大きなテーマとなる予感がする状況だ。この試合を戦う横浜FC(勝点31/15位)、東京V(勝点32/14位)にとって、この対戦は単に順位が近い同士の試合というだけでなく、6位との勝点差を詰めるために勝点3以外はありえない大事な試合となる。1試合で大きく順位が変動するだけに、この試合をきっかけとして夏場の上昇につなげることが大事になる。
横浜FCは、岡山戦(第23節/7月7日)、鳥取戦(第24節/7月14日)とアウェイの2連戦をともに引き分けで終えた。第18節(6月8日)の鳥取戦以来4勝3分と7試合負けがないが、この2試合は勝てるチャンスもあっただけに、その前の3連勝の勢いを再び取り戻せるかが、この試合の大きなポイントとなる。山口素弘監督もアウェイ2連戦を引き分けたことについて、「こちらが緩いから引き分けになる。俺は(引き分けを)ネガティブに受け取らない方だけど、もう1つ上に行くにはまだ足りないところがあるということ」と再びネジを巻き直しにかかっている。山口監督が言う足りない部分とは、最後の崩しのところ。五分五分の試合でも勝点3を奪うには、シュートに至る最後のプレーの精度を高めることが大事。その点は、「守備で安定してきているので、あとはいかに攻撃で点を取るのか。最後の部分で決めれば勝てる」と内田智也が語るように選手も十分に意識を高めている。今週の練習では、まさにシュートに至る仕上げの部分の精度を意識したメニューも精力的にこなしている。負けなしがスタートした6月8日の鳥取戦以降、チームの形となる背骨の部分は芯が通ってきているだけに、それを結果につなげるプレーが重要だ。横浜FCに勝利がもたらされれば、再び上昇への軌跡が見えてくる。「東京V戦に勝てば、アウェイ2連戦の引き分けも良い意味が出てくるが、そうでないとネガティブになる」とキャプテンのシュナイダー潤之介も語るように、今シーズンの最終順位を占う分水嶺の試合である。
対する東京Vは、前節の札幌戦で6試合勝ちなしから脱出し、6月1日以来の勝利を収めた。三浦泰年監督は試合後の記者会見で「選手が見せたハードワーク、勝利への執着心は誇れるもの」と語った一方で「良いとか悪いとかどうであったかと、今の時点で言うべきではない」と述べたように、あくまで再浮上のためのスタートラインに立ったにすぎないという指揮官のメッセージは厳しい。その意味で、東京Vにとってもこの試合はさらなるステップアップのためにも重要な試合である。東京Vのストロングポイントは伝統的にグループワークによって、個の良さを引き出すサッカーをするところ。前節の札幌戦でも、両ワイドの森勇介、小池純輝の上がりを引き出すトップのプレーが光り、それがゴールにつながっている。そして、西紀寛の2ゴールは、前を向いてプレーできれば決定的な仕事ができることを証明している。山口監督も、「ヴェルディさんも勝っていなかったし、札幌戦も泥臭く勝ったから、次節もそういう感じで来るだろう。相変わらず森のクロスは質が高いし、逆の小池はワイドにいるよりも中に入ってくるし彼はパワーがある。そこは前回の対戦と変わったところ」と、東京Vの良さを警戒している。東京Vにとっては、前節でできたイメージをいかに継続するかが、この試合でのポイントとなる。
3バックで両ワイドにストロングポイントがある東京Vに対して、横浜FCも横幅をもったポゼッションやサイドチェンジで攻撃を行うチーム。それだけに、まずはお互いにサイドをうまく使えるかが試合の大きなポイント。そして、サイドをうまく使うためには、中央でのクサビのパスやボールキープが大きな役割を果たす。それだけに、局面では両サイドのプレーが注目点であるが、サイドのプレーヤーを高い位置に押し上げていく中央のプレーがより重要になる。トップで言えば、高原直泰と大久保哲哉、セントラルMFで言えば西と佐藤謙介のプレーにも注目したい。
例年より早く梅雨明けした関東地方はこれからが長く暑い夏となる。特に混戦となっているプレーオフ圏内を狙うチームにとっては正念場を迎える。その点で、両チームにとって、ターニングポイントになるかもしれない大きな試合。ぜひ、ニッパツ三ツ沢球技場に足を運んで、両チームの後押しをしていただきたい。
以上
2013.07.19 Reported by 松尾真一郎
J’s GOALニュース
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